診療マル秘裏話   号外Vol.1092 平成30年2月6日作成

作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨




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目次
  
1)がんの転移に作用するペプチドを突き止め発表
2)がんの光免疫治療法に関する国内で治験を開始














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 医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に、新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 








  
1】 がんの転移に作用するペプチドを突き止め発表












 久留米大と久留米総合病院(
福岡県久留米市)の研究グルー
プが、がんの転移に作用するペ
プチド(アミノ酸の結合体)を
突き止め、オランダの医学誌(
電子版)に発表しました。がん
細胞が他の臓器や器官に転移し
た患者さんの血液に特定のペプ
チド(転移ペプチド)が現れる
ことを確認し、がん細胞の増殖
につながる血管新生も促してい
たということです。動物実験で
は、転移ペプチドの働きを抑え
る抗体の投与で転移を防ぐ効果
が出ており、新薬開発が期待さ
れます。

 同大医学部の津留美智代講師
によると、肝臓がんの元患者さ
ん47人を追跡調査しました。
5~10年後、骨に転移したグ
ループと、転移しなかったグル
ープに分けて血液を解析しまし
た。

 この結果、転移したグループ
には転移ペプチドが出現しまし
た。乳がん、肺がん、大腸がん、
前立腺がんなどの患者さんの追
跡調査でも同様の結果で、転移
したがん細胞からも転移ペプチ
ドが見つかりました。転移しな
かったグループには一切現れま
せんでした。

 がん細胞の増殖には、大量の
酸素と栄養素が血中に必要とさ
れ、細胞周囲の血管新生が補給
路の役割を果たしています。動
物実験で転移ペプチドを胚(受
精卵)に注入したところ、胚内
に血管新生が起きることを確認
しました。試験管内の実験で、
がん細胞を転移ペプチドが入っ
た溶液に入れると、がん細胞同
士の接着が弱まり、転移しやす
い状態になったということです。

 がんを治療したマウスに転移
ペプチドの機能を抑制する抗体
を投与すると、がんの転移は見
られず、副作用もなかったとい
うことです。既に製薬会社から
創薬に向けた相談があり、津留
講師は「転移ペプチドは、がん
の転移に重要な役割を果たして
いる。早期発見にもつなげ転移
に対する不安をなくしたい」と
話しています。

このニュースのニュース動画で

す。

 

 

 



 装弾について相談する。笑













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2】 がんの光免疫治療法に関する国内で治験を開始











 島津製作所は1月15日、がん
の光免疫治療法に関する研究を
進めるため、米国国立がん研究
所(NCI)と共同研究の契約
を締結したと発表しました。締
結は昨年9月です。今年3月か
ら国内での治験を開始します。
がんの光免疫療法は、近赤外光
と新たに開発した薬剤を使って
がんを治療する方法です。将来、
がんの8~9割が治療可能となる
そうです。最も高かったハード
ルは治験を実施するための資金
を得ることでした。この治療の
現実性や有効性をなかなか理解
してもらえず、簡単に進みませ
んでした。そんなとき楽天の三
木谷浩史会長が支援してくれた
ことは大きかったそうです。13
年、三木谷さんが、がんを患っ
ていたお父さんの治療を検討す
るため、小林研究員と初めて会
ってから、わずか1週間で支援
を決断してくれたことが、治験
までの期間の大幅スピードアッ
プに貢献したそうです。

 現在の治験で使っている薬剤
に三木谷さんのお父さんの名前
にちなんだ「RM1929(三木谷
氏の父は1929年生まれの三木谷
良一さん)」という名前が付い
たのは良い考えだと思いました。
残念ながら三木谷さんのお父さ
んは2013年11月に亡くなりまし
たが、そこで終わりではなく「
続けてやろう」と言ってくれた
ことに小林研究員は、感謝して
います。

光免疫療法について解説してい

る動画です。

 

 

 



 医療機関が治験を行う期間。













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編集後記



 がんの転移に作用するペプチ
ド(アミノ酸の結合体)を突き
止め、発表したのは偉大な業績
です。 これまで転移について、
沢山の研究者が研究してきまし
たが、このように明快に、転移
ペプチドを発見したという研究
はなされていませんでした。こ
のペプチドは新生血管の増設も
促していました。新生血管増設
がなされなければ、がん細胞は
増殖することができません。そ
のため、新生血管阻害薬は非常
によく効くとされています。し
かし従来の新生血管阻害薬は、
アバスチンのように副作用と、
相互作用が多く、設備の整った
病院でないと使えないという、
デメリットがありました。動物
実験とはいえ、がんを治療した
マウスに転移ペプチドの機能を
抑制する抗体を投与するとがん
の転移は見られず、副作用もな
かったということですから有望
であるのは間違いありません。
がんの光免疫療法は、近赤外
光と新たに開発した薬剤を使っ
てがんを治療する方法です。将
来、がんの8~9割が治療可能と
なると言われている治療です。
しかしながら、頭頸部の腫瘍で
がん細胞が頸動脈に浸潤してい
る場合、この方法を用いて治療
すると正常の血管細胞に置き換
わったがん細胞が治療でなくな
り、頸動脈に穴が開いてしまう
という欠点があります。頸動脈
に穴があくと当然出血多量で死
ぬということになるため、がん
細胞が浸潤して、正常細胞に置
き換わって、いる場合は十分に
注意する必要があります。悪性
リンパ腫の場合でも、抗がん剤
や放射線で治療した結果、腸の
細胞と置き換わっていた、がん
細胞が死滅して穴があき、腹膜
炎を起こし、最悪の場合、亡く
なるということを私は経験して
きました。新しい治療で、血液
疾患で起こるような副作用が出
るなどということは、夢にも思
いませんでした。こうした場合、
頸動脈に浸潤している所だけ、
手術で取り除き、人工血管で、
再建することをあらかじめ行っ
ておけば、悲劇は避けることが
できます。悪性リンパ腫の場合
は、そのようなことは、できま
せん。腸のどこが腫瘍細胞に置
き換わっているか分からず、穴
があいて腹膜炎を起こしてから
手術して穴を塞ごうとしても、
穴の位置が分からないことが、
多いからです。

 債権を現金に換えて再建する。













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