診療マル秘裏話    号外Vol.1116 平成30年3月6日作成

作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨




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目次
 
1)血管内皮幹細胞を発見し、移植し血管再生成功
2)腸内細菌産生胆汁酸が血糖値と脂質濃度に関与
















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 医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に、新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 








  
1】 血管内皮幹細胞を発見し、移植し血管再生成功












 血管を作り出す元になる、「
血管内皮幹細胞」を発見し、傷
んだ部位に移植して、長期間、
血管を再生することにマウスを
使った実験で成功したと、大阪
大 微生物病研究所の高倉伸幸
教授らのチームが、2月8日付の
米科学誌に発表しました。

 出血が止まりにくい血友病や、
血管が、詰まって起きる虚血性
疾患の治療法開発につながると
期待されるということです。

 血管内皮細胞は血管の内側の
表面を覆う薄い細胞です。血液
と周囲の組織との間で栄養素や
老廃物の交換などを行うため、
傷むと組織や臓器の機能低下に
つながるとされています。

血管内皮細胞について解説して

いる動画です。

 

 

 

 



 欠陥のある血管を再生する。















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2】 腸内細菌産生胆汁酸が血糖値と脂質濃度に関与











 熊本大学は、1月31日、腸内
細菌によって産生される二次胆
汁酸が血糖値と血中の脂質濃度
に関与している事と、その分子
メカニズムの一端を明らかにし
たと発表しました。この研究は、
同大大学院 生命科学研究部微
生物薬学分野の大槻純男教授と
久野琢矢博士らの研究グループ
によるものです。研究成果は「
Scientific Reports」に掲載さ
れています。

 近年、腸内細菌は宿主である
ヒトの生理機能や疾患に様々な
影響を与えることで注目されて
います。 肥満のヒトでは腸内
細菌によって産生される、短鎖
脂肪酸が脂肪酸受容体を刺激す
ることで生体のエネルギー消費
の上昇および脂肪蓄積の抑制を
引き起こす可能性などが報告さ
れており、その他にも、2型糖
尿病などの生活習慣病、自閉症
などの神経疾患、大腸がんなど
の腸疾患の発症とも関連がある
ことが明らかになっています。

 研究グループによるものも含
め、これまで研究成果からは、
抗菌薬投与による、腸内の細菌
集団の質的・量的なバランスの
破綻(dysbiosis )は糖および
脂質の代謝を担う組織である肝
臓の蛋白質発現量に影響を与え
ることが明らかになっています。

 今回、研究グループは、抗菌
薬の5日間投与によってdysbio
sis モデルマウスを作成し、血
糖値および血中の脂質成分トリ
グリセリド濃度を抗菌薬非投与
マウスと比較した所、それぞれ
64%および43%に減少していた
ということです。また、二次胆
汁酸を産生する腸内細菌が減少
しており、肝臓の二次胆汁酸(
リトコール酸、デオキシコール
酸)濃度がそれぞれ抗菌薬非投
与マウスの20%および0.6%に、
減少していました。更に、抗菌
薬投与と同時に、二次胆汁酸を
補充することによって、血糖値
および血中のトリグリセリド濃
度の低下が回復したとしていま
す。

 次に、腸内細菌が産生する二
次胆汁酸がどのように肝臓の糖
と脂質代謝に影響を与えるかを、
定量プロテオミクスによって、
解析しました。その結果、dysb
iosisモデルマウスの肝臓では、
グリコーゲン代謝およびコレス
テロール・胆汁酸の生合成に関
わる蛋白質の発現量が変化して
おり、その変化が二次胆汁酸の
補充によって回復することを示
したということです。

 今回の研究成果は、二次胆汁
酸とそれを産生する腸内細菌が
生体の糖・脂質濃度に関与して
いる可能性を示しています。研
究グループは、「今後、二次胆
汁酸を産生する細菌が糖尿病や
脂質異常症等の代謝疾患の予防
もしくは治療の標的となること
が期待される」と述べています。

肝臓、胆嚢、膵臓について解説

している動画です。

 

 

 

 



 蛋白質の発現量について発言
する。笑













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編集後記


 血管を作り出す元になる、「
血管内皮幹細胞」を発見し、傷
んだ部位に移植して、長期間、
血管を再生することにマウスを
使った実験で成功したのは偉大
な業績です。出血が止まりにく
い血友病や、血管が、詰まって
起きる虚血性疾患の治療法開発
につながることを期待したいと
思います。虚血性疾患の原因と
して、糖尿病による動脈硬化が
あります。糖尿病は全身の血管
の病気としてのとらえ方もあり、
少なくとも今回の発見で糖尿病
によって障害された内皮細胞を
再生することができれば幸いと
考えています。
 腸内細菌によって産生される
二次胆汁酸が、血糖値と血中の
脂質濃度に関与している事と、
その分子メカニズムの一端を明
らかにしたのは素晴らしい業績
です。今まで腸内細菌の血糖値
と血中の脂質濃度に関与してい
ることは、うすうす知られてい
ましたが、その分子メカニズム
は分かりませんでした。 腸内
細菌によって産生される、二次
胆汁酸がそれ程の大きな役割を
担っているとは、正に驚天動地
の心境です。腸肝循環というの
は大切だと医学生の時代に習い
ましたがここまでとは全く想像
もできませんでした。

 最近の腸内細菌は庁内の発見
を覆した。笑












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