診療マル秘裏話    号外Vol.1128 平成30年3月20日作成

作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨




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目次
 
1)ニッケルイオン誘発炎症細胞活性化が、亜鉛イオンで抑制
2)放射線療法後腸線維症は好酸球除去抗体で改善
















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 医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に、新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 








  
1】 ニッケルイオン誘発炎症細胞活性化が、亜鉛イオンで抑制












 東北大学は2月22日、ニッケ
ルイオンにより誘発される炎症
細胞の活性化が、生理的濃度の
亜鉛イオンにより抑制される事
を明らかにしたと発表しました。
この研究は、同大大学院 薬学
研究科の平澤典保教授、加齢医
学研究所の小笠原康悦教授らの
研究グループによるものです。
研究成果は「Scientific Repor
ts」に掲載されています。


近年、金属イオン、特にニッケ
ルに対するアレルギー反応をし
めす金属アレルギーの患者さん
が増加しています。また、ステ
ントなどのニッケルを含有する
医療機器を体内に設置する機会
が増加し、医療機器から溶出す
るニッケルイオンによる、炎症
反応、アレルギー反応の誘発も
問題となっていますがその抑制
方法は、確立されていませんで
した。

今回の研究では、ヒト単球系細
胞株THP-1 において、細胞内に
取り込まれたニッケルイオン量
を誘導結合プラズマ質量分析計
により精密に測定し、インター
ロイキン-8(IL-8)の産生を指
標として、炎症性細胞の活性化
を評価しました。その結果、細
胞内ニッケル濃度の増加ととも
に、IL-8の産生が増加すること
が確認されたということです。

さらに、各種金属イオンの存在
下でニッケルイオンを刺激した
ところ、低濃度の亜鉛イオンが
ニッケルイオンの取り込みとIL
-8の産生をともに抑制すること
を見出したということです。ま
た、マウス背部皮下にニッケル
金属を埋入することにより、溶
出したニッケルによる炎症反応
を評価した所、コントロールマ
ウスに比べて、低亜鉛状態のマ
ウスにおいて強い反応が誘発さ
れることが明らかとなりました。

これらの結果は、生理的濃度の
亜鉛イオンがニッケルイオンに
よる炎症反応に抑制的に作用し
ていることを示しています。研
究グループは、この研究成果に
ついて、「近年、日本人に増大
している低亜鉛血症患者の、ニ
ッケルアレルギーが増悪化しや
すいことを示唆し、注意を喚起
するもの」と述べています。

亜鉛不足について解説している

動画です。

 

 

 



 歓喜で寒気の注意喚起を忘れ
て行動する。笑












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2】 放射線療法後腸線維症は好酸球除去抗体で改善











 千葉大学は2月19日、これま
で治療法のなかった腹部放射線
治療後の重篤な合併症である腸
線維症において、好酸球が重要
な役割を果たすことを発見し、
発症のメカニズムを解明したと
発表しました。この研究は、同
大大学院医学研究院粘膜免疫学
/東京大学医科学研究所国際粘
膜ワクチン開発研究センター自
然免疫制御分野の植松智教授ら
の研究グループによるものです。
研究成果は「Science Translat
ional Medicine」に掲載されて
います。

放射線誘発性腸線維症は、骨盤
内腫瘍または腹膜転移のための
腹部放射線療法後の重篤な合併
症です。特に小腸の粘膜下組織
に顕著な線維化を引き起こしま
す。今回の研究では、腹部放射
線照射後、腸管陰窩では慢性の
細胞死が誘導された結果、細胞
外にアデノシン三リン酸(ATP)
の漏出を引き起こし、陰窩直下
の筋線維芽細胞を活性化する事、
この活性化筋線維芽細胞は、粘
膜下に好酸球を浸潤させるとと
もに、活性化させることが判明
しました。粘膜下の活性化した
好酸球は、TGF-βの産生を介し
て、逆に筋線維芽細胞からのコ
ラーゲン産生を促し、粘膜下に
著明な線維化を誘導することが
明らかになったということです。

今回、協和発酵キリン株式会社
との共同研究において、新規に
マウスInterleukin-5 receptor
α(IL-5Rα)を標的とした好
酸球除去抗体を開発しました。
この抗体の投与によって、腸管
の好酸球浸潤は消失し、放射線
誘発性腸線維症は、顕著に改善
したということです。以上の事
から、好酸球を標的とした抗体
治療を行うことによって、放射
線誘発性腸線維症の新しい治療
戦略を示すことができたとして
います。

放射線誘発性腸線維症は、これ
まで治療法がありませんでした。
研究グループは、「好酸球除去
抗体の投与は、腸管の線維化を
抑制することができ、放射線治
療後の患者の合併症を防いで、
QOL の低下を回避できると考え
る」と述べています。

放射線治療について解説してい

る動画です。良い治療効果が出

ている症例のみを集めている気

がします。

 

 

 

 



 会費の支払いを回避する。笑














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編集後記


 ニッケルイオンにより誘発さ
れる炎症細胞の活性化が、生理
的濃度の亜鉛イオンにより抑制
される事を明らかにしたと発表
したのは素晴らしい業績です。
近年、日本人に増大している低
亜鉛血症患者の、ニッケルアレ
ルギーが増悪化しやすいことを
示唆し、注意を喚起することは
重要です。こうした実験を通じ
て、亜鉛イオンの重要性が明白
になったことは喜ぶべきことで
しょう。
 これまで治療法のなかった腹
部放射線治療後の重篤な合併症
である腸線維症において、好酸
球が重要な役割を果たすことを
発見し発症のメカニズムを解明
したと発表したのは素晴らしい
業績です。 好酸球除去抗体の
投与は、腸管の線維化を抑制す
ることができ、放射線治療後の
患者さんの合併症を防いでQOL 
の低下を回避できる効果を保持
しています。

 定価の低下を期待する。笑














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