診療マル秘裏話    号外Vol.1154 平成30年4月20日作成

作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨




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目次
 
1)5-アミノレブリン酸投与とLED 光使用の光線力学療法
2)ゴム製アヒルを湯船に漬けたとき細菌や真菌の温床
















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 医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に、新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 








  
1】 5-アミノレブリン酸投与とLED 光使用の光線力学療法












 大阪市立大学は3月9日、緑膿
菌感染皮膚潰瘍に対して、5-ア
ミノレブリン酸の局所投与とLE
D 光を用いた光線力学療法を行
い、緑膿菌を殺菌し、細菌感染
していない場合と、同等の創傷
治癒促進効果を得ることに成功
したと発表しました。この研究
は、同大大学院医学研究科の鶴
田大輔教授、小澤俊幸講師らの
研究グループが、SBI ファーマ
株式会社と共同で行ったもので
す。研究成果は、皮膚科学専門
誌「Journal of Dermatologica
l Science」のオンライン版に、
掲載されています。

 近年、抗菌薬に対する耐性菌
が世界的な問題として注目され
ています。研究グループは2014
年に、耐性菌の代表であるメチ
シリン耐性黄色ブドウ球菌(MR
SA)感染皮膚潰瘍に対し、5-ア
ミノレブリン酸(ALA)と410nm
LEDを使用した光線力学療法(
PDT )が、殺菌および創傷治癒
促進効果を有することを報告し
ていました。

 PDT とは光感受性物質を投与
し、標的となる組織に集積させ
た後に、特定の波長の光を照射
することにより生じる活性酸素
によって、標的細胞(細菌)を
死滅させる治療法です。既存の
抗菌薬の治療とは、全く異なる
作用機序で殺菌し、耐性菌を生
じる事がないため、新たな細菌
感染の治療法として注目されて
います。

 入院患者さんや免疫力の弱い
人に対して、大きな脅威となる
感染皮膚潰瘍は、グラム陽性球
菌であるMRSAと、グラム陰性杆
菌の緑膿菌が二大要因となって
います。緑膿菌は水まわりなど
生活環境中に広く常在しますが、
健常者には通常、病原性を示さ
ない弱毒細菌です。各種の抗菌
薬に耐性を示す傾向が強く、日
和見感染症の起因細菌として、
臨床現場で問題となっています。

 今回はMRSAと同様に薬剤耐性
化が問題となっている緑膿菌に
対してもPDT が有効か、検討し
ました。研究当初、緑膿菌に対
してもMRSA同様の方法でPDT を
行っていましたが、効果が見ら
れませんでした。そこで、様々
な条件を再検討し、少量のエチ
レンジアミン四酢酸二ナトリウ
ム(EDTA-2Na)をALAに混ぜてP
DTを実施しました。 その結果、
MRSA感染皮膚潰瘍に対する効果
と同様に緑膿菌は減菌し、有意
に創傷治癒が促進され、感染し
ていない潰瘍と同等の治癒効果
を得ることに成功したという事
です。

 なお、2018年3月から、同大
学医学研究科皮膚病態学の臨床
研究として人を対象とした治療
を開始する予定だそうです。

ALAについて解説している動画

です。

 

 

 

 



 現金を使った設備で感染症の
細菌は、減菌した。笑














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2】 ゴム製アヒルを湯船に漬けたとき細菌や真菌の温床













 科学的好奇心はとどまるとこ
ろを知らないようです。スイス
と米国の研究者チームがゴム製
のアヒルを湯船に漬けたときの
「知られざる真実」を探求し、
スイス政府が3月27日に発表し
た研究論文によると、湯船に漬
けられた樹脂製品はさまざまな
細菌や真菌の温床となっている
ことが明らかになりました。ス
イス連邦水科学技術研究所(EA
WAG )とスイス連邦工科大学チ
ューリヒ校(ETH Zurich)、米
イリノイ大学(University of
Illinois )の研究チームは、
家庭で使用される状況をシミュ
レーションして、実際に使用さ
れている風呂用玩具と、新しい
風呂用玩具を使って対象実験を
実施しました。

 11週間にわたって一部の玩具
はきれいな風呂の湯に漬け、そ
れ以外はせっけんや体液などで
汚れている湯に漬け、玩具を切
り開きました。すると、実際に
使用されている玩具の約60%か
ら、汚れた湯に漬けた玩具のす
べてから真菌種が検出されまし
た。また、病原性の可能性があ
る細菌が実験に使用した全玩具
の80%から検出されたという事
です。

 一番の問題は、玩具の内側に
湯がたまりやすいことですが、
風呂用玩具は低品質のポリマー
材料で作られていることが多く、
そうした素材は有機炭素化合物
を排出し、細菌コロニーの餌と
なります。

「入浴中、菌の重要な栄養分と
なる窒素やリン、その他の菌も、
湯船に漬かっている人の体(尿
や汗など体液)やそれ以外の汚
染物質、パーソナルケア用品等
で繁殖する」と論文は指摘して
います。

 では、ゴム製のアヒルは浴槽
から追い出してしまう方がいい
のでしょうか。

 微生物学者のフレデリック・
ハムズ(Frederik Hammes )氏
は、風呂用玩具で使用されるポ
リマー材料に対する規制を強化
すべきだと提言しています。

風呂用玩具の一例の動画です。

 

 

 

 



 感染の危険は低減したと提言
では述べています。笑













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編集後記



 緑膿菌感染皮膚潰瘍に対して、
5-アミノレブリン酸の局所投与
とLED 光を用いた光線力学療法
を行い、緑膿菌を殺菌し、細菌
感染していない場合と、同等の
創傷治癒促進効果を得ることに
成功したと発表したのは、素晴
らしい業績です。緑膿菌感染の
難しい所は、どの抗菌薬を用い
ても、すぐに耐性になってしま
うということです。しかし上記
の光線力学療法では、抗菌薬を
使うことなく緑膿菌を殺菌でき
たということですから多剤耐性
緑膿菌と戦うことなく緑膿菌を
殺菌したということになります。
 湯船に漬けられた樹脂製品は
さまざまな細菌や真菌の温床と
なっていることが明らかになっ
たということですから湯船には
樹脂製品の玩具はつけない方が
良いというのが結論だと思いま
す。湯船に人間が浸かった後の
湯は大変汚れている訳で、細菌
や真菌を取り込む樹脂製品は、
更にひどく汚染することは目に
見えています。規制を厳しくす
るより、禁止することこそ衛生
面で国民の理解を得ることがで
きるのではないでしょうか?そ
うしないのは、玩具メーカーの
意に沿った政治と言われても、
反論することは容易でない気が
します。

 近視でも眼鏡の着用を禁止さ
れる。笑














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