診療マル秘裏話    号外Vol.1158 平成30年4月24日作成

作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨




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目次
 
1)バルドキソロンメチル先駆け審査指定制度対象品目指定
2)新薬候補の毒性や副作用を万能細胞とAIで調査
















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 医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に、新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 








  
1】 バルドキソロンメチル先駆け審査指定制度対象品目指定












 協和発酵キリン株式会社は3
月28日、低分子化合物「バルド
キソロンメチル(開発番号:RT
A402)」について、糖尿病性腎
臓病(DKD )を対象に、厚生労
働省より先駆け審査指定制度の
対象品目に指定されたと発表し
ました。

 DKD は、糖尿病に起因し新規
に血液透析を導入する患者さん
に最も多くみられる慢性腎臓病
(CKD)です。CKDは、放置する
と腎機能の低下とともに末期腎
不全となり、最終的に慢性透析
療法や腎移植が必要となります。
腎機能低下には、過剰な酸化ス
トレスや炎症が関与することが
知られています。

 先駆け審査指定制度は、画期
的な新薬などを日本で早期に実
用化することを目的として、そ
の開発を促進するために創設さ
れた制度です。原則として既承
認薬と異なる作用機序により、
極めて高い有効性が期待される
医薬品が指定され、指定された
品目は薬事承認にかかわる相談・
審査における優先的な取扱いを
受けます。

 バルドキソロンメチルは、協
和発酵キリンが2009年に米リア
タ ファーマシューティカルズ
から導入しました。日本、中国、
台湾、韓国および東南アジア諸
国における腎疾患等を対象とし
た独占的開発・販売権を取得す
るライセンス契約を締結してい
ます。

 同剤は、体内のストレス防御
反応で中心的な役割を果たす転
写因子「Nrf2」を活性化する低
分子化合物です。広範な抗酸化
ストレスおよび抗炎症作用によ
り、腎機能を改善させると考え
られています。国内で実施され
た第2相臨床試験(TSUBAKI試験)
では、バルドキソロンメチルが
イヌリンクリアランス法により
測定したGFR (腎機能)を明確
に改善することが示されました。

 現在、協和発酵キリンは、同
剤の有効性および安全性を検証
するための第3相臨床試験の開
始に向け、準備を進めています。

糖尿病性腎症について解説して

いる動画です。

 

 

 

 



姉弟で指定制度を改革する。














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2】 新薬候補の毒性や副作用を万能細胞とAIで調査













 京都大iPS 細胞研究所は、新
しい薬の候補になる化合物の毒
性や副作用を、人の人工多能性
幹細胞(iPS 細胞)と胚性幹細
胞(ES細胞)、人工知能(AI)
を利用して調べる共同研究を民
間の研究機関と始めたと4月2日、
発表しました。2020年3月まで
の予定で、創薬のコスト軽減に
もつながるということです。

 中心となる藤渕航教授(幹細
胞情報学)らは均質で毒性評価
などに用いやすいES細胞に、薬
の候補物質を加えて試すシステ
ムを開発してきました。患者さ
んからiPS 細胞を作製すれば、
患者さんの病気に特有の症状を
体外で再現できるなどの性質に
注目し、iPS 細胞も使うことに
しました。

iPS細胞を用いた創薬研究につ

いての動画です。

 

 

 

 



 新人王候補が大飛球を好捕す
る。笑















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編集後記



 低分子化合物「バルドキソロ
ンメチル(開発番号:RTA402)」
について、糖尿病性腎臓病(DK
D )を対象に厚生労働省より先
駆け審査指定制度の対象品目に
指定されたと発表したのは素晴
らしい業績です。糖尿病性腎臓
病から血液透析導入となる患者
さんが急増しているため、それ
を薬剤で遅らせることができれ
ば、幸いです。同剤は、体内の
ストレス防御反応で、中心的な
役割を果たす転写因子「Nrf2」
を活性化する低分子化合物で、
広範な抗酸化ストレスおよび抗
炎症作用により、腎機能を改善
させると考えられているという
ことですから、ユニークなマネ
のできない作用機序をもつ化合
物と言えるでしょう。
 新しい薬の候補になる化合物
の毒性や副作用を、人の人工多
能性幹細胞(iPS 細胞)と胚性
幹細胞(ES細胞)、人工知能(
AI)を利用して調べる共同研究
を民間の研究機関と始めたのは
素晴らしい試みだと思います。
均質で毒性評価などに用いやす
いES細胞に、薬の候補物質を加
えて試すシステムを開発してきたと
いう実績があり、患者さんから
iPS 細胞を作製すると、患者さ
んの病気に特有の症状を体外で
再現できるなどの性質に注目し、
iPS 細胞も使うことにしたとい
うことです。そこで更に解析の
過程にAIを導入することで創薬
に使われる時間とコストの短縮
が図られるものと推測されます。

 際限なくリアルに環境を再現
する。笑













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