診療マル秘裏話    号外Vol.1219 平成30年7月5日作成

作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨




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目次
 
1)双極性障害でミトコンドリア病因遺伝子ANT1変異症例
2)男性型脱毛症と血色素量ストレスの関連性に新知見















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 医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に、新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 








  
1】 双極性障害でミトコンドリア病因遺伝子ANT1変異症例











 
 理化学研究所と日本医科大学
の研究グループは、双極性障害
(躁うつ病)患者さんでミトコ
ンドリア病の原因遺伝子ANT
1の変異を持つヒトがいること
を発見しました。ミトコンドリ
アでANT1の機能が失われる
とカルシウムイオン保持機能が
低下するほか、脳内のANT1
機能をノックアウトしたマウス
はセロトニン神経活動を活性化
したマウスと同様の振る舞いを
することを突き止めました。

 ミトコンドリアにおけるカル
シウムイオンの取り組みが新た
な双極性障害の創薬標的となる
可能性があるということです。
さらに、双極性障害の原因とさ
れるセロトニン説、ミトコンド
リア説、カルシウムイオン説を
関連づけて説明できることから、
原因解明の進展が期待されます。

 双極性障害は、躁状態とうつ
状態を繰り返す精神疾患で、1
00人に1人が発症するとされ
ています。リチウムなどの治療
薬はありますが、発症メカニズ
ムは明確ではありません。原因
としては、神経伝達物質のセロ
トニン説、細胞内小器官のミト
コンドリア説、生体伝達物質の
カルシウムイオン説などが指摘
されています。

 まれな遺伝病のミトコンドリ
ア病では双極性障害をともない
やすいことに着目しました。双
極性障害患者さんを調査した所、
304人のうち2人が健常者に
はほとんどみられないANT1
の機能を失っていることを突き
止めました。

 これを踏まえ、脳だけでAN
T1機能を阻害したマウスを作
製、カルシウムイオンの保持機
能が下がること、ミトコンドリ
アDNA由来の蛋白質が集まっ
ている脳部位は縫線核である事
が分かりました。さらに行動を
評価する遅延報酬割引実験では
セロトニン活動過剰マウスと同
じ行動変化を示しました。

このニュースのニュース動画で

す。

 

 

 

 

 



 筝曲奏者に双極性障害の人は
いない。笑













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2】 男性型脱毛症と血色素量ストレスの関連性に新知見











 
 近畿大学薬学部医療薬学科の
川崎直人教授と、同医学部奈良
病院の山田秀和教授、毛髪クリ
ニック リーブ21は、男性型脱
毛症(AGA)と血色素量、ス
トレスとの関連性について新知
見を得ました。大阪国際会議場
で開催の「第18回日本抗加齢医
学会総会」において優秀演題受
賞講演として共同発表しました。

 研究では20~40歳代のリーブ
21の男性会員45人を対象に、R
eve21 簡易分類を用いて「
軽症群」と「重症群」に分類し
ました。ストレスや運動、食生
活といった生活習慣などのアン
ケート調査を行いました。また、
非侵襲型測定器による血管幅や
ヘモグロビン推定量、唾液αア
ミラーゼ活性を測定した結果、
脱毛度が「重症群」のヘモグロ
ビン推定値が「軽症群」に比べ
有意に高い値を示すことが確認
されました。AGAが生活習慣
やストレスなどに起因する可能
性があり、ヘモグロビン量や静
脈酸化指標などの測定は、脱毛
症の改善や早期発見に寄与でき
る可能性が示唆されました。

 成人男性で最も多いといわれ
ている脱毛症がAGAです。A
GAの発症要因は詳細に明らか
になっておらず、遺伝的要因と
男性ホルモンによる影響が強い
というイメージがある一方で、
多くの環境的要因も関与してい
ると考えられています。

 共同研究は2012年から行って
おり、今後、関連性が認められ
た項目を詳細に追跡調査・研究
し、AGAと環境的要因の因果
関係研究に活用していく予定で
す。

ストレスとAGAの関係について

解説している動画です。

 

 

 

 



 商才を詳細にチェックする。














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編集後記





 双極性障害(躁うつ病)患者
さんでミトコンドリア病の原因
遺伝子ANT1の変異を持つヒ
トがいることを発見したのは、
素晴らしい業績です。ミトコン
ドリアにおけるカルシウムイオ
ンの取り組みが、新たな双極性
障害の創薬標的となる可能性が
あるということですから、創薬
に当たって、具体的な目標が、
設定され、新しい薬剤が生まれ
る可能性が、高くなりました。
現在、双極性障害の治療で使わ
れているリチウムには、副作用、
相互作用があり、非常に使いに
くい薬であることが知られてい
ます。新しい薬剤が、副作用と
相互作用が少ないことを期待し
たいと思います。
 男性型脱毛症(AGA)と血
色素量、ストレスとの関連性に
ついて新知見が得られたのは、
素晴らしい業績です。遺伝的な
発症要因を変えることは、難し
いと考えられていて最近流行の
ゲノム編集で行う場合、発がん
の副作用を考える必要が出てき
ました。環境的な発症要因であ
れば、生活習慣を変えることで
発症を予防することができると
思われます。血色素量が多い人
という意味では、タバコ多血症
の人が多いのではと思われます。
ストレスが多い人はたくさんタ
バコを吸って多血症になると共
に、男性型脱毛症になると考え
られます。タバコをたくさん吸
うと身体の中に活性酸素が著し
く増えます。そのため、毛根の
毛母細胞が死ぬので、脱毛症が
起こるのかも知れません。

 孟母三遷の教えを守った母親
の毛母細胞。笑













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