診療マル秘裏話    号外Vol.1224 平成30年7月10日作成

作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨




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目次
 
1)全国民分ワクチン製造期間を短縮し最短半年で用意
2)病原体のDNAを使うDNAワクチンの実用化が視野入り















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 医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に、新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 








  
1】 全国民分ワクチン製造期間を短縮し最短半年で用意








 
 政府は、発生が懸念される新
型インフルエンザのワクチンに
ついて、1年半~2年かかる全
国民分のワクチンの製造期間を
大幅に短縮し、最短半年で用意
できる体制を今年度内に整える
方針を決めました。新たな製造
法を導入することで実現させま
す。6月15日に開かれた厚生労
働省の専門家部会で報告されま
した。今後は、重症化が懸念さ
れる小児や高齢者らの接種順に
ついて本格的な議論に入ります。


 新型インフルエンザはトリ等
の間で流行するウイルスが変異
し、人間の間でも流行するよう
になる感染症で、免疫を持たな
い国民の多くが感染・発症する
とされています。政府は発生後
に、ワクチン製造に取りかかる
予定ですが、従来の製造法では
流行のピークに間に合わない可
能性が高いため、1000億円以上
をかけて見直しを進めていまし
た。

 厚労省によると、新たな製造
法「細胞培養法」は鶏卵を使う
従来の方法と違い、短期間での
大量生産が可能になります。メ
ーカー3社の間で、半年間に計
1億3000万人分以上を製造でき
る体制が整う見通しが立ったと
いうことです。ワクチンの配布
などをめぐって混乱しないよう、
政府は配布や接種の優先順につ
いて早急に議論を本格化させ、
国民の理解を得たいとしていま
す。

昨年の冬のインフルエンザの

ワクチンが足りない状況があ

りました。新製造法ではこの

ようなことは起こらないとい

えましょう。

 

 

 



 体制側に立って、牌譜を配布
する。笑












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2】 病原体のDNAを使うDNAワクチンの実用化が視野入り











 
 弱毒化した病原体などを使っ
た従来のワクチンとは異なり、
病原体のDNAを使うDNAワ
クチンの実用化が近づいていま
す。感染症の予防に限らず、高
血圧やアレルギー、がんの治療
を目的にしたものまで、対象は
多岐にわたります。


 妊婦が感染すると赤ちゃんが
小頭症になる恐れのあるジカウ
イルス感染症は脅威となる感染
症です。 中南米を中心に世界
各地で感染が拡大し、2016年に
は、世界保健機関(WHO)が
緊急事態を宣言しました。それ
からほぼ半年で米国などの二つ
の研究チームがDNAワクチン
を開発しました。ヒトでの臨床
試験(治験)が始まっています。
米国立アレルギー感染症研究所
などのチームは昨年3月から、
ブラジルやメキシコなど7つの
国・地域で2500人を対象にした
臨床試験を展開しています。

 はしか(麻疹)や水ぼうそう
などに一度かかると再び感染し
ないのは、免疫の働きによるも
のです。免疫細胞は、体内に病
原体が入ってくると、攻撃して
排除しようとします。その際、
その病原体を特異的に攻撃する
「抗体」が作られます。さらに、
別の免疫細胞「樹状(抗原提示)
細胞」も刺激され病原体を攻撃
する「キラーT細胞」なども活
性化されます。最初の感染時に
は一連の免疫反応に約1週間か
かりますが、再び同じ病原体が
入ってきた時には免疫系の準備
ができており、速やかに攻撃し
ます。

 特定の病原体に対する、攻撃
準備を感染前に免疫系にさせる
働きをするのがワクチンです。
通常、「生ワクチン」と「不活
化ワクチン」の2種類がありま
す。

 生ワクチンは弱毒化した病原
体を使います。 抗体に加えて
キラーT細胞も誘導されるので、
強い免疫反応が期待できます。
ただし、まれにうった人の体内
で病原体が増えることがありま
す。

 一方、不活化ワクチンは増殖
力を無くした病原体を使います。
体内で病原体は増えませんが、
キラーT細胞が誘導されない事
が多く免疫反応は比較的弱いと
されています。

 DNAワクチンは、病原体の
内、とくに免疫反応を強く起こ
す「抗原」のDNAと同じ配列
のDNAを合成し、「プラスミ
ド」と呼ばれる輪状のDNAや
病原性を無くしたウイルスDN
Aに組み込んで作ります。体内
では生ワクチンとほぼ同じ反応
が起きます。DNAワクチンが
注目されるのは、病原体DNA
の一部だけを使うため体内で病
原体が増える恐れがなく、しか
も理論的には強い免疫反応が起
きると期待できるからです。

 米食品医薬品局(FDA)で
DNAワクチンの審査に携わっ
ていた医薬基盤・健康・栄養研
究所の石井健ワクチン・アジュ
バント研究センター長は「病原
体を培養して作る通常のワクチ
ンに比べ、遺伝子工学で作るD
NAワクチンは早く、安く作れ
る」と説明しています。

 しかし課題もあります。研究
段階では不活化ワクチンより強
い免疫がつくと考えられていま
したが、実際に人に投与したと
免疫が十分につかないことが多
くありました。投与したDNA
が細胞内に十分に入らないのが
一因だと考えられました。そこ
で、接種する際に電気刺激を与
えたり、超高速でワクチン液を
皮膚に浸透させたりと接種方法
が工夫されました。

 さらに効果を高めるために、
抗原DNAと一緒に、免疫反応
を強化する様々な物質のDNA
も組み込んだワクチンが開発さ
れています。遺伝子工学で思い
通りにDNAを組み合わせる事
ができるからです。

 国立病院機構・近畿中央胸部
疾患センター臨床研究センター
の岡田全司博士らは成人を対象
にした結核菌に対するDNAワ
クチンを開発中です。結核のワ
クチンには乳児期に接種するB
CGがありますが、BCGは約
20年経つと効果が薄れてきます。
また、成人には効果がありませ
ん。

 岡田さんらのワクチンは結核
菌の抗原蛋白質に加え、免疫反
応を強める「IL12」という物
質の遺伝子も入っています。カ
ニクイザルに結核菌を感染させ
て実験したところ、19週間後、
ワクチンを接種しなかった5匹
のうち2匹が死んだのに対し、
9回接種した5匹は生存してい
ました。岡田さんは「予防だけ
でなく治療効果も目指している。
まずはヒトでの治療の臨床研究
を実施したい」と話しています。


 実用化したDNAワクチンは
現在、動物を対象にしたものだ
けですが、エボラ出血熱やイン
フルエンザなど多くの感染症に
ついてヒトでの臨床研究が進ん
でいます。さらに、予防ではな
く治療を目的にがんや生活習慣
病、アレルギーなど感染症以外
の疾患を対象にした臨床研究も
盛んに実施されています。

 遺伝子治療薬などを開発する
アンジェス(本社・大阪)は今
年4月、高血圧のDNAワクチ
ンの臨床試験をオーストラリア
で始めました。 血圧を上げる
物質「アンジオテンシン2」の
働きを阻害する抗体を誘導する
物質のDNAと、免疫の反応を
調整するDNAを組み込んでい
ます。

 開発に携わった大阪大学医学
系研究科の中神啓徳寄附講座教
授(健康発達医学)は「降圧剤
は毎日飲まなければならないが、
ワクチンなら1回の接種で数カ
月効果が持続し患者さんの負担
を軽くできる可能性がある」と
言っています。

 また、アステラス製薬(本社・
東京)は、国内でスギ花粉症、
米国で、ピーナツアレルギーを
治療するDNAワクチンの臨床
試験を実施中です。

 石井さんは「複雑な免疫反応
のうち狙った反応だけを強化す
る物質が見つかってきました。
より効果的なDNAワクチンが
登場するかもしれない」と話し
ています。

 DNAワクチンは、がん治療
への応用も期待されています。
がん細胞の表面にだけある蛋白
質など、がん細胞の目印となる
抗原のDNAを使うことで、免
疫細胞にがん細胞だけを攻撃さ
せます。現在、乳がんや膵臓が
ん、前立腺がんなどで臨床試験
が行われています。

ワクチンの歴史
 英国の医師ジェンナーが1796
年に始めた天然痘の予防接種が
最初のワクチンです。1881年に
はフランスの細菌学者パスツー
ルが炭疽菌のワクチンを開発し
ました。複数の感染症の混合ワ
クチンなども開発されてきまし
た。世界3大感染症のうち結核
のワクチンは開発されましたが、
エイズとマラリアのワクチンは
まだありません。

ワクチンについて解説している

動画です。

 

 

 

 



 東條さんが、飛行場に登場し、
飛行機に搭乗した。笑












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編集後記



 政府が、発生が懸念される新
型インフルエンザのワクチンに
ついて、1年半~2年かかる全
国民分のワクチンの製造期間を
大幅に短縮し、最短半年で用意
できる体制を今年度内に整える
方針を決めたのは、素晴らしい
業績です。ただ、コストと製作
時間を削るだけなら、蚕を使っ
たワクチン作りの方が良かった
のではないかと思います。当然
圧力団体やコネで政治に介入す
る大企業の圧力もあって、新た
な製造法「細胞培養法」に落ち
着いたと考える方が自然である
と思われます。新型インフルエ
ンザは、本当の脅威で、2009年
の弱毒株の流行とは較べものに
ならないほどの強毒株のパンデ
ミックを想定した方が良いでし
ょう。そんな時は、ワクチンが
短期間で、大量に作ることがで
きる蚕を使った製法こそ珍重さ
れるのでは、ないかと考えてい
ます。
 弱毒化した病原体などを使っ
た従来のワクチンとは異なり、
病原体のDNAを使うDNAワ
クチンの実用化が近づいている
のは、喜ばしいことです。DN
Aワクチンは、病原体の内、と
くに、免疫反応を強く起こす「
抗原」のDNAと同じ配列のD
NAを合成し、「プラスミド」
と呼ばれる輪状のDNAや病原
性を無くしたウイルスDNAに
組み込んで作ります。体内では
生ワクチンとほぼ同じ反応が起
きます。DNAワクチンが注目
されるのは、病原体DNAの一
部だけを使うため体内で病原体
が増える恐れがなく、しかも理
論的には強い免疫反応が起きる
と期待できるからです。
 
 輪状のコイルで臨場感を増す。












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