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診療マル秘裏話    号外Vol.1248 平成30年8月7日作成

作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨




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目次
 
1)運転中の高齢者が連続する赤信号に怒り感じる
2)肥満により前立腺がんが進行するメカニズムを解明















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 医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に、新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 








  
1】 運転中の高齢者が連続する赤信号に怒り感じる











 名古屋大学は7月11日、運転
中の高齢者が、連続する赤信号
に怒りを感じやすいという結果
を心理実験や脳計測で明らかに
したと発表しました。この研究
は、同大大学院情報学研究科の
川合伸幸准教授(中部大学創発
学術院客員准教授)と中田龍三
郎特任講師らのグループによる
ものです。研究成果は、科学誌
「Japanese Psychological Res
earch」に掲載されました。

近年、あおり運転などの交通ト
ラブルが社会問題となっていま
す。これまでの研究から、自動
車を運転しているときには日常
でのほかの場面より怒りが生じ
やすく、たとえば運転中の不快
な出来事(無理な追い越しにあ
う)は、運転以外の日常生活で
の不快な出来事(列に割り込ま
れる)よりも怒りを感じる割合
は高くなるとの調査結果が報告
されていました。また、怒りを
感じることの多いドライバーの
方が危険運転を行いやすい傾向
があることが示されています。
しかし、これらの様な事後報告
の調査ではなく、実際に運転中
に怒りを感じることを実験的に
示した研究はありませんでした。

今回の研究では、高齢者(65~
74歳:平均70.2歳)と学生(19
~31歳:平均21.7歳)が、行動
実験に協力しました。 大型の
運転シミュレーターで再現した
全長4.0~6.2kmの一般道路を法
定速度でできるだけ早く走行し
てもらいました。

その結果、高齢者は赤信号走行
後に主観的な攻撃度を反映する
怒り行動尺度得点が安静状態よ
りも高くなりましたが、学生に
は変化はなかったそうです。又、
青信号走行後は、高齢者と学生
のいずれも攻撃性得点に変化は
ありませんでした。さらに、赤
信号の停止中と青信号の走行中
に、額より少し上の左右対称な
位置から脳血流に含まれる酸化
ヘモグロビン量(oxy-Hb)を測
定したところ、高齢者は赤信号
で左の酸化ヘモグロビン量が右
側より増加したが、学生は左右
ともにほとんど変化がなかった
ということです。

これまでの研究から、左前頭葉
の活動が右前頭葉より活性化す
るのは、怒り(攻撃性)を反映
することが示されていましたが、
今回の研究により、「高齢者は
赤信号で連続して停止しなけれ
ばならないと怒りを感じる」と
いうことが明らかになりました。
また、高齢者は赤信号後の次の
黄色信号でも前頭葉は左の活動
が高いままで、怒りを持続して
いることが示されたということ
です。実験前に、高齢者に対し
て前頭葉の実行機能を評価する
検査をしたところ、赤信号での
酸化ヘモグロビンの変化量や、
怒り行動尺度得点と相関があり
ました。この結果は、実行機能
が弱い高齢者ほど赤信号でヘモ
グロビン値が高くなり、さらに
攻撃性得点も高くなるという事
を示しており前頭葉の実行機能
が弱いほど怒りやすい事が判明
したとしています。

現在の日本では、高齢者の交通
事故が増加しています。 この
研究は、イライラする様な交通
状況で、特に高齢者が怒りやす
いことを初めて示したものであ
り、研究グループは、「今後は、
どのようにすれば怒りを抑制で
きるかに係る研究が進むことが
期待される」と述べています。

信号無視で、交差点に侵入した

高齢ドライバーをたしなめる、

白バイの動画です。

 

 

 

 



 実行機能が実効性を持つ。笑












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2】 肥満により前立腺がんが進行するメカニズムを解明











 大阪大学は7月10日、高脂肪
食による肥満によって、前立腺
がんが、進行するメカニズムを
解明したと発表しました。この
研究は、同大大学院医学系研究
科の藤田和利講師、野々村祝夫
教授(泌尿器科学)らの研究グ
ループによるものです。 研究
成果は「Clinical Cancer Rese
arch」に掲載されました。

肥満と前立腺がんとの疫学研究
により、高脂肪食が前立腺がん
を促進することが知られていま
す。しかし、メカニズムに関し
ては、免疫不全マウスを用いた
研究が主で、炎症・免疫細胞等
のがん微小環境を含めた検討は
なされておらず、ヒトに近いマ
ウスモデルでの検討が必要でし
た。

研究グループは、前立腺がんを
発症する遺伝子改変マウスに高
脂肪食を投与し免疫細胞の変化
を調べました。その結果、高脂
肪食投与マウスでは、骨髄由来
(免疫)抑制細胞(MDSC)が増
殖し、マクロファージ由来のイ
ンターロイキン6(IL-6)が増
加していることが明らかになっ
たということです。

このマウスに、抗炎症作用を有
するセレコキシブまたは抗IL-6
受容体抗体を投与すると前立腺
がんの増殖は抑制され、MDSCの
増加も抑制されました。これに
より、高脂肪食による肥満が前
立腺がん増殖をきたすメカニズ
ムは、マクロファージ由来のIL
-6を介した、前立腺がんの増殖
促進と、がん促進作用のあるMD
SCの増加によるものであること
が判明したとしています。また
これらの現象は、肥満の前立腺
がん患者さんでも確認したとい
うことです。

今回の研究成果により、これま
でにヒトでの前立腺がんに対し
て大規模臨床研究で効果がなか
ったとされるセレコキシブや、
リウマチの治療薬として使われ
ている抗IL-6受容体抗体が、一
部の前立腺がん患者さんに有用
である可能性があるということ
です。 また、高脂肪食および
肥満をおこす生活習慣の改善が
前立腺がんの発症予防および治
療に役立つ可能性があると研究
グループは述べています。

前立腺がんについて解説してい

る動画です。

 

 

 



 有用であることを患者さんに
ゆうようです。笑













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編集後記




 赤信号が続く時、紅葉マーク
の車については注意を払う必要
がありそうです。バスの後につ
いて走ると信号が青になりやす
いので、交通事故に巻き込まれ
る確率が下がるのではないかと
私は、考えています。バスの後
についていても、盛んに前方を
窺い、チャンスがあったらバス
の前に出ようとする車を見かけ
ます。このような車を運転する
人は、高齢者か、前頭葉の実行
機能が弱い人と推測されます。
 高脂肪食による肥満によって、
前立腺がんが、進行するメカニ
ズムを解明したのは偉大な業績
です。高脂肪食投与マウスでは、
骨髄由来(免疫)抑制細胞(MD
SC)が増殖し、マクロファージ
由来のインターロイキン6(IL
-6)が増加していることが明ら
かになったということですから、
いかに、前立腺がんを発症する
遺伝子改変マウスを対象とする
実験とは言えインターロイキン
6の関与は間違いなくありこれ
を阻害するセレコキシブや、リ
ウマチの治療薬として使われて
いる抗IL-6受容体抗体が有用で
ある可能性が高くなったことは、
注目に値します。

 造花が増加する。笑














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