診療マル秘裏話  号外Vol.1349 平成30年12月3日作成

作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨




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目次
 
1)腹膜炎と腸管の癒着を、簡単に予防できる方法
2)毛包を増やし、移植する毛髪再生医療を実用化














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 医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に、新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 








  
1】 腹膜炎と腸管の癒着を、簡単に予防できる方法










 農研機構と佐賀大学医学部の
研究グループは医療分野の研究
で、糸状の高密度コラーゲンを
開発し組織再生糸として用いる
ことで、腹膜炎と腸管の癒着を
簡単に予防できる方法の確立に
成功しました。腹腔内の手術後
などでは、腹膜の繊維化や腸管
との癒着が生じることが多いの
ですが、腹膜炎モデルの動物を
使い、この高密度コラーゲン糸
の治療効果を調べた所、癒着に
対し長期にわたり、抑制作用が
確認できました。 今後、製薬
企業との共同研究・協力により、
早期の臨床試験を開始する予定
です。

 開発した組織再生糸は、医療
用ブタ皮膚由来アテロコラーゲ
ンを原料とする糸状のアテロコ
ラーゲンビトリゲルです。ビト
リゲルは農研機構が開発した新
素材で、医療用や細胞培養用足
場材などに実用化されています。
これまでに同素材の活用により
絆創膏型の人工皮膚や貼付型の
食道狭窄防止用コラーゲンビト
リゲルパッチの開発が行われて
おり、今回この経験をもとに、
創部への留置が簡単にでき、密
着性に優れる糸状のアテロコラ
ーゲンビトリゲルへの新規形状
加工技術の開発を進め、これを
完成させ新たな用途への性能を
確認しました。

 長期間の腹膜透析や腹腔内の
手術後では、腹膜の繊維化腸管
の癒着が生じていまうことが多
く、解決方法が求められていま
す。現在使われている癒着防止
シートは、体内に留置後、わず
か約1週間程度の作用しかなく、
長期間の効果が得られません。
さらにサイズが大きく、繰り返
し腹腔内に留置することも困難
なため、現状では腹膜炎、腹膜
線維化と腸管癒着に対する標準
的予防法がありません。

 新開発の高密度コラーゲンは
取扱いしやすい糸状製品のため、
腹膜透析治療や消化器外科、産
婦人科領域などで腹腔内手術を
実施している医療機関への導入
が容易とし、臨床試験に向け、
取り組みを進めます。

開腹手術を受けた人の注意点の

動画です。

 

 

 

 



 容易に用意できる準備をこな
す。笑














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2】 毛包を増やし、移植する毛髪再生医療を実用化














 神奈川県や横浜国立大学など
は文部科学省の支援を得て毛髪
再生医療を5年以内に実用化し
ます。横浜国大の福田淳二教授
の知見に基づき、毛髪を生み出
す「毛包」を、人工的に作って
頭部に移植します。毛包に着目
した再生医療に取り組む例は他
にもありますが福田教授の手法
はシンプルで大量培養に向いて
います。2年以内にベンチャー
を立ち上げ5年以内に自由診療
として普及を目指します。

 脱毛症の典型である男性型脱
毛症(AGA)は男性ホルモン
で毛包が小さくなって発症しま
す。ホルモンの影響が少ない後
頭部の毛髪を毛包ごと移植する
治療法が存在しますが、効果の
実感には数千本の移植が必要と
なります。

 そこで再生医療技術によって、
毛包を増やしてから、移植する
治療法が期待されています。福
田教授の手法はその一つ。理化
学研究所の辻孝器官誘導研究チ
ームリーダーの成果に基づき、
上皮系幹細胞と間葉系幹細胞の
相互作用という毛包の発生過程
をなぞることを試みました。

 研究では、まず成体マウスの
毛包からこれら2種類の幹細胞
を取り出しました。次に数千個
の小さな穴(ウェル)が空いた
培養容器に各細胞の混濁液を入
れて培養すると、3日間で凝集
して毛包が完成します。この毛
包をマウスに移植したところ、
体毛が生えてきました。

 2種の幹細胞から毛包を作る
手法は理研や京セラ、オーガン
テクノロジーズ(東京都)も共
同で行っています。理研などの
目的は、混濁液を区画化したり
する手作業の自動化です。これ
に対し、福田教授の手法では、
細胞同士が自発的に凝集するた
め自動化の必要がありません。

 カギとなるのは、培養に必要
な酸素を通しやすいシリコーン
製の培養容器や、細胞が接着し
ないようウェル底部に塗布する
コーティング剤です。付着防止
には日産化学の「prevel
ex」を使いました。現在、マ
ウス由来の人工毛包をマウスに
移植することまでは成功してい
ます。今後はヒト由来の毛包で
効果を確認します。

 福田教授の研究は、神奈川県
立産業技術総合研究所(KIS
TEC)が進めるプロジェクト
の一環です。 これが文科省の
実用化支援策「地域イノベーシ
ョン・エコシステム形成プログ
ラム」に採択された。KIST
ECとしては、支援期間の5年
内に自由診療で事業化したい考
えです。その前提として、2年
以内にKISTEC発ベンチャ
ーを設立する計画があります。

毛包の移植について解説してい

る動画です。

 

 

 

 



 試演を支援する団体。笑











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編集後記




 医療分野の研究で、糸状の高
密度コラーゲンを開発し、組織
再生糸として用いることで、腹
膜炎と腸管の癒着を簡単に予防
できる方法の確立に成功したの
は、偉大な業績です。いままで
腹膜炎と腸管の癒着は必発とさ
れていて、2度目の手術はこの
癒着との闘いで手術を担当する
医師が疲弊するということがあ
りました。これからは、腹膜炎
と腸管の癒着を、糸状の高密度
コラーゲン組織再生糸として用
いることで防ぐことができるの
で、再手術をためらわずにでき
るようになるのではないかと、
期待しています。 新開発の高
密度コラーゲンは取扱いしやす
い糸状製品のため腹膜透析治療
や消化器外科、産婦人科領域等
で、腹腔内手術を実施している
医療機関への導入が容易であり、
早期の臨床試験が待ち望まれる
所です。
 理化学研究所の辻孝器官誘導
研究チームリーダーの成果に基
づき、上皮系幹細胞と間葉系幹
細胞の相互作用という、毛包の
発生過程をなぞることを試みた
のは画期的な手法だと思います。
まず成体マウスの毛包からこれ
ら2種類の幹細胞を取り出し、
次に数千個の小さな穴(ウェル)
が空いた培養容器に、各細胞の
混濁液を入れて培養すると、3
日間で凝集して毛包が完成する
というのも本当に不思議な現象
です。この毛包をマウスに移植
したところ、体毛が生えてきた
ということですから、この様な
方法があったのかと、正にコロ
ンブスの卵という思いが致しま
した。カギとなるのは、培養に
必要な酸素を通しやすいシリコ
ーン製の培養容器や細胞が接着
しないようウェル底部に塗布す
るコーティング剤で、付着防止
には日産化学の「prevel
ex」を使い現在、マウス由来
の人工毛包をマウスに移植する
ことまでは成功しているという
ことですから、ヒト由来の毛包
で効果を確認することが待ち望
まれます。
 
 陽気が良くて真空容器の必要
性が無くなった。笑















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