診療マル秘裏話  号外Vol.1409 平成31年2月11日作成

作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨




★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★












目次
 
1)原発性硬化性胆管炎の病態に関与する腸内細菌
2)アロマターゼ の脳内での産生量は、性格に関係する














◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆









 医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に、新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 








  
1】 原発性硬化性胆管炎の病態に関与する腸内細菌










 慶應義塾大学は1月15日、原
発性硬化性胆管炎の病態に関与
する腸内細菌を発見したと発表
しました。この研究は、同大医
学部内科学(消化器)教室の金
井隆典教授、中本伸宏専任講師、
坂口光洋記念講座(オルガノイ
ド医学)の佐藤俊朗教授らの研
究グループによるものです。研
究成果は、国際学術雑誌「Natu
re Microbiology 」のオンライ
ン版に掲載されています。

 原発性硬化性胆管炎(PSC )
は、肝臓内外に存在する胆汁の
流れ道である胆管に炎症が起こ
り、時間経過によって胆管狭窄
とそれに伴う胆汁うっ滞を生じ
る原因不明の自己免疫性疾患で
す。肝硬変に進展することが多
く、特定疾患に認定されていま
す。国内の患者数は約2,300名
で、今後患者数の増加が予想さ
れています。病因として多くの
遺伝的・環境的要因の関与が、
報告されていますが、病態の解
明には至っておらず、未だ肝移
植以外に有効な治療法は存在し
ません。

 また、炎症性腸疾患を合併す
ることが多く、関連が示唆され
ています。腸管に炎症が起こる
と腸管バリアの機能が低下し、
その結果、腸内細菌やその代謝
産物が腸管を出て胆管や血管に
侵入します。これが肝臓に到達
することにより、同疾患の発症
や病態の進展に至ると考えられ
ていますが、詳細は明らかにさ
れていません。

 研究グループは、PSC と腸内
細菌の直接的な関係性を明らか
にするため、患者さんから提供
された糞便微生物サンプルを無
菌マウスに投与し、患者さんの
腸内環境を再現した「ヒトフロ
ーラ化マウス」を用いて研究を
行いました。

 その結果、患者さんの便中に、
肝臓内のTH17細胞(インターロ
イキン17(IL-17)を産生するC
D4陽性ヘルパーT細胞)の活性
化を引き起こす腸内細菌が高確
率で存在することを発見しまし
た。腸内細菌やその代謝産物の
全身への移動の関所である腸間
膜リンパ節において、クレブシ
エラ属のクレブシエラ・ニュー
モニエ(Klebsiella pneumonia
e )、プロテウス属のプロテウ
ス・ミラビリス(Proteus mira
bilis )、エンテロコッカス属
のエンテロコッカス・ガリナル
ム(Enterococcus gallinarum)
の3つの菌を同定することに成
功しました。

 また、その中のクレブシエラ
菌は、アポトーシスの誘導を介
して大腸上皮に穴を開け腸管バ
リアを破壊し、腸管外にあるリ
ンパ節に移行し、肝臓内の過剰
な免疫応答を誘導することをマ
ウスにおいて示すことに成功し
ました。さらに、同マウス肝臓
で起こるTH17免疫反応は、抗菌
薬によるクレブシエラ菌の排除
により30%程度に減弱すること
が判明しました。

 研究グループは「同研究成果
は、腸内の3菌が肝臓の炎症を
起こす原因である可能性と、そ
のメカニズムを示したもので、
腸内細菌を標的としたPSC に対
する新たな治療薬や、診断薬の
開発につながることが期待され
る」と、述べています。

原発性硬化性胆管炎の症状と

治療について解説している動画

です。

 

 

 

 



 腸内環境を際限なく、再現し
た。笑














◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆















2】 アロマターゼ の脳内での産生量は、性格に関係する














 女性ホルモン産生酵素アロマ
ターゼの脳内での産生量は攻撃
性・協調性といった性格に関係
することが分かりました。陽電
子放射断層撮影(PET )による
画像分析で明らかになったのも
ので、女性では扁桃体でのアロ
マターゼ産生量が多いほど攻撃
性が高く、男女ともに視床での
産生量が多いほど協調性が低い
ということでした。脳内のアロ
マターゼ産生量が自閉症スペク
トラム障害などの発達障害に関
わっているとされていることか
ら今回の知見は発達障害の治療
法開発につながるものと考えら
れます。詳細はSci Rep(2018; 
8: 16841)に掲載されました。
この研究結果を報告したのは、
理化学研究所生命機能科学研究
センター健康・病態科学研究チ
ームチームリーダーの渡辺恭良
氏、上級研究員の高橋佳代氏ら
のグループです。

 アロマターゼは、男性ホルモ
ンを女性ホルモンに変換する酵
素で、さまざまな部位で発現し
ています。動物実験では、アロ
マターゼが攻撃行動やうつ様行
動に関わっていることが報告さ
れています。 ヒトでは、発達
障害との関係も指摘されていま
す。

 研究では、健常男性11人、健
常女性10人に攻撃性を測る「Bu
ss-Perry攻撃性質問紙」と気質・
性格を測る「日本語版Temperam
ent and Character Inventory」
を行ってもらった上で、アロマ
ターゼのPET プローブとして開
発された11C-Cetrozole を投与
しPET で頭部を撮影しました。

 画像を解析したところ、視床、
視床下部、扁桃体、延髄で高い
アロマターゼ量が確認されまし
た。脳内アロマターゼ量と攻撃
性や性格との関係を調べたとこ
ろ、女性では左の扁桃体でのア
ロマターゼ量が多いほど攻撃性
が高いことが示されました。ま
た、男女ともに視床でのアロマ
ターゼ量が多いほど協調性が低
いことも分かりました。

 個性に性ホルモンと関連する
物質が関係していることを示し
た今回の報告は、ヒトの性格を
理解する上での手がかりの1つ
になるということです。

女性は、ホルモン分泌のせいで

一か月に4回性格が変わるとい

うことを解説している動画です。

 

 

 

 



 性格を正確に言い表す。笑















◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆














編集後記



 原発性硬化性胆管炎の病態に
関与する腸内細菌を発見したと
発表したのは、偉大な業績です。
PSC と腸内細菌の直接的な関係
性を明らかにするため、患者さ
んから提供された糞便微生物サ
ンプルを無菌マウスに投与し、
患者さんの腸内環境を再現した
「ヒトフローラ化マウス」を用
いて研究を行ったのは、エレガ
ントな手法だと思います。その
結果、患者さんの便中に、肝臓
内のTH17細胞(インターロイキ
ン17(IL-17)を産生するCD4陽
性ヘルパーT細胞)の活性化を
引き起こす腸内細菌が高確率で
3種存在することを発見したと
いうことですから、腸内細菌を
標的としたPSC に対する新たな
治療薬や、診断薬の開発に是非
つなげて頂きたいものです。
 女性ホルモン産生酵素アロマ
ターゼの脳内での産生量が攻撃
性・協調性といった性格に関係
することが分かったのは素晴ら
しい業績です。陽電子放射断層
撮影(PET )による画像分析で
明らかになったのもので、女性
では、扁桃体でのアロマターゼ
産生量が多いほど攻撃性が高く、
男女ともに視床での産生量が多
いほど協調性が低いということ
ですから、ホルモンを制御する
酵素の産生量で、性格が決まっ
てしまうということでしょう。
アロマターゼは、男性ホルモン
を女性ホルモンに変換する酵素
で、さまざまな部位で発現して
いて、動物実験では、アロマタ
ーゼが攻撃行動やうつ様行動に
関わっていることが報告されて
おり、ヒトでは、発達障害との
関係も指摘されているという事
なので攻撃行動に出やすい人や
うつ病の人や、発達障害の人の
新しい治療につなげて頂きたい
ものです

 ホルモンの発現に対して発言
する。笑















************************

このメールマガジンは以下の配信システムを利用して
発行しています。
  解除の手続きは下記ページよりお願い致します。
「まぐまぐ」http://www.mag2.com/m/0000121810.html 
(イジニイワト)

発行者名  医療法人永徳会 皿沼クリニック院長 
藤田 亨
職業    医師の箸くれ(はしくれ)
運営サイト http://www.eitokukaisalanuma.or.jp/
ご意見・ご感想・励ましのお便りお待ちしております。
sara2162@atlas.plala.or.jp
このマガジンの掲載記事を無断で転載・使用すること
を禁じます。