診療マル秘裏話  号外Vol.1511 令和1年6月10日作成

作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨




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目次
 
1)嚥下性肺炎予防には口腔ケアと予防接種が有効
2)アスタキサンチンと低強度運動の併用が海馬記憶能向上














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 医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に、新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 









  
1】嚥下性肺炎予防には口腔ケアと予防接種が有効













 肺炎日本人の死亡原因の第3
位となっています。死亡者の多
くが高齢者で、その7割以上が
誤嚥(ごえん)性肺炎です。誤
嚥性肺炎の予防と早期発見のポ
イントについて、東京都健康長
寿医療センター(東京都板橋区)
呼吸器内科の山本寛部長に聞き
ました。加齢により体力や抵抗
力が落ちたり、脳梗塞などの後
遺症で飲み込む機能が低下した
りすると、食べ物や飲み物をう
まく飲み込めない嚥下(えんげ)
障害に陥りやすくなります。す
ると、口から食道に送られる食
べ物や唾液が、細菌とともに誤
って気管に入り込む「誤嚥」に
なりやすく、誤嚥性肺炎の危険
性が高まります。食事のときだ
けではなく、睡眠中に唾液など
に含まれている細菌が気管から
肺に入り込んで発症することも
あります。

 気を付けたいのは、何となく
元気がない、食欲がない、体が
異常にだるい、食事中にむせる
といった症状です。高齢者では、
発熱、せき、うみのようなたん、
といった肺炎の典型的な症状が
見られないことが多いため注意
深い観察が必要となります。

 食事中にむせる場合は、かた
くり粉などで料理にとろみをつ
けて飲み込みやすくする、背筋
を伸ばしてあごを引く、などの
工夫が誤嚥防止に役立ちます。
一方、「就寝中に起こる誤嚥は
本人も周囲も分かりません。発
熱などで肺炎の発症に気付くケ
ースがほとんどです」と山本部
長は言っています。 普段より
食欲がない、元気がないなどの
兆候が見られたら、早期の受診
で発見につなげて頂きたい。予
防のために大切なのは、口腔(
こうくう)ケアやワクチン接種
です。「食べかすが口の中に残
っていたり、入れ歯が手入れさ
れていないと、細菌が増殖しや
すくなります。 歯磨きなどで
清潔に保つことが、嚥下反射の
改善にもつながります。歯科医
への定期的な通院、訪問歯科診
療なども利用しましょう」と山
本部長は言っています。

 最近の研究で、インフルエン
ザウイルスなどに感染して気道
の細胞が傷つくと、日常的に気
管内にいる細菌が感染して、二
次的に肺炎を発症しやすくなる
ことが分かってきました。イン
フルエンザワクチンの接種が予
防策の一つになります。 また、
肺炎の原因菌で最も多く見られ
る肺炎球菌に対する肺炎球菌ワ
クチンの接種も勧められます。

 「一度肺炎になったことがあ
る人は、二次予防が重要です。
口腔内の状況や介護者の食事介
助の仕方など、誤嚥の原因を見
極めて予防対策をしましょう」
とアドバイスしています。

誤嚥性肺炎について解説してい

る動画です。

 

 

 

 



 五円玉で誤嚥性肺炎は予防不
可能。














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2】 アスタキサンチンと低強度運動の併用が海馬記憶能向上















 筑波大学は5月14日、アスタ
キサンチン (Astaxanthin, AX
)と低強度運動(ME)との併用
が、海馬記憶能を相乗的に高め
ること、さらにその分子機構と
して海馬内のレプチン(Leptin, 
LEP )の関与を明らかにしたと
発表しました。この研究は、同
大体育系の征矢英昭教授、陸暲
洙研究員らの研究グループが、
米国のロックフェラー大学なら
びに産業技術総合研究所と共同
で行ったものです。研究成果は、
米国科学アカデミー発行の総合
科学誌「PNAS (Proceedings o
f the National Academy of Sc
iences of the United States 
of America)」で公開されてい
ます。

 運動は、抗ストレスや抗うつ、
抗不安効果のみならず認知機能
の向上にも奏功することが知ら
れています。近年、運動に加え、
抗酸化作用をもつ天然サプリメ
ントの併用により、それぞれの
単独効果の合算を上回る効果を
発揮することが示されています
が、その作用機序は明らかでは
ありませんでした。

 これまでに征矢教授らの研究
グループは、成体海馬神経新生
(Adult hippocampal neurogen
esis, AHN )および、記憶能を
向上させる至適運動条件として、
低強度運動(Mild exercise, M
E) の有効性を、動物とヒトで
明らかにしてきました。さらに、
サケやエビなどに多く含まれる
赤橙色カロテノイドの一種であ
るアスタキサンチン(Astaxant
hin, AX)摂取が、AHNおよび学
習・記憶能を促進する効果も明
らかにしました。これらの結果
をもとに、今回の研究ではMEに
よる海馬機能の向上効果が、AX
摂取と併用することで増強する
か否かの検討を行いました。

 研究グループは、マウスに4
週間に渡りMEを実施させながら
AXを食餌に混ぜて摂取させまし
た。その結果、ME+AX群は、そ
れぞれ単独群と比較して、空間
記憶能がより向上し、海馬の歯
状回における細胞増殖の数と、
新生成熟細胞数がさらに増加し
ました。加えて、この効果はME
およびAX摂取の単独がもたらす
効果の合算を超える、相乗的な
ものであることが判明しました。

 さらに、この相乗効果を担う
分子機構を解明するため、DNA
マイクロアレイおよびバイオイ
ンフォマティクス解析(IPA )
を用いて、海馬内遺伝子発現を
網羅的に検討した所、神経栄養
効果を持つLEP の遺伝子が関与
していることが判明しました。
LEP を欠損する遺伝性肥満マウ
ス(ob/obマウス)と脳内へのL
EP投与実験から、脂肪細胞由来
ではなく、脳由来のLEP がこの
ような相乗効果の発現に貢献す
ることを実証しました。

 近年、アルツハイマー病の最
先端治療戦略として外因的なLE
P が注目されています。ADにお
ける認知機能の低下に対し、ME
とAX摂取の併用により海馬LEP
を高めることができれば、神経
新生を促進し、認知機能の改善
に貢献すると想定されます。研
究グループは、「軽度認知症や
アルツハイマー病などに起因す
る認知機能低下の予防・治療戦
略確立に向け、本研究で得られ
た知見は運動と抗酸化成分摂取
を併用する新たな介入プログラ
ムの開発と、その実装に向けた
重要なエビデンスになると考え
られる」と、述べています。

アスタキサンチンの効果につい

て解説している動画です。

 

 

 

 

 

 



 藩命が判明した。笑


















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編集後記



 肺炎日本人の死亡原因の第3
位となっています。死亡者の多
くが高齢者で、その7割以上が
誤嚥(ごえん)性肺炎であると
言う事実は本当に由々しき事態
と言えましょう。嚥下性肺炎は、
加齢により体力や抵抗力が落ち
たり、脳梗塞などの後遺症で飲
み込む機能が低下したりすると、
食べ物や飲み物をうまく飲み込
めない嚥下(えんげ)障害に陥
りやすくなることから起こると
されています。さすれば、この
嚥下障害を改善することが、と
ろみ食の摂取や予防接種などよ
り優先的に取り組む必要がある
のではないでしょうか? 嚥下
障害を改善するのは、ACE 阻害
剤(アンギオテンシン転換酵素
阻害剤)です。極端な低血圧で
なければ、安全に低用量でこの
作用を得ることができます。
 筑波大学が5月14日、アスタ
キサンチン (Astaxanthin, AX
)と低強度運動(ME)との併用
が、海馬記憶能を相乗的に高め
ること、さらにその分子機構と
して海馬内のレプチン(Leptin, 
LEP )の関与を明らかにしたの
は、素晴らしい業績です。相乗
的というのが特に素晴らしいと
感じました。相加的ではなく、
相乗的であれば、併用で飛躍的
な海馬記憶能を高めることが、
可能となるからです。近年、ア
ルツハイマー病の最先端治療戦
略として外因的なLEP が注目さ
れていて、ADにおける認知機能
の低下に対し、MEとAX摂取の併
用により海馬LEP を高めること
ができれば、神経新生を促進し、
認知機能の改善に、貢献すると
想定されるということも明るい
展望ではないかと私は考えてい
ます。

 秘薬で飛躍的な治療効果を得
る。笑


















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