診療マル秘裏話  号外Vol.1661 令和1年12月2日作成

作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨




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目次
 
1)性交渉低年齢化に伴う子宮頸がんの拡大に警鐘
2)リンチ症候群は,遺伝子変異が原因の遺伝性の疾患














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 医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に、新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 









 
1】性交渉低年齢化に伴う子宮頸がんの拡大に警鐘












 子宮頸がんにかかる女性が増
え続け、若年化も進んでいます。
対策としてヒトパピローマウイ
ルス(HPV)予防ワクチンの
接種や子宮がん検診の受診率向
上が重要とされていますが、な
かなか進まないのが現状です。
こうした中、「がんとセックス
~パートナーと考える子宮頸が
ん~」と題したセミナーが都内
で開かれ、司会役を務めた中川
恵一・東京大学医学部付属病院
放射線科准教授は「原因はセッ
クスによる感染。女性だけでな
く男性も正しい知識をもつこと
が大切だ」と強調し、性交渉の
低年齢化に伴う子宮頸がんの拡
大に警鐘を鳴らしました。子宮
頸がんは性交を介したHPVが
主な原因で女性だけでなく男性
も感染します。HPVは、性交
経験のある女性の7~8割が一
度は感染する、ごくありふれた
ものですが、「女性ですら(感
染経路を)知っている人は少な
く、ましてや男性はゼロに等し
い」のが実状です。

 HPVに感染した女性のうち
持続感染した人の約1割が前が
ん病変になります。早期発見な
らほぼ100%完治しますが、
進行すると子宮全摘出になり、
命を落とすこともあります。日
本全国では年間約1万1千人が
子宮頸がんと診断され、約3千
人が死亡しています。

 性交開始の低年齢化が進行し、
20~30代で発症する女性が増加
しています。その一方で晩婚・
晩産化が進んでいます。若い年
齢で子宮頸がんを発症すると妊
娠、出産を経験する前に子ども
を授かる可能性を断たれること
になります。今回のセミナーに
参加した重田かおるさんは2008
年に46歳で検診を受けた際、子
宮頸がんが見つかりました。突
然のことで頭の中が大混乱にな
り、待合室で涙が止まらなかっ
たということです。さらに手術
の説明を受けると、「子宮だけ
でなく卵巣も取ると聞いて衝撃
を受けた」。

 それでも、「生きるためには
仕方ないと言い聞かせ、気持ち
を落ち着かせたが、術後の副作
用や後遺症でより不安になった」。
夫に知られたくないと思ったが、
帰宅すると「夫の前でも涙が止
まらなかった」と、当時のつら
さを語っています。

 そうした事態を防ぐためには、
HPV予防ワクチンの接種と子
宮がん検診による早期発見が重
要とされています。HPVワク
チンは定期接種を開始した2013
年当初、接種率が約70%と高か
ったのですが、副反応に関する
報道などの影響もあって積極的
な勧奨が中止されると0.3%に急
低下しました。

 子宮がん検診の受診率も4割
以下と低いことが分かっていま
す。中川氏は「このままではワ
クチンを接種した学年だけ子宮
頸がんがガクッと減り、また元
に戻るという由々しき事態が起
こります。世界中の研究者が固
唾をのんで見守っている」と、
現状を憂えました。

 スウェーデンやイギリスなど
諸外国では約8割がワクチンを
接種しており、中川氏は「欧米
では子宮頸がんが過去のがんに
なると言われている」と指摘し
ています。「日本だけ患者数が
増えている。異常な事態だ」と
しました。
HPVは子宮頸がん以外にも、
外陰がん、陰茎がん、肛門がん、
中咽頭がんなど、多くのがんの
原因になり、男性にもワクチン
接種は有効な予防策です。

 フィンランドの最近の報告で
は、HPVに関連して発生する
浸潤がん(進行がん)がワクチ
ン接種した人ではまったく発生
していないということです。子
宮頸がんの治療法には、手術、
放射線、化学療法があります。
中川氏は「世界標準のガイドラ
インでは放射線療法が推奨され、
欧米では2期の子宮頸がんの8
割に放射線治療が行われている」
と指摘しました。日本でも近年
は約6割に放射線治療を中心と
した治療が行われていますが、
手術が主流の時代が長かったよ
うです。子宮頸がんを発症した
重田さんは「手術でこんなにた
くさん切りたくない、傷も残る
し、後遺症も怖い」と感じ、夫
と共に治療法の情報を集めまし
た。放射線治療でも手術と同じ
効果があると知り、最終的に化
学療法を組み合わせた放射線化
学療法の治療を受けました。

 現在は登山を楽しんだり子宮
がんの患者会の活動に参加した
りするなど、充実した生活を送
っています。中川氏は「(手術
と放射線治療の)治癒率は同等
ですが、手術後はリンパ浮腫、
排尿障害などが起こりやすいこ
とを考えると、放射線治療とい
う選択肢を考えてもよいのでは
ないか」と指摘しました。

 子宮頸がんの予防、早期発見、
治療選択を適切に行うためには
正しい知識が不可欠です。婦人
科系疾患の予防啓発を行う一般
社団法人シンクパールの難波美
智代代表理事はセミナーで「子
宮頸がんは妊娠や出産の可能性、
人生の希望を奪う深刻な病気。
私自身も子宮を失った。同じよ
うな苦しみをもつ女性を一人で
も少なくしたいと願っている」
と話しています。

子宮頸がんの若年化について

解説している動画です。

 

 

 



 至急、子宮頸がんの対策を打
つべし。         笑














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2】 リンチ症候群は,遺伝子変異が原因の遺伝性の疾患













 かつて「がん家系症候群」と
も呼ばれた「リンチ症候群」は、
生まれつきがんを発症しやすい
遺伝子の変異を持つことが原因
で起こる遺伝性の疾患で、大腸
がん患者の2~4%を占めると
考えられています。兵庫医科大
学(兵庫県西宮市)外科学講座
下部消化管外科の冨田尚裕主任
教授に聞きました。リンチ症候
群は、先天的な遺伝子の異常が
原因で大腸がん、子宮体がん、
卵巣がん、胃がんなどの発症リ
スクが高まる疾患です。細胞は
分裂する際にDNAの遺伝情報
が新たに作られる細胞のために
複製されますが、複製に誤りが
生じることがあります。誤りが
生じた場合、通常ミスマッチ修
復蛋白質が修復を行いますが、
リンチ症候群では、その蛋白質
の働きをつかさどるミスマッチ
修復遺伝子の働きが弱まり、誤
った遺伝情報を引き継いだ細胞
の複製が進み、やがてがんへと
変化します。

 リンチ症候群による大腸がん
の場合、通常の大腸がんに比べ
て発症の平均年齢が40代と非常
に低い傾向があります。子ども
に遺伝子の異常が伝わる確率は
50%と高いのですが、遺伝子の
異常が認められてもがんを発症
しないケースもあります。

 「リンチ症候群による大腸が
んは多発することが特徴で、大
腸の右側に発生しやすくなりま
す」と冨田主任教授は説明して
います。若年でがんを発症し、
家族歴などからリンチ症候群が
疑われる場合は、原因遺伝子を
調べる遺伝学的検査や、遺伝性
腫瘍を選別する「マイクロサテ
ライト不安定性検査」を行いま
す。また、ミスマッチ修復蛋白
質に対する免疫染色で、ミスマ
ッチ修復遺伝子の異常を調べま
す。

 手術した大腸がんの原因がリ
ンチ症候群と診断された場合に
は、残存大腸にまた別の大腸が
んが生じる可能性があるため、
手術後の残存大腸の定期的な内
視鏡検査が重要です。また発症
しやすい大腸以外のがんについ
ても検査を行います。

 「家族に若年でがんを発症し
た人がいる場合、自覚症状がな
くても、大腸がんなら20代から、
子宮体がん、卵巣がんなら30代
から、いずれも1~2年に1度
は診察・検査を受けてください」
と冨田主任教授は呼び掛けてい
ます。

リンチ症候群とMSI症候群につ

いて解説している動画です。

 

 

 

 



 痔核を自覚する。笑














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編集後記



 子宮頸がんにかかる女性が増
え続け、若年化も進んでいて、
対策としてヒトパピローマウイ
ルス(HPV)予防ワクチンの
接種や子宮がん検診の受診率向
上が重要とされていますが、な
かなか進まないのが現状という
ことです。ただ手術や放射線が
唯一の治療法であるかのごとく
書かれているのは、残念としか
言いようがありません。現在、
当クリニックで、子宮頸がんの
4期で、既に、疼痛緩和の麻薬
をされている方がおられました
が、メタボジェニック療法の点滴とAW
G という機械と水素吸引の併用
を行った所、立位保持困難、歩
行困難であった方が、治療中に
立って歩いて、自分でトイレに
行ったという人がいました。こ
のような素晴らしい効果を上げ
る治療法があるにもかかわらず
余り知られていないのは残念で
なりません。
 かつて「がん家系症候群」と
も呼ばれた「リンチ症候群」は、
生まれつきがんを発症しやすい
遺伝子の変異を持つことが原因
で起こる遺伝性の疾患で、大腸
がん患者の2~4%を占めると
考えられているのは本当に残念
なことです。リンチ症候群によ
る大腸がんの場合、通常の大腸
がんに比べて発症の平均年齢が
40代と非常に低い傾向があり、
子どもに遺伝子の異常が伝わる
確率は50%と高いのですが、遺
伝子の異常が認められてもがん
を発症しないケースもあるとい
うことですから、生活習慣の乱
れが発症に大きく関わっている
気がします。遺伝子に異常があ
ると分かっても気落ちせずに、
生活習慣の改善を行っていると
発症せずに済むという事態が、
推測されます。

 犯罪自体が、家族崩壊という
事態を引き起こす。    笑















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