診療マル秘裏話  号外Vol.1675 令和1年12月19日作成

作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨




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目次
 
1)細胞外分泌型蛋白質が肝細胞がんの発生を防ぐ
2)角膜上皮障害の角膜修復にはビタミンAが有効














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 医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に、新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 









 
1】細胞外分泌型蛋白質が肝細胞がんの発生を防ぐ











 名古屋大学は11月22日、細胞
外分泌型蛋白質であるTrefoil
Factor Family 1(TFF1) に肝
細胞がんの発生を防ぐ作用があ
ることを明らかにしたと発表し
ました。この研究は、同大大学
院医学系研究科腫瘍外科学の梛
野正人教授と落合洋介大学院生、
同大医学部附属病院消化器外科
一の山口淳平助教の研究グルー
プによるものです。研究成果は、
米国科学雑誌「Hepatology」オ
ンライン速報版で掲載されまし
た。肝細胞がんは慢性肝炎や肝
硬変患者に発生する悪性腫瘍で
す。慢性肝炎や肝硬変は、B 型
肝炎ウイルスやC 型肝炎ウイル
スなどの感染やアルコールの過
剰摂取などにより起こえますが、
ウイルスやアルコールが関係し
ない場合でも病気が進行する、
非アルコール性脂肪性肝疾患(
NAFLD )もあります。このよう
な肝臓で肝細胞がんが発生する
と、完治のためには手術による
切除が必要となります。手術で
肝臓を切除するためには肝臓の
機能が良好である必要がありま
すが、患者さんの肝臓は慢性肝
炎や肝硬変などにより肝機能が
悪いことが多く、手術が不可能
となることも少なくありません。
そのため、慢性肝炎や肝硬変患
者さんから肝細胞がんが発生す
ることを予防する方法の開発が
求められています。

研究グループは、今回、胃粘膜
で産生される蛋白質TFF1に着目
しました。TFF1は胃がんの発生
を防ぐといわれており、肝臓に
おいても同様の作用を示す可能
性を追求しました。まず、研究
グループは、肝細胞がんのがん
細胞にTFF1を強制的に産生させ
る方法を検討しました。TFF1を
産生するようになったがん細胞
は分裂して増殖するスピードが
弱まり、アポトーシス(細胞死)
が頻繁に起こることが明らかと
なりました。このような変化が
起こる理由を検討した結果、TF
F1を産生するがん細胞では、β
-catenin(βカテニン)の活性
が減弱していることが判明した
ということです。βカテニンは、
肝細胞がんの発生に関与すると
される発がん因子であり、TFF1
はβカテニンを抑制することで、
がん細胞をアポトーシスさせる
ことが明らかとなりました。ま
た、ヒトの肝細胞がんではTFF1
が産生されないようにDNA の変
性(メチル化)が起きているこ
とも判明しました。

次に、肝細胞がんが発生するKR
AS遺伝子改変マウスモデル(KC
マウス)を用いて検討したとこ
ろ、KCマウスでは生後1年で小
さな肝細胞がんが発生すること
が確認されました。しかし、こ
のマウスのTFF1遺伝子を取り除
いた結果、生後6か月で同様の
肝細胞がんが発生し、生後1年
ではほぼ全例のマウスに巨大な
がんが発生しました。これらの
結果より、TFF1には肝細胞がん
の発生を予防する働きがあるこ
とが証明されたとしています。

また、TFF1を蛋白質としてがん
細胞に投与することで、発がん
経路であるWnt 経路を遮断する
ことが判明しました。つまり、
TFF1蛋白質を肝硬変患者さんに
投与すれば肝細胞がんの発生を
予防できる可能性があるという
ことです。

研究グループは、TFF1蛋白質を
用いた治療法の開発を目指し、
蛋白質を投与する方法として、
薬の内服、注射、点滴などさま
ざまな方法から、どのような投
与方法が効果的なのかを検討中
です。蛋白質の構造を改良する
ことでさらに強力な肝細胞がん
予防効果を発揮できる可能性も
あり、精力的に研究を展開して
います。

がん予防について解説している

動画です。

 

 

 

 



 天界で神仏の教えが展開され
た。           笑












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2】 角膜上皮障害の角膜修復にはビタミンAが有効














 角膜修復にはビタミンA(V
A)が有効です。ライオンは、
眼科専門医101人を対象に角
膜上皮障害の診療実態を調査し、
6割以上から「角膜上皮障害を
ともなうドライアイ患者」が10
年前に比べ増加していることが
分かりました。角膜上皮障害は
目のバリア機能を低下させ角膜
炎や最悪、失明にいたるケース
もあります。同社は順天堂大学
との共同研究で、角膜修復には
VAが有意に作用することを見
いだしており、目に負担のかか
りやすい“スマホ時代”にアプ
ローチしていくもようです。

 角膜上皮障害はドライアイや
アレルギーなど、さまざまな原
因から角膜が傷付き発症する角
膜の病気です。ドライアイの環
境要因としては、まばたき回数
減少を招くスマホ、パソコンの
普及も挙げられています。総務
省の調査でも、ここ10年でスマ
ホを利用する時間が全世代で増
えているということです。

 このようななか、同社は眼科
医を対象に「ライオン・スマホ
時代の角膜上皮障害実態調査」
と題した調査を9月に実施しま
した。約7割から「角膜上皮障
害をともなうドライアイ患者増
加とスマホの普及は関係してい
る」との回答などを得ました。

 角膜上皮障害をケアする方法
として同社はVAに着目しまし
た。VAは皮膚のターンオーバ
ー力を高めシワ改善効果などが
知られていますが、器官発生的
には皮膚も角膜も外胚葉由来な
ため、目への有効性研究を順天
堂大と進めてきました。実際に
順天堂大は、ドライアイ患者さ
んを対象にVA配合点眼剤を4
週間使用したヒト試験も実施し
ました。この結果、非使用群に
比べ、角膜上皮障害が改善した
結果を得ています。

 このほど、都内でライオン主
催の角膜上皮障害に関するセミ
ナーが開かれ、順天堂大医学部
の土至田宏先任准教授は「スマ
ホ、エアコン、コンタクトレン
ズの普及などで角膜上皮障害の
リスクが高まっている。セルフ
ケアとしてVAを配合した点眼
薬も有効な選択肢になるだろう」
と語りました。

 ライオンは、独自の界面活性
剤技術で脂溶性のVAを水に透
明かつ安定的に溶かすなどの特
許を取得しています。今後のア
イケア領域へのアプローチに注
目しましょう。

有名俳優が角膜上皮剥離になっ

たというニュースから角膜上皮

剥離について解説している動画

です。

 

 

 

 

 



 脂溶性の薬物を私用で使用し
た。           笑













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編集後記



 名古屋大学が11月22日、細胞
外分泌型蛋白質であるTrefoil
Factor Family 1(TFF1) に肝
細胞がんの発生を防ぐ作用があ
ることを明らかにしたと発表し
たのは、素晴らしい業績です。
TFF1は胃がんの発生を防ぐとい
われており、肝臓においても同
様の作用を示す可能性を追求し
たのは、慧眼と言えましょう。
TFF1を蛋白質としてがん細胞に
投与することで、発がん経路で
あるWnt 経路を遮断することが
判明したということで、TFF1蛋
白質を肝硬変患者さんに投与す
れば肝細胞がんの発生を予防で
きる可能性があることが分かっ
たのは肝硬変患者さんにとって
は大きな福音だと思います。
 角膜上皮障害をともなうドラ
イアイ患者さんが10年前に比べ
増加していることが眼科専門医
101人を対象にした調査から
分かりました。角膜上皮障害は
目のバリア機能を低下させ角膜
炎や最悪、失明にいたるケース
もあるということです。 ライ
オンは順天堂大学との共同研究
で、角膜修復にはVAが有意に
作用することを見いだしており、
目に負担のかかりやすい“スマ
ホ時代”にアプローチする取っ
掛かりを得たと言えるでしょう。
スマホ、エアコン、コンタクト
レンズの普及などで角膜上皮障
害のリスクが高まっていおり、
セルフケアとしてVAを配合し
た点眼薬も有効な選択肢になる
との専門家の意見もある様です。
ライオンは、独自の界面活性剤
技術で脂溶性のVAを水に透明
かつ安定的に溶かすなどの特許
を取得していてまさに渡りに船
ということが言えるでしょう。

 不朽の名曲を普及させる手段
を考える。        笑















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