診療マル秘裏話  号外Vol.1684 令和1年12月29日作成

作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨




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目次
 
1)ムール貝の一種ムラサキインコガイからレクチン「セヴィル」発見
2)甘酒含有のストレスを和らげる作用の成分を新発見














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 医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に、新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 









 
1】 ムール貝の一種ムラサキインコガイからレクチン「セヴィル」発見











 横浜市立大学大学院生命ナノ
システム科学研究科大関泰裕教
授、大学院生のイムティアジ・
ハサン氏、同大学院生命医科学
研究科ジェレミー・テイム教授、
大学院生の鎌田健一氏らの研究
グループは、長崎国際大学大学
院、イタリアのトリエステ大学
と共同し、ムール貝の一種であ
るムラサキインコガイから、ヒ
トの自己免疫疾患であるギラン・
バレー症候群関連糖鎖と結合す
るレクチン(糖鎖と結合する蛋
白質)「セヴィル」を発見しま
した。また、その構造と性質を
明らかにしました。今後、結合
体の立体構造を解明して、糖鎖
結合から細胞増殖制御までの反
応経路の解明を目指します。

 発見したセヴィルは、R-型
レクチン構造を持ち、ギラン・
バレー症候群の標的抗原のひと
つであるGM1b糖鎖に結合す
ることが分りました。ギラン・
バレー症候群は、細菌感染でで
きた自己抗体が原因となり、ヒ
トの神経細胞が攻撃される疾患
です。また、ナチュラルキラー
細胞のマーカーであるアシアロ
GM1糖鎖、人工多能性幹細胞
(iPS細胞)のマーカーのひ
とつであるSSEA-4糖鎖と
も結合性がありました。実験で
は、GM1bと1部の糖鎖が同
じアシアロGM1糖脂質糖鎖を
持つがん細胞を培養してセヴィ
ルを投与すると結合して細胞が
活性化し、細胞死を起こす働き
があることを確認しました。

 ムラサキインコガイは、日本
各地の海で採取できるムール貝
です。海に生息する無脊椎動物
は、動物の祖先に近い、進化の
基盤となる遺伝子を持っていま
す。そこで無脊椎動物のレクチ
ンの構造や結合する糖鎖を明ら
かにすることで、生物のレクチ
ンの役割の解明につながると考
えられ、さらに、治療や診断に
利用する技術の開発も期待され
ています。このため、研究グル
ープでは海洋のさまざまな無脊
椎動物のレクチンの探索を進め
てきました。

 GM1bは、5つの単糖がつ
ながった糖鎖で、この長い糖鎖
にどのように結合するのか、今
後、さらに構造解析を進めてい
きます。成果は、国際学術誌「
The FEBS Journ
al」オンライン版に掲載され
ました。また、2020年1月3日
からインドのバンガロール市で
開催される「第107回インド
科学会議」でも公表する予定で
す。

ムール貝炒めのレシピ動画です。

 

 

 

 



 研究成果を盛夏に生家で仕上
げる。          笑


















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2】 甘酒含有のストレスを和らげる作用の成分を新発見














 森永製菓は、酒類総合研究所
と共同で酒粕と米麹が両方入っ
た甘酒、酒粕のみを含む甘酒に
ストレスを和らげる作用の研究
報告されている成分「フェルラ
酸エチルエステル」が含まれて
いることを見つけました。同成
分が甘酒から見つかったのは初
の成果となります。

 研究では、酒粕と米麹、酒粕
のみ、米麹のみの3タイプの市
販されている甘酒17品を対象に、
機能性が報告される成分である
エルゴチオネイン、p-クマル
酸(パラクマル酸)、フェルラ
酸、フェルラ酸エチルエステル
の含有量を測定しました。その
結果、p-クマル酸と、皮膚の
光老化を抑制しメラニン産生に
関与するチロシナーゼの活性阻
害することからサンスクリーン
剤や美白スキンケア成分に利用
されているフェルラ酸は17品す
べてで検出されました。また、
含硫アミノ酸であり、紫外線照
射によるコラーゲン分解や炎症
を抑えるエルゴチオネインは、
酒粕のみの甘酒から検出されま
せんでした。

 一方、フェルラ酸エチルエス
テルについては、酒粕と米麹、
酒粕のみを含む甘酒それぞれか
ら検出されました。フェルラ酸
エチルエステルは、味噌などの
発酵食品に含まれており、抗ス
トレスの作用メカニズムについ
て研究が行われています。

 同社では、酒粕と米麹をバラ
ンス良くブレンドした「スパー
クリング甘酒〈ジンジャー〉」
を発売し、今回得られた研究の
成果を生かして、甘酒の機能性
をさらに追求していきます。

甘酒でストレス軽減効果を認め

ると紹介している動画です。

 

 

 



 八甲田山で発酵食品を作る。


















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編集後記



 ムール貝の一種であるムラサ
キインコガイから、ヒトの自己
免疫疾患であるギラン・バレー
症候群関連糖鎖と結合するレク
チン(糖鎖と結合する蛋白質)
「セヴィル」を発見したのは、
偉大な業績です。また、ナチュ
ラルキラー細胞のマーカーであ
るアシアロGM1糖鎖、人工多
能性幹細胞(iPS細胞)のマ
ーカーのひとつであるSSEA
-4糖鎖とも結合性があり実験
ではGM1bと1部の糖鎖が同
じアシアロGM1糖脂質糖鎖を
持つがん細胞を培養してセヴィ
ルを投与すると結合して細胞が
活性化し、細胞死を起こす働き
があることを確認したという事
ですから、ギランバレー症候群
のみならず、がんの治療にも応
用できそうです。
 森永製菓は、酒類総合研究所
と共同で酒粕と米麹が両方入っ
た甘酒、酒粕のみを含む甘酒に
ストレスを和らげる作用の研究
報告されている成分「フェルラ
酸エチルエステル」が含まれて
いることを発見したのは、素晴
らしい業績です。フェルラ酸エ
チルエステルについては、酒粕
と米麹、酒粕のみを含む甘酒そ
れぞれから検出されフェルラ酸
エチルエステルは、味噌などの
発酵食品に含まれており、抗ス
トレスの作用メカニズムについ
て研究が行われているという事
なので研究が進むのが楽しみで
すね。フェルラ酸自体は、抗ガ
ン作用もある物質で、日本酒、
特にどぶろくに含まれることが
多いとされています。そのせい
で、世界中のアルコールにがん
細胞の増殖抑制作用がなかった
のに日本酒では、ガン細胞の増
殖抑制作用が唯一あったとされ
ているのです。

 事態が急を要すること自体、
異例と言えるでしょう。  笑
















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