診療マル秘裏話  号外Vol.1698 令和2年1月14日作成

作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨




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目次
 
1)がん患者さんで起こりやすい精神症状のせん妄
2)骨とインプラントつなぐ,セメント不要の人工膝関節システム














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 医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に、新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 









 
1】 がん患者さんで起こりやすい精神症状のせん妄











 患者さんが突然、つじつまの
合わない話を始める、家族のこ
とが分からなくなる、治療して
いることを忘れて点滴のチュー
ブ類を抜く。このような状態は
せん妄(意識障害)と呼ばれ、
入院患者でしばしば見られます。
がんの患者さんで起こりやすい
精神症状ですが、適切な治療を
すれば良くなる例が多いとされ
ています。患者さんの様子がい
つもと違うと感じたら、医師や
看護師にすぐに伝えた方が良さ
そうです。国立がん研究センタ
ー東病院(千葉県柏市)精神腫
瘍科の小川朝生科長は、せん妄
について「脱水、感染・炎症、
痛み、貧血、薬物など、体に何
らかの負担がかかったときに、
脳の機能に乱れが生じて起こる
状態」と説明しています。ぼん
やりしている、昼夜の区別がな
くなる、家と病院を間違えるな
ど、時間や場所の感覚が鈍くな
るといった症状が見られます。

 突然発症し、夜間に症状が強
くなり、一日の中で変動がある
のが特徴です。症状の変化が少
なく、時間の経過とともに進行
する認知症と区別する際のポイ
ントになります。

 高齢者、大量飲酒者、認知症
患者、脳卒中の発症歴のある人、
がん患者さんなどでよく見られ
ます。がん患者さんの場合、「
抗がん剤や鎮痛薬による治療中
に起きやすく、終末期の患者さ
んでは半数以上に表れます。鎮
痛薬は多過ぎても少な過ぎても、
せん妄のリスクになります」と
小川科長は話しています。カル
シウムの代謝異常を起こす高カ
ルシウム血症や、脳転移のある
がん患者でも生じやすいという
ことです。治療では、原因を取
り除き、せん妄からの回復を目
指します。小川科長は「脱水、
感染・炎症などを治療し、せん
妄に対する薬物療法を行えば、
大半は良くなります」と話して
います。

 使用する主な薬剤は、クエチ
アピン、リスペリドン、オラン
ザピンなどの抗精神病薬です。
「ベンゾジアゼピン系の抗不安
薬、抗ヒスタミン薬のヒドロキ
シジンを使うケースもあります
が、せん妄を悪化させる危険性
があるため適切ではなく、積極
的には使用していません」と言
っています。

 強い痛みがあると、せん妄を
悪化させたり、長引かせたりし
やすいことが分かっていて、そ
のため痛みを軽減することが大
切だということです。さらに、
便秘を予防する、睡眠リズムを
整えるために日中起きている時
間をつくる、積極的にリハビリ
を行うなどのケアが重要になり
ます。こうしたケアは、せん妄
の予防にも役立つということで
す。患者さんの家族には「患者
がつじつまの合わない話をして
も無理に訂正せず、いつも通り
落ち着いた言葉を掛けてあげる
と安心します」とアドバイスし
ています。

せん妄について解説している動

画です。

 

 

 



 棄権せず打ち合うことが危険
な状態を産む。      笑













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2】 骨とインプラントつなぐ,セメント不要の人工膝関節システム














 米ジョンソン・エンド・ジョ
ンソン(J&J)は、骨とイン
プラント(埋め込み器具)をつ
なぐセメント不要の人工膝関節
システムを日本市場に投入しま
した。主に膝の軟骨がすり減っ
て起きる変形性膝関節症の患者
さんを対象にした「人工膝関節
置換術」での利用拡大を狙って
います。セメントが固まるのを
待つ必要がなくなり、手術時間
の短縮や感染症のリスクが低減
できるとみています。手術の効
率を上げ、患者さんの生活の質
(QOL)向上につながる点を
訴求しています。患者数が3000
万人弱とされ、変形性膝関節症
の需要が大きい日本市場で一段
と存在感を高めています。

 「アチューン セメントレス
人工膝関節システム」の製品名
で、日本法人グループのメディ
カル カンパニーがこのほど全
国の医療機関に販売を始めまし
た。30年以上の優れた臨床成績
を持ち、「ポーラスコーティン
グ」と呼ばれる技術を採用して
います。デザインも工夫を施し、
「長期の生物学的な固定性だけ
でなく、優れた初期の機械的固
定も実現できた」(デピューシ
ンセス事業本部)と説明してい
ます。

 セメント固定による手術時間
は通常90分ほどを要します。こ
れに対してセメント不要の場合、
約12分短縮できたとする実験結
果もあります。セメント固定型
においても十分な対策はとられ
ていますが、有機物であるセメ
ントが不要となれば急激な血圧
低下といった合併症を回避し、
手術時間の短縮で感染症のリス
クが減らせるのもメリットです。

 セメントが固まるまで所定の
位置を保持し続ける負担や、セ
メントによる手術室内のにおい
も気になりません。従来のセメ
ント固定型から品揃えを拡充し、
患者さんの年齢や骨の状態など
に応じた治療の選択肢を増やす
ことにつなげていくそうです。

 高齢者に多い変形性膝関節症
は立ち座りや歩行のたびにかか
る負荷により、膝関節の軟骨が
すり減って炎症が起きる病気で
す。進行にともない痛みは強ま
り、歩行がつらくなります。国
内の患者数は現在1000万人以上
といわれていますが、潜在的な
患者さんを含めると3000万人弱
と推定されています。

 消炎鎮痛効果のある内服薬や
ヒアルロン酸の注射で治らない
場合は手術を検討します。手術
のうちの一つが人工膝関節置換
術です。有効な治療法として件
数は年々増加しており、足元で
は年間で約9万件に上るという
ことです。高齢化の進展で、20
25年には15万件に達すると予測
されています。

 日本における重点事業の一つ
と位置づけるデピューシンセス
事業では、人工股関節や膝関節
を中心に整形外科向けの医療機
器を広く展開しています。今後
も関節の痛みをとり、患者さん
のADL(日常生活動作)改善
に役立つ製品の導入を積極的に
進める他、日本人の骨格形態デ
ータに基づいた開発も加速させ
る考えです。

人工膝関節の手術の流れの動画

です。

 

 

 



 間接的に人工関節の手術を勧
める。          笑
















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編集後記




 患者さんが突然、つじつまの
合わない話を始める、家族のこ
とが分からなくなる、治療して
いることを忘れて点滴のチュー
ブ類を抜く。このような状態は
せん妄(意識障害)と呼ばれ、
入院患者でしばしば見られると
いうことは大学病院に勤務して
いた時には数多く経験しました。
慢性骨髄性白血病の加速期以降
の患者さんでは、ほとんどせん
妄を発症する可能性が高くなる
と言えると思います。 ただし、
最近は、グリベックなどの分子
標的薬で寛解維持ができるよう
になってきているので、昔ほど
頻度が少なくなった可能性は、
あります。余命何ヶ月と宣告さ
れ何もする気が無くなった患者
さんに折り紙を勧めたことを覚
えています。目の前のできる事
に集中することで、痛さ、辛さ
が軽減されると感謝されたのを
覚えています。
 米ジョンソン・エンド・ジョ
ンソン(J&J)が、骨とイン
プラント(埋め込み器具)をつ
なぐセメント不要の人工膝関節
システムを日本市場に投入した
ことは、ニーズを綿密に考えた
結果、起こしたアクションだと
思います。ジョンソン・エンド・
ジョンソンやその他の製薬会社
は、1990年代から医師の間でオ
ピオイド鎮痛剤を宣伝し、中毒
のリスクを軽視したとして訴え
られているそうですから、この
セメント不要の人工膝関節シス
テムは、起死回生の隠し玉と言
ってもいいかもしれません。オ
ピオイド鎮痛剤を宣伝し、中毒
のリスクを軽視したということ
が本当なら、その罪は重いと言
わざるを得ません。企業は一度
悪いレッテルを貼られるとそこ
から立ち直るのは、非常に困難
と考えられます。製薬会社の皆
さんは、同じ轍を踏まないよう
気を付けて頂きたいと思います。

 扶養は不要だと孫から言われ
た。           笑











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