診療マル秘裏話  号外Vol.1717 令和2年2月6日作成

作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨




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目次
 
1)バランス良い食事世帯割合は,所得低いほど少ない
2)慢性腎臓病で体内時計の乱れ惹起し腎機能悪化














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 医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に、新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 









 
1】 バランス良い食事世帯割合は,所得低いほど少ない











 バランスの良い食事を毎日食
べている世帯の割合は、所得が
低いほど少ないことが1月14日、
厚生労働省の2018年国民健康・
栄養調査の結果で分かりました。
健診の受診割合や歯の本数も所
得の違いで差が出ており、社会
経済状況が健康面に影響を及ぼ
している実態が、改めて裏付け
られた形です。調査は2018年11
月、5032世帯を対象に行われ、
65%にあたる3268世帯から回答
を得ました。

 厚労省は、栄養バランスの指
標として主食、主菜、副菜を組
み合わせた食事を推奨していま
す。所得が年600万円以上の
世帯では、こうした食事を1日
2回以上、「ほとんど毎日」し
ていると答えたのが、男性53%、
女性58%でした。一方、200
万円未満の世帯では、男性37%、
女性40%と低い結果がでました。

 健診を受けていない人の割合
も、年間所得が600万円以上
の世帯で男性17%、女性26%だ
ったのに対し、200万円未満
の世帯では男女とも41%と多い
という結果が出ました。

 厚労省健康課の担当者は「所
得による差は周知するだけでは
改善しない。啓発のあり方や取
り組み方を考えていく必要があ
る」と話しています。

5年前の同じような調査の結果

についてのニュース動画です。

 

 

 

 



 羞恥心の克服を周知する。笑














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2】 慢性腎臓病で体内時計の乱れ惹起し腎機能悪化












 早稲田大学は1月14日、慢性
腎臓病モデルマウスを用い、慢
性腎臓病により中枢や末梢臓器
の体内時計の乱れが起き、それ
により睡眠・覚醒パターンや血
圧、腎機能の昼夜差が失われ、
結果として腎機能をさらに悪化
させることを発見したと発表し
ました。この研究は、同大理工
学術院の田原優准教授および本
橋弘章氏、横浜市立大学医学部
の涌井広道講師、University o
f California Los AngelesのCh
ristopher S. Colwell教授の研
究グループによるものです。研
究成果は、「Kidney Internati
onal」に掲載されています。慢
性腎臓病(chronic kidney dis
ease:以下、CKD )は患者数が
年々増加しており、日本人のCK
D 患者数は約1330万人と推計さ
れています。また、腎機能は一
度低下すると回復することは難
しく、血液を濾過する透析のみ
が腎機能を維持する唯一の対処
法です。そのため、CKD の発症
予防、または悪化の予防が重要
となっています。一方で腎臓病
患者さんは、夜間の中途覚醒、
睡眠の質低下、睡眠時間の減少、
昼間の過度な眠気といった睡眠
障害がしばしば見られ、体内時
計(概日時計)の乱れが起きて
いる可能性がありました。体内
時計、つまり時計遺伝子は腎臓
でも24時間の時を刻んでおり、
血液からの老廃物の濾過、尿の
生成、血圧調節などを制御して
います。しかし、CKD と時計遺
伝子の関連、さらには睡眠障害
との関連については明らかにな
っていませんでした。そこで研
究グループは、まず、アデニン
誘発性のCKD モデルマウスを用
いて、体内時計の変化や睡眠障
害について解析を行いました。
その結果、CKD モデルマウスで
は、活動量の低下、睡眠の断片
化(中途覚醒の増加)、飲水行
動・尿の増加が見られました。
中枢時計では、時計遺伝子Peri
od2(ピリオド2)の発現の日
内リズムが減弱していたことか
ら、これらの睡眠・行動の変化
は中枢時計の減弱によるものと
考えられました。さらに、腎臓
の時計遺伝子、時計制御下の遺
伝子発現の日内リズムも減弱し
ていました。CKD 患者さんでは
高血圧が起こりますが、CKD モ
デルマウスでも高血圧、かつ低
心拍数を示すと共に、睡眠時に
血圧が低下しないnon-dipper型
の変動を示しました。この結果
は、CKD 患者さんで多く見られ
るnon-dipper型高血圧を再現し
ていると共に、本研究で見られ
た体内時計の乱れがnon-dipper
型、つまり、日内リズムの消失
を引き起こしている可能性を示
唆しています。

次に、時計遺伝子のひとつであ
るClock (クロック)の変異マ
ウスを用いて、同様にアデニン
誘発性のCKD モデルマウスを作
製し、体内時計の乱れが腎臓病
の発症、進行に影響を与えるの
かについて検討しました。結果、
通常のマウス(WT)で作成した
CKD モデルマウスに比べ、Cloc
k変異CKDモデルマウスでは腎機
能マーカーの悪化(尿中クレア
チニン値低下、血清尿素窒素上
昇など)、炎症・線維化マーカ
ーの悪化がより顕著でした。特
に、Clock変異CKDモデルマウス
において、細胞外基質の分解酵
素であるMMP-2/9 (ゼラチナー
ゼ)の活性が高く、アデニン代
謝物の腎臓内蓄積が多いことが
悪化の原因と考えられました。

研究グループは、「体内時計の
乱れが腎臓病悪化の一因である
という今回の研究結果から、普
段の生活習慣を規則正しく整え、
体内時計の健康維持を目指すこ
とが、腎臓病悪化の予防につな
がる可能性がある」と、述べて
います。

慢性腎臓病について解説してい

る動画です。

 

 

 



 意地でも交通遺児の健康維持
を主張する。       笑













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編集後記


 バランスの良い食事を毎日食
べている世帯の割合は、所得が
低いほど少ないことが1月14日、
厚生労働省の2018年国民健康・
栄養調査の結果で分かったのは、
残念なことです。貧すれば鈍す
るの言葉通り、所得が少ないと
経済的余裕がなく、バランスの
良い食事を食べられないという
ことになるのでしょう。心理学
の面からは所得が少ないと自制
心が足らずに、益々貧困になる
傾向があるそうです。 自制心
のある人は、貧しいながらもお
金を貯めて、裕福となり、バラ
ンスの良い食事を摂る余裕が、
生まれるということでしょう。
所得が少ないほど、喫煙率が高
くなり、食事もバランスが悪い
ものとなり、病気になりやすく
なると言えそうです。
 早稲田大学は1月14日、慢性
腎臓病モデルマウスを用い、慢
性腎臓病により中枢や末梢臓器
の体内時計の乱れが起き、それ
により睡眠・覚醒パターンや血
圧、腎機能の昼夜差が失われ、
結果として腎機能をさらに悪化
させることを発見したと発表し
たのは、素晴らしい業績です。
腎臓病モデルマウスを使った、
実験なので、全て人間に当ては
まるという訳ではないと思いま
すが、中らずと雖も遠からずと
いうことは言えるでしょう。腎
機能急速悪化の原因には、体内
時計の乱れに続く睡眠・覚醒パ
ターンや血圧、腎機能の昼夜差
が失われるという要因が複雑に
絡みあっていることでしょう。
しかし、腎臓病には塩分の制限
と蛋白質の摂取制限が不可欠で
す。

 節酒をしつつ、食物の摂取の
制限を守る。       笑














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