診療マル秘裏話  号外Vol.1720 令和2年2月9日作成

作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨




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目次
 
1)酸化ストレスが認知症原因で抗酸化サプリで進行抑制
2)破骨細胞分化に関して新たなメカニズムを解明














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 医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に、新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 









 
1】 酸化ストレスが認知症原因で抗酸化サプリで進行抑制











 加齢や生活習慣によって生じ
る「酸化ストレス」が認知症の
原因の一つで、酸化を抑えるサ
プリメントで認知症の進行を抑
制できる可能性があることを臨
床試験で明らかにしたと、岡山
大の阿部康二教授(脳神経内科)
らのチームが1月18日までに海
外医学誌電子版に発表しました。

 認知症は、アミロイドベータ
やタウ蛋白質が原因物質とされ
ていますが、新たに酸化ストレ
スが関係していることが判明、
予防や治療薬の開発につながる
としています。

 阿部教授は「認知症は根本的
な治療薬がないので予防が大切。
診断前に投薬はできないが、サ
プリメントなら飲むことができ
る」としています。

抗酸化剤による認知症予防効果

について解説している動画です。

 

 

 



 酸化ストレスの研究に参加す
る。           笑














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2】 破骨細胞分化に関して新たなメカニズムを解明












 東京医科歯科大学は1月15日、
破骨細胞分化に関して新たなメ
カニズムをつきとめたこと、ま
た、それはカンナビノイドの一
種「カンナビジオール」という
薬物によって阻害できることを
明らかにしたと発表しました。
これは、同大大学院医歯学総合
研究科口腔病理学分野の池田通
教授と土谷麻衣子大学院生らの
研究グループによるものです。
研究成果は、「International
Journal of Molecular Science
s」に掲載されています。

 破骨細胞は骨を吸収する細胞
で、骨を形成する骨芽細胞と連
携して骨の代謝バランスを保ち、
骨の健康を維持する役割を担っ
ています。このバランスが吸収
優位になると過剰な骨吸収が起
こり骨粗鬆症の原因になります。
一方、形成優位になると、骨の
異常な硬化を伴う疾患の原因と
なります。

 破骨細胞の誘導は、体内の白
血球の一種であるマクロファー
ジが破骨細胞誘導因子RANKL の
刺激を受け、その情報が細胞の
核内に伝わり、破骨細胞誘導の
マスター転写因子NFATc1の発現
を上昇させることに起因するこ
とが知られています。このこと
から、骨吸収抑制薬【「デノス
マブ」:商品名プラリア、半年
に一回の皮下注射で投与します。
(ヒト型RANKL 中和抗体)】が、
がんの骨転移や、骨粗鬆症に対
して広く使われています。しか
し、RANKL を阻害する治療法に
は、副作用があります。特に骨
吸収抑制薬関連顎骨壊死と呼ば
れる副作用は高齢者で増え続け
ているうえ、がんの骨転移に対
する治療を受けた患者さんにも
生じやすいとされています。こ
れらの課題を克服する新たな薬
の開発を目指し、研究が行われ
ました。

 研究グループは以前に、マク
ロファージではなく、RANKL の
弱い刺激によって破骨細胞への
分化が運命づけられた破骨細胞
前駆細胞にがん細胞が作用する
ことで、今まで知られていない
機構により破骨細胞誘導が起こ
っている可能性があること、破
骨細胞前駆細胞からの口腔扁平
上皮がんによる破骨細胞誘導に
はRANKL 阻害が無効であること
をつきとめています。その結果
を踏まえ、破骨細胞前駆細胞か
ら破骨細胞を誘導できる口腔扁
平上皮がん細胞3Aと、破骨細胞
を誘導できない口腔扁平上皮が
ん細胞 HO-1-N1から分泌された
細胞外小胞をそれぞれ採取して
検証を行いました。結果、破骨
細胞を誘導できる3A細胞の細胞
外小胞には破骨細胞誘導能があ
り、破骨細胞を誘導できない H
O-1-N1の細胞外小胞には破骨細
胞誘導能がないことを見出しま
した 。

 続いて、このがん細胞の細胞
外小胞による破骨細胞誘導にデ
ノスマブが無効であることを確
認しました。細胞外小胞による
破骨細胞誘導を阻害する目的で、
細胞外小胞分泌阻害作用がある
と報告されている複数の薬物を
用いて破骨細胞誘導への影響を
調べたところ、「カンナビジオ
ール」によって、デノスマブが
無効の破骨細胞誘導がほぼ完全
に阻害されることを見出しまし
た。カンナビジオールは、主に
神経系の疾患に対する治療薬と
して海外で臨床応用されていま
す。

 さらに、カンナビジオールの
添加により口腔扁平上皮がん細
胞からの細胞外小胞の分泌は全
く阻害されないことを確認しま
した。3A細胞の培養上清から細
胞外小胞を除去しても破骨細胞
誘導能が完全にはなくならなか
ったことから、口腔扁平上皮が
んによる破骨細胞前駆細胞から
の破骨細胞誘導には、がん細胞
の細胞外小胞のみならず、他の
がん細胞由来因子も関与する可
能性が示唆されました。

 これまで破骨細胞誘導は、マ
クロファージにRANKL が作用す
ることでNFATc1の発現上昇を来
して起こることが唯一のルート
と考えられてきましたが、今回
の研究成果は、破骨細胞誘導に
RANKL が不可欠であるのは、マ
クロファージから破骨細胞への
分化が運命づけられた破骨細胞
前駆細胞を誘導する初期段階の
みであり、破骨細胞前駆細胞を
スタートとすれば、今まで知ら
れていなかった破骨細胞誘導の
経路があることを示しています。
「今後、がんによる骨破壊のみ
を阻害する画期的な治療薬が開
発されることが期待される」と
研究グループは述べています。

骨に秘められた若返り物質につ

いて解説している動画です。

 

 

 



 毛色を変える経路を発見する。














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編集後記


 加齢や生活習慣によって生じ
る「酸化ストレス」が認知症の
原因の一つで、酸化を抑えるサ
プリメントで認知症の進行を抑
制できる可能性があることを臨
床試験で明らかにしたと、岡山
大の阿部康二教授(脳神経内科)
らのチームが1月18日までに海
外医学誌電子版に発表したのは、
素晴らしい業績です。酸化を抑
えるサプリとは、抗酸化物質の
サプリのことであり、その内服
によって認知症の進行を抑制で
きる可能性があることが示唆さ
れたのは、本当に喜ばしいこと
です。認知症は糖尿病との因果
関係が取りざたされています。
ということは、酸化のほかにも
糖化というものが関係している
可能性が高いと思われます。
 東京医科歯科大学が1月15日、
破骨細胞分化に関して新たなメ
カニズムをつきとめたこと、ま
た、それはカンナビノイドの一
種「カンナビジオール」という
薬物によって阻害できることを
明らかにしたと発表したのは、
偉大な業績です。破骨細胞は骨
を吸収する細胞で、骨を形成す
る骨芽細胞と連携して骨の代謝
バランスを保ち、骨の健康を維
持する役割を担っていて、この
バランスが吸収優位になると過
剰な骨吸収が起こり骨粗鬆症の
原因になります。一方、形成優
位になると、骨の異常な硬化を
伴う疾患の原因となることから
破骨細胞の働きを調節する必要
があることは、間違いないよう
です。今後、がんによる骨破壊
のみを阻害する画期的な治療薬
が開発されることを大いに期待
したいと思います。

 九州の勉強会で知識を吸収す
る。           笑













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