診療マル秘裏話  号外Vol.1865 令和2年7月27日作成

作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨




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目次
 
1)野菜および非発酵大豆摂取で膵ガンリスク上昇
2)新技術搭載した内視鏡でシステムを刷新し国内販売















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 医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に、新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 









 
1】 野菜および非発酵大豆摂取で膵ガンリスク上昇













 膵ガンは進行が早く、多くが
予後不良です。そのため、予防
に関する研究結果の蓄積が望ま
れています。これまでの研究か
ら、野菜の摂取で膵ガンの罹患
リスクが上昇することが報告さ
れています(関連記事「膵ガン
リスクは果物で低下、野菜で上
昇」 )。 今回、国立ガン研究
センター社会と健康研究センタ
ーセンター長の津金昌一郎氏ら
は、大豆食品の摂取と膵ガン罹
患リスクとの関連を検討しまし
た。その結果、野菜だけでなく
大豆でも膵ガンの罹患リスクが
上昇することが示唆されたと、
Cancer Epidemi
ol Biomarkers 
Prev(2020;29:1
214-1221)に発表しま
した。大豆食品には、蛋白質、
イソフラボン、レクチンなど多
くの成分が含まれており、これ
までに循環器疾患や、一部のガ
ンにおいてリスク低下の可能性
が示唆されてきました。しかし、
膵ガン罹患との関連については
明らかにされていませんでした。

 そこで津金氏らは、日本人の
生活習慣病予防と健康寿命延伸
を目的に実施されている多目的
コホート研究JPHCのデータ
を用いて、大豆食品の摂取と膵
ガン罹患との関連について検討
しました。

 解析対象は、JPHCに参加
した45~74歳の男女のうち、ガ
ン罹患歴のない9万185例で
す。食品摂取頻度に関するアン
ケートの回答結果から、総大豆
食品、発酵性大豆食品、非発酵
性大豆食品、各大豆食品(納豆、
味噌、豆腐類)の摂取量を算出
しました。摂取量により四分位
に分け、摂取の最少量群(第1
四分位)に対するその他の群に
おける膵ガン罹患リスクを調べ
ました。解析に当たり、性、年
齢、地域、肥満度、喫煙、飲酒、
身体活動、糖尿病(または服薬)
の有無、膵ガンの家族歴、コー
ヒー摂取、魚類摂取、肉類摂取、
果物類摂取、野菜類摂取、総エ
ネルギー摂取量を調整しました。
中央値で16.9年の追跡期間
中に、膵ガンと診断されたのは
577例です。総大豆食品摂取
量の最少群に対し、最多群では
膵ガンの罹患リスクが有意に高
いという結果がでました〔ハザ
ード比(HR)1.48、95
%CI 1.15~1.92、
傾向性P=0.007、 図 〕
。非発酵性大豆食品(豆腐類、
高野豆腐、油揚げ、豆乳)の摂
取においても同様の関連が認め
られました(同1.41、1.
09~1.81、傾向性P=0
.008)。一方、発酵性大豆
食品(納豆、味噌)の摂取には、
膵ガン罹患リスクとの有意な関
連は認められませんでした。各
大豆食品で検討したところ、豆
腐類摂取の最少群に対し、最多
群(第4四分位)では膵ガンの
罹患リスクが有意に高かったの
ですが(傾向性P=0.007)、
納豆、味噌にはそうした関連は
認められませんでした。これま
でに欧米で行われた疫学研究で
は、インゲン豆、レンズ豆、エ
ンドウ豆、大豆を含むマメ科植
物の摂取が膵ガンのリスク低下
と関連すると報告されています。
この点について、津金氏らは「
豆類ごとの栄養成分の違い(イ
ンゲン豆、レンズ豆、エンドウ
豆は大豆に比べて炭水化物が多
く、大豆は蛋白質および脂質が
多い)や観察期間の違い(欧米
の研究は6~8.3年であるの
に対し、今回の研究は約17年と
長期)が、先行研究と異なる結
果につながったのではないか」
と考察しています。

 また、総大豆食品の多量摂取
が膵ガンの罹患リスクを高める
理由として「動物実験で示され
ている非加熱大豆飼料による膵
臓の腫れとの関連や、非加熱の
大豆に含まれるトリプシンイン
ヒビターという消化酵素の働き
を阻害する物質の影響などが考
えられる」とコメントしていま
す。

 さらに同氏らは、今回の研究
の限界として<1>大豆食品の
摂取量は1回のアンケートから
算出しており、追跡中の食事の
変化については考慮していない
<2>さまざまな要因について
統計学的調整が不十分である―
ことを挙げ、「結果の検証には
さらなる研究が必要だ」と述べ
ています。

発酵食品について解説している

動画です。

 

 

 



 懸賞金の使途を検証する。笑















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2】 新技術搭載した内視鏡でシステムを刷新し国内販売












 オリンパスは消化器内視鏡シ
ステムを8年ぶりに刷新し、7
月3日から国内で発売します。
診断治療の質や検査効率の向上
を目指した新技術を搭載し、大
腸や食道にできるガンなどの早
期発見や患者さんの身体的負担
が少ない低侵襲治療につなげる
予定です。オリンパスによれば、
国内の医療機関で稼働する内視
鏡システムは約3万3000台
です。購入後5年以上経過する
システムは7割程度に達すると
みて、更新需要の取り込みを狙
っています。

 日本市場に投入するのは、消
化器内視鏡の最上位機種「EV
IS X1(イーヴィスエック
スワン)」(価格は税別390
万円)。近い距離と遠い距離の
それぞれに焦点が合った2枚の
画像を同時に取り出して合成し、
焦点範囲を広く映し出す技術の
ほか、操作性や観察性能を高め
る機能などを新たに加えました。

 2017年の国立ガン研究センタ
ーの統計によると、全部位のガ
ンのなかで日本国内の罹患数1
位は大腸ガン、2位は胃ガンと
なっています。オリンパスでは
さらなる技術革新に対する取り
組みとして、人工知能(AI)
による病変検出などの次世代技
術も開発中ということです。

 オリンパスの2020年3月期の
医療分野の売上高は6418億
円です。このうち内視鏡事業は
4257億円で66%を占めて
います。消化器内視鏡では世界
シェアの7割強を握っています。
イーヴィスエックスワンは4月
から欧州や香港、豪州、インド
で販売を始めており、米国や中
国でも承認を取得次第、順次発
売する計画です。

 7月1日にオンラインで開い
た発表会で、田口晶弘最高技術
責任者(CTO)はイーヴィス
エックスワンの導入により「内
視鏡事業における圧倒的なポジ
ションを実現する」と強調しま
した。「オリンパス全体をみて
も非常に重要な戦略商品になる」
と期待を込めました。

内視鏡の仕組みについて解説し

ている動画です。

 

 

 

 



 協調体制を強調した。


















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編集後記



 膵ガンは進行が早く、多くが
予後不良です。そのため、予防
に関する研究結果の蓄積が望ま
れているのは、周知の事実です。
膵臓は、身体の奥深い所にある
ので、膵ガンができていても、
症状が現れないことが多く発見
されるのは、進行ガンになって
からが大多数であるということ
です。そのため、予後が悪いと
言われているのです。1980年代
コリン・キャンベル博士が指揮
を取ったチャイナスタディーで
は、今回の結果を真逆の結果が
出ています。それは、なぜでし
ょう。私は、農薬の影響が考え
られると思います。日本の農業
では、無農薬・有機栽培で行わ
れているのは、作物全体の0.3%
とされています。それ故に農薬
まみれの野菜や大豆製品では、
膵臓ガンのリスクが上がると考
えられます。発酵大豆製品では、
関連が認められないのは、微生
物が作る、有用な栄養成分が働
いて、ガンが起こりにくくなっ
ていると考えるのが自然だと思
います。
 オリンパスが消化器内視鏡シ
ステムを8年ぶりに刷新し、7
月3日から国内で発売すること
は、喜ばしいことです。 診断
治療の質や検査効率の向上を目
指した新技術を搭載し、大腸や
食道にできるガンなどの早期発
見や患者さんの身体的負担が少
ない低侵襲治療につなげる予定
というのも好感度が持てます。
しかしながら、武漢熱(新型コ
ロナウイルス感染症の出現によ
って、世の様相は、一変し医療
機関の経営が一気に苦しくなっ
た今では、設備投資に回すお金
がないことを考えると、性能の
良い新製品と分かっていても、
できるだけ現存の機械を使うと
いうことになると思います。実
際、当クリニックでも設備投資
を極力抑えて、お金が出て行か
ないようにしているので、新し
い機械の導入(リースなど)は
非常に困難であるからです。

 新しい機械を導入する機会を
得る。          笑















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