診療マル秘裏話  号外Vol.2008 令和3年1月10日作成

作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨




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目次
 
1)レンビマとキイトル-ダ併用療法が第三相治験で高評価
2)子宮摘出術が骨粗鬆症や骨折リスクを2倍以上増加













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 医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に、新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 









 
1】 レンビマとキイトル-ダ併用療法が第三相治験で高評価












 エーザイ株式会社と米Merck
社は12月16日、エーザイ創製の
経口チロシンキナーゼ阻害剤「
レンビマ(R)」 (一般名:レン
バチニブメシル酸塩)および米
メルク社の抗PD-1抗体「キイト
ルーダ(R)」 (一般名:ペムブ
ロリズマブ)の併用療法につい
て、少なくとも1レジメンのプ
ラチナ製剤による前治療歴のあ
る進行性子宮内膜ガンを対象と
した臨床第3相試験(309試験/
KEYNOTE-775試験) の全生存期
間(Overall Survival:OS)と
無増悪生存期間(Progression-
Free Survival:PFS)の2つの
主要評価項目および奏効率(Ob
jective Response Rate:ORR)
の副次評価項目を達成したこと
を発表しました。両社は、同試
験のデータに基づく販売承認申
請を目指し、世界各国の当局と
協議を行います。なお、同試験
の結果の詳細については、今後
の学会で発表する予定です。

 今回の結果は、Intention-To
-Treat(ITT) 集団ならびにミ
スマッチ修復機能(mismatch r
epair proficient:pMMR)を有
するサブグループにおいて得ら
れました。ITT 集団には、pMMR
または高頻度マイクロサテライ
ト不安定性(microsatellite i
nstability-high:MSI-H)/ミ
スマッチ修復機構欠損(mismat
ch repair deficient:dMMR)
を有する子宮内膜ガン患者さん
が含まれます。

 独立データモニタリング委員
会による解析の結果、同併用療
法は、OS、PFSおよびORRについ
て、治験医師選択化学療法(ド
キソルビシンまたはパクリタキ
セル)に対する統計学的に有意
かつ臨床的に意義のある改善を
示しました。なお、同併用療法
の安全性プロファイルは、これ
までに報告されている臨床試験
のものと同様だったということ
です。

 309試験/KEYNOTE-775試験は、
111試験/KEYNOTE-146試験の検
証試験です。少なくとも1レジ
メンのプラチナ製剤による前治
療歴のある進行性子宮内膜ガン
を対象とした、レンビマとキイ
トルーダ併用療法を評価する、
多施設共同、非盲検、無作為化
の臨床第3相試験です。2つの
主要評価項目はOS、およびRECI
STv1.1に基づく盲検下独立中央
画像判定によるPFS です。副次
評価項目は、RECISTv1.1に基づ
く盲検下独立中央画像判定によ
るORR、および安全性/忍容性で
す。

 827人の登録患者のうち、697
人がMSI-H を有さない、または
pMMRを有する患者さんであり、
130人がMSI-Hを有する、または
dMMRを有する患者さんでした。
登録患者は、レンビマ(20mg、
1日1回経口投与)/キイトルー
ダ(200mg 3週ごと静脈内投与
を1サイクルとし最大で35サイ
クル(約2年)まで投与)の併
用、または治験医師選択化学療
法(ドキソルビシン(60mg/m2
3週ごと静脈内投与で総投与量5
00mg/m2以下) またはパクリタ
キセル(4週を1サイクルとして
80mg/m2 週1回静脈内投与を3週
連続し、1週間休薬))に、1:
1で割り付けられました。

 子宮内膜ガンは、子宮の内層
に発生し、子宮における最も発
生頻度の高いガンです。子宮内
膜ガンの罹患者数は2018年にお
いて、世界で38万2,000 人以上
と推定され、約9万人が亡くな
ったとされています。なお、こ
れらの見積もりは子宮内膜ガン
に加えて子宮肉腫の数が含まれ
ています。子宮内膜ガンは子宮
体ガンの90%以上を占めるとさ
れており、子宮内膜ガンのみの
数はこの数よりもやや少ないと
考えられます。日本では2018年
に約1万6,000が新たに子宮体ガ
ンと診断され、約2,500 人が亡
くなられたとされています。米
国では2020年に約6万6,000以上
が新たに子宮体ガンと診断され、
約1万3,000人が亡くなると推定
されています。進行性または転
移性子宮内膜ガン(stage IV)
の5年生存率は約17%と推計さ
れています。

 レンビマとキイトルーダの併
用療法は、2019年に111試験/K
EYNOTE-146試験結果に基づき、
全身療法後に増悪した、根治的
手術または放射線療法に不適応
なMSI-Hを有さない、またはdMM
R を有さない子宮内膜ガンにお
ける適応について、米国食品医
薬品局(FDA) より迅速承認を
取得しています。同迅速承認は、
奏効率および奏効期間の結果に
基づいており、FDA Oncology C
enter of Excellence が主導す
る複数国の当局による同時申請・
審査に向けた国際的な枠組みで
あるProject Orbis による初め
ての承認となりました。Projec
t Orbis のもと、同適応につい
て、カナダ保健省(Health Can
ada) から条件付き承認を、オ
ーストラリア医療製品管理局
(Australian Therapeutic Goo
ds Administration) から暫定
的承認をそれぞれ取得しました。

 両社は、LEAP(LEnvatinib A
nd Pembrolizumab)臨床プログ
ラムを通じて、進行性子宮内膜
ガンの一次治療としてレンビマ
とキイトルーダの併用療法を評
価する臨床第3相試験(LEAP-0
01試験)を含む13種類のガンに
おける20の臨床試験を進めてい
ます。

子宮内膜ガン(子宮体ガン)の

診断と治療について解説してい

る動画です。

 

 

 

 



 カナダ保健省が保険をかけた。














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2】 子宮摘出術が骨粗鬆症や骨折リスクを2倍以上増加













 台湾・慈済大学のYing-Ting
Yeh 氏らは、子宮摘出術が骨粗
鬆症や骨折のリスクを2倍以上
増加させることをPLoS One(20
20; 15: e0243037)で報告しま
した。

 Yeh 氏らは、2000~12年に台
湾国民健康保険(NHI) の研究
データベースのサブセットから
台湾の人口の99%に相当する2,3
00万人と、台湾の全医療施設の
93%を占める2万以上の医療施設
が登録・契約しているNHI プロ
ジェクトのLongitudinal Healt
h Insurance Database 2000(L
HID2000) の請求データを用い
て、子宮摘出術と骨粗鬆症およ
び骨折との関連を検討しました。

 2000年1月1日~12年12月31日
に子宮摘出術を受けた30歳以上
の女性9,189例 (子宮摘出群)
を特定しました。対照として子
宮摘出手術を受けていない受益
者から1:4で年齢(±5歳) が
一致する3万3,711例を選出しま
した。30歳未満または100 歳以
上で指標年以前に卵巣摘出術、
骨粗鬆症、骨折、死亡歴のある
女性は除外して約7年間(中央
値:子宮摘出群6.66年、対照群
7.32年)追跡し、骨粗鬆症と骨
折の発生率および調整ハザード
比(aHR)を算出しました。

 解析の結果、骨粗鬆症・骨折
の1,000人・ 年当たりの発生率
は子宮摘出群16.4、対照群7.3
で、対照群に対する子宮摘出群
(卵巣摘出術なし)のaHRは2.2
6(95%CI 2.09~2.44、P<0.00
1)でした。 また骨粗鬆症リス
クも、aHR 1.52(同1.36-1.71、
P<0.001)と有意に高いという
結果がでました。

 大腿骨近位部骨折は、子宮摘
出による有意なリスク上昇は認
められませんでした(aHR 1.07、
95%CI 0.64~1.79)。一方、脊
椎椎体骨折は有意に上昇してい
ました(同4.92、3.78~6.40、
P<0.001)。

 骨粗鬆症および骨折のリスク
に関するエストロゲン治療(ET)
と子宮摘出術の相互作用を評価
したサブグループ解析では、い
ずれも非施行群に対しET単独群
では、骨粗鬆症・骨折(調整発
生率比3.49、95%CI 2.10~5.81)、
大腿骨近位部骨折(同9.59、2.
33~39.58)、脊椎骨折(同26.
33、11.44~60.60)と、いずれ
も顕著にリスクが上昇しました。

 以上の結果から、子宮摘出術
は、骨粗鬆症と骨折の発症リス
ク増加に関連している可能性が
あることが分かりました。

子宮摘出術の後の女性の身体に

ついて解説している動画です。

 

 

 

 



 至急、子宮摘出術を中止する。















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編集後記




 エーザイ株式会社と米Merck
社が12月16日、エーザイ創製の
経口チロシンキナーゼ阻害剤「
レンビマ(R)」 (一般名:レン
バチニブメシル酸塩)および米
メルク社の抗PD-1抗体「キイト
ルーダ(R)」 (一般名:ペムブ
ロリズマブ)の併用療法につい
て、少なくとも1レジメンのプ
ラチナ製剤による前治療歴のあ
る進行性子宮内膜ガンを対象と
した臨床第3相試験(309試験/
KEYNOTE-775試験) の全生存期
間(Overall Survival:OS)と
無増悪生存期間(Progression-
Free Survival:PFS)の2つの
主要評価項目および奏効率(Ob
jective Response Rate:ORR)
の副次評価項目を達成したこと
を発表したことは喜ばしいこと
です。分子標的薬と免疫チェッ
クポイント阻害剤の組合せが、
有用であることが分かりました。
 台湾・慈済大学のYing-Ting
Yeh 氏らは、子宮摘出術が骨粗
鬆症や骨折のリスクを2倍以上
増加させることをPLoS One(20
20; 15: e0243037)で報告した
のは、子宮摘出術を受ける女性
の覚悟を迫ると同時に骨粗鬆症
や骨折リスクを下げる方法を考
える必要に迫られたことになる
と考えます。30歳未満または10
0 歳以上で指標年以前に卵巣摘
出術、骨粗鬆症、骨折、死亡歴
のある女性は除外していると言
うことですから、卵巣摘出術、
骨粗鬆症、骨折、死亡歴などの
影響は、排除されたものと思わ
れます。卵巣摘出術では、卵巣
自体がなくなるので、女性ホル
モンの分泌がなくなり、副腎が
それをカバーしきれず骨粗鬆症
になるのは、当然と考えられる
からです。こうしたバイアスの
排除を行っているので結果は、
信用に足るのではないかと考え
ます。

 事態は、企業存続自体が危惧
された。         笑
















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