診療マル秘裏話  号外Vol.2078 令和3年4月2日作成

作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨




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目次
 
1)東日本大震災住宅被害被災者のガンリスク上昇せず
2)潰瘍性大腸炎の新自己抗体を発見したと発表す













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 医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に、新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 








 
1】 東日本大震災住宅被害被災者のガンリスク上昇せず










 東日本大震災で住宅に被害を
受けた人について健康への影響
を宮城県で調べたところ、ガン
を発症するリスクはこれまでの
ところ上がっていないことが、
東北大学が行った大規模な追跡
調査で分かりました。その一方
で、運動する量が減ることによ
る生活習慣病のリスクは指摘さ
れているため、今後影響が出な
いか、さらに調べる必要がある
としています。

 グループで、2017年12月まで
にガンになった900 人余りにつ
いて震災での住宅被害との関連
を解析した所、ガンを発症する
リスクは被害がなかった人と比
べ、▽住宅が半壊した人で0.99
倍▽大規模半壊や全壊の人で0.
92倍と、差が見られなかったこ
とが分かりました。

 これまでの所、被災とガンの
発症に関連はみられていません
が、寶澤教授は岩手県や宮城県
の住民が対象の別の研究では、
住宅の被害があった人では運動
する量が減って、血糖値や血液
中の脂質の量が多い傾向で、生
活習慣病につながるリスクが指
摘されているため、今後もガン
が増えないか調べる必要がある
としています。

 寳澤教授は「ガンのリスクは
上がっていないが、安心できる
状況ではない。リスクを下げる
ために、運動量を増やし、たば
こや塩分を控えてほしい」と話
しています。

東日本大震災の発生後10年の

ニュース動画です。

 

 

 

 



 全壊家屋をパワー全開で再建
する。          笑













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2】 潰瘍性大腸炎の新自己抗体を発見したと発表す













 京都大学は3月9日、指定難病
である潰瘍性大腸炎の新たな自
己抗体を発見したと発表しまし
た。この研究は、同大大学院医
学研究科消化器内科の塩川雅広
助教、桒田威医員、児玉裕三講
師(研究当時、現・神戸大学教
授)、妹尾浩教授、千葉勉名誉
教授らの研究グループらの研究
グループによるものです。研究
成果は、「Gastroenterology」
に掲載されています。

 潰瘍性大腸炎は若年者を中心
に幅広い年齢層に発症し、大腸
にびらん潰瘍などを形成する炎
症性腸疾患で、下痢・血便など
の症状をきたします。患者数は
世界的に増加傾向にあり、日本
の患者数も20万人を超えていま
す。これまでにその病態解明を
目的として、多くの研究が国内
外で行われてきましたが、いま
だ満足のいく結果は得られてい
ません。そのため、診断は症状
や大腸カメラの所見などを組み
合わせた総合判断によって行わ
れており、また、病気の根本的
な治療法も存在しないのが現状
です。

 治療により一旦寛解すること
も多いのですが、再燃すること
もしばしばあるため、長期間に
わたって通院や入院治療が必要
となります。さらに、内科的治
療に反応しない場合には、外科
的治療(大腸全摘術)が必要に
なるなど、QOL の低下が問題と
なっています。加えて、長期間
治療を受けている患者さんは、
大腸ガン合併のリスクが上昇す
ることも大きな問題です。この
疾患の最大の問題点は、原因不
明なことであり、日本の指定難
病にもなっています。

 潰瘍性大腸炎の発症には、遺
伝や環境要因に加え、自己免疫
の異常が関連していると考えら
れています。通常、ヒトの抗体
は細菌やウィルスなどの外敵や
異物を攻撃しますが、自己免疫
性疾患では自己抗体などが誤っ
て自己抗原を攻撃してしまいま
す。

 研究グループは潰瘍性大腸炎
に自己抗体が関連していると考
え、患者さんの血液中に存在す
る自己抗体が標的とする物質を
探索しました。潰瘍性大腸炎で
は、大腸粘膜の上皮細胞が障害
されることがその根幹であると
されており、上皮細胞に発現す
る蛋白質に着目してスクリーニ
ングを行いました。

 その結果、「インテグリンα
Vβ6」という蛋白質に対する自
己抗体が潰瘍性大腸炎患者さん
の約90%に認められることが判
明しました。この自己抗体は、
同じ炎症性腸疾患であるクロー
ン病患者さんや、その他の腸炎
患者さんではほとんど認められ
ず、潰瘍性大腸炎の確定診断に
有用であると考えられるという
ことです。また、潰瘍性大腸炎
患者さんの病気の活動性に合わ
せて、その抗体の数値(力価)
が変動することがわかり、頻繁
に内視鏡検査をしなくても、そ
の活動性が評価できる可能性が
あります。

 さらにこの自己抗体は、上皮
細胞の接着に関連する蛋白質と
の結合を阻害する作用を持つも
のであることも分かりました。
この作用は、潰瘍性大腸炎の病
態の根幹である大腸粘膜上皮の
障害と関連している可能性が高
く、研究グループは、この自己
抗体が潰瘍性大腸炎の原因であ
る可能性が高いと考えていると
いうことです。

 今後、発見された自己抗体を
測定することにより、潰瘍性大
腸炎の確定診断や病勢の把握が
簡便にできる可能性があります。
現在、研究グループは企業とと
もに、この自己抗体測定のため
に検査キットを開発中で、将来
的に保険適応を目指すとしてい
ます。「今回の発見から病態解
明につながれば、根治的な新規
治療法の開発が期待され、指定
難病であるこの病気を根治でき
る可能性も考えられる」と、研
究グループは述べています。

潰瘍性大腸炎について解説して

いる動画です。

 

 

 

 



 足底の面積を測定する。 笑















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編集後記



 東日本大震災で住宅に被害を
受けた人について健康への影響
を宮城県が調べたところ、ガン
を発症するリスクはこれまでの
ところ上がっていないことが、
東北大学が行った大規模な追跡
調査で分かったのは、喜ばしい
ことです。住宅に被害が及ぶと
ストレス甚大と推測します。し
かし、そのストレスに打ち勝っ
て、前を向いて、暮らされてい
る被災者の方は、本当に尊いと
言えると思います。これからも
調査は、継続する必要があると
のことですが、今後の調査でも、
こうしたストレスをものともし
ない結果がでることを期待した
いと思います。
 京都大学が3月9日、指定難病
である潰瘍性大腸炎の新たな自
己抗体を発見したと発表したの
は、喜ばしいことです。恥ずか
しながら、私も潰瘍性大腸炎を
患っておりました。頻繁に行わ
れる大腸鏡検査で、体力を消耗
し、検査が終わったあとは本当
に脱力感に捕らわれることが、
多くありました。 また食事を
我慢する時間が非常に長いので、
苦しみは、耐え難いものでした。
リキッドバイオプシーでこの様
な抗体を検出することができれ
ば、不要な大腸鏡検査を減らす
ことができます。大腸鏡の検査
を行う先生方も大変でしょうが、
先生方の負担も減らすことがで
きるのは、大きいと私は考えて
います。

 使う抗体の種類を交替させた。

















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