診療マル秘裏話  号外Vol.2219 令和3年9月13日作成

作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨




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目次
 
1)dMMR,再発または進行固形ガンに抗PD-1抗体承認
2)白色脂肪細胞の,ヘパラン硫酸の血糖調節機能解明

 

 











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 医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に、新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 









 
1】 dMMR,再発または進行固形ガンに抗PD-1抗体承認














 米国食品医薬品局(FDA)は8
月17日、全身治療歴があり、他
に有望な治療選択肢のない成人
のミスマッチ修復機構欠損(dM
MR)の再発または進行固形ガン
に、抗PD-1抗体dostarlimab-gx
ly(商品名Jemperli、GlaxoSmi
thKline社) を迅速承認制度下
で承認しました。同時に、コン
パニオン診断薬としてVENTANA
MMR RxDx Panelを承認しました。

 dostarlimabの有効性は,全身
治療後に疾患進行が認められ、
他に有望な治療選択肢のないdM
MRの再発または進行固形ガン患
者さん209 例を対象とした多施
設共同非無作為化非盲検のマル
チコホート試験「GARNET試験」
で検証されています。dostarli
mab 単剤療法の結果、有効性の
主要評価項目の全奏功率(ORR)
は41.6%で、完全奏効率は9.1%、
部分奏効率は32.5%でした。同
じく主要評価項目とした奏効持
続期間(DOR) の中央値は34.7
カ月で、患者さんの95.4%が6
カ月以上の奏効を得ました。

 発現頻度の高い(20%以上)
有害反応は、倦怠感や無力感、
貧血、下痢、悪心でした。グレ
ード3または4の有害反応(2%以
上)には、貧血、倦怠感や無力
感、AST/ALT上昇,敗血症、急性
腎不全がありました。このほか、
肺炎、大腸炎、肝炎、内分泌障
害、腎炎、皮膚毒性などの免疫
介在性の有害反応が認められま
した。

免疫チェックポイント阻害剤に

ついて解説している動画です。

 

 

 

 



 迅速承認制度の精度を調査す
る。           笑















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2】 白色脂肪細胞の,ヘパラン硫酸の血糖調節機能解明















 東北大学は8月19日、白色脂
肪細胞におけるヘパラン硫酸の
血糖値調節に対する機能を明ら
かにしたと発表しました。この
研究は、同大大学院医学系研究
科機能薬理学分野の吉川雄朗准
教授、松澤拓郎博士研究員らの
グループと、同研究科環境医学
分野守田匡伸講師およびSanfor
d-Burnham-Prebys Medical Dis
covery Instituteの山口祐教授
らとの共同研究によるものです。
研究成果は、「Journal of Bio
logical Chemistry」 電子版に
掲載されています。

 ヘパラン硫酸は細胞の表面に
存在している糖鎖の一つです。
白色脂肪細胞は血糖値の調節に
おいて非常に大切な細胞ですが、
この細胞におけるヘパラン硫酸
の役割については不明のままで
した。そこで研究グループは今
回、白色脂肪細胞におけるヘパ
ラン硫酸の機能解析を行いまし
た。

 研究ではまず、ヘパラン硫酸
が減少した白色脂肪細胞株(3T
3-L1細胞)を作製し解析しまし
た。その結果、ヘパラン硫酸が
減ると脂肪細胞が十分に分化せ
ず、インスリンによるブドウ糖
取り込み能が減少することが示
されました。したがって、3T3-
L1細胞のブドウ糖取り込み能を
維持するためには、ヘパラン硫
酸が必要だと考えられました。
また、そのメカニズムとして、
ヘパラン硫酸がBMPやFGFといっ
た成長因子の作用を強めること
が示唆されました。

 次に、白色脂肪組織でヘパラ
ン硫酸が減少したマウスを遺伝
子組換え技術を用いて作製し、
インスリンの働きと血糖値につ
いて検討しました。このマウス
ではインスリンが効きづらくな
り、その結果、血糖値が高くな
ることが示されました。以上の
ことから、ヘパラン硫酸は白色
脂肪細胞の機能を向上させ、イ
ンスリンの働きを強め、血糖値
を下げる役割があることが明ら
かとなりました。

 今回の研究により、白色脂肪
細胞におけるヘパラン硫酸の血
糖値調節に対する機能が明らか
になりました。「今後、この研
究成果を糖尿病の病態解明や治
療薬の開発へとつなげていきた
いと考えている。また今回の発
見により、ヘパラン硫酸につい
ての理解が一層進むことも期待
される」と、研究グループは述
べています。

脱共役蛋白質と白色脂肪細胞と

褐色脂肪細胞について解説して

いる動画です。

 

 

 

 



 一艘の船の重要性が一層解明
される。         笑















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編集後記



 米国食品医薬品局(FDA)が8
月17日、全身治療歴があり、他
に有望な治療選択肢のない成人
のミスマッチ修復機構欠損(dM
MR)の再発または進行固形ガン
に、抗PD-1抗体dostarlimab-gx
ly(商品名Jemperli、GlaxoSmi
thKline社) を迅速承認制度下
で承認し、同時に、コンパニオ
ン診断薬としてVENTANA MMR Rx
Dx Panelを承認したのは喜ばし
いことです。他に有望な治療選
択肢のないdMMRの再発または進
行固形ガン患者さん209 例を対
象とした多施設共同非無作為化
非盲検のマルチコホート試験「
GARNET試験」で検証されている
ことが承認を後押ししたものと
考えられます。
 東北大学が8月19日、白色脂
肪細胞におけるヘパラン硫酸の
血糖値調節に対する機能を明ら
かにしたと発表したのは、素晴
らしい業績です。最近、出た全
く新しい作用機序の糖尿病薬剤
としては、ミトコンドリア機能
を改善することで効果を発揮す
るイメグリミン位ですから、何
とか、新薬の開発まで持って行
くことができれば、画期的な薬
と言えるでしょう。ヘパラン硫
酸は、元々体内にある糖鎖の一
種です。そのため、ぺパラン硫
酸自体を利用する薬剤だと副作
用が少ないと考えられます。た
だヘパラン硫酸自体ではなく、
ヘパラン硫酸の増加作用がある
新規の薬剤となると副作用があ
る可能性があります。

 心機一転、新規の薬剤を開発
する。          笑
 














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