診療マル秘裏話  号外Vol.2229 令和3年9月25日作成

作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨




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目次
 
1)ピロリ感染者が85歳までに胃ガンに罹る確率推定
2)レム睡眠中大脳皮質で,活発な物質,交換脳リフレッシュ














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 医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に、新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 









 
1】 ピロリ感染者が85歳までに胃ガンに罹る確率推定














 愛知医科大学は9月1日、ピロ
リ菌に感染している人では、生
まれてから85歳までに胃ガンに
罹る確率が,男性で17.0%(約6
人に1人)、女性で7.7%(約13
人に1人) に上る可能性が高い
ことが推定されたと発表しまし
た。この研究は、同大医学部公
衆衛生学の川合紗世講師、王超
辰講師、篠壁多恵講師、林櫻松
教授(特任)、菊地正悟教授、
および、兵庫医科大学小児科学
の奥田真珠美教授によるもので
す。研究成果は、「Internatio
nal Journal of Cancer」 に掲
載されています。

 ピロリ菌(H. pylori) 感染
は、胃ガンの主な原因の一つと
考えられています。胃ガンは現
在、罹患率および死亡率が高い
一般的なガンですが、今後、ピ
ロリ菌感染の有病率低下に伴い、
罹患率も徐々に低下していくこ
とが予想されます。胃ガン予防
戦略の効果を評価する際には、
ピロリ菌感染者と非感染者の間
の長期累積リスクの差が重要と
なりますが、これはまだ正確に
評価されていません。

 今回、同大公衆衛生学講座で
は、以前に実施したメタ解析に
より得られた生年ごとのピロリ
菌感染率データと国立ガン研究
センターのガン情報サービスで
Web 公開されている日本の年齢
階級別胃ガン罹患年次推移デー
タ(全国ガン登録、地域ガン登
録事業の成果)を利用し、さら
にピロリ菌感染の有無による胃
ガン発生リスクを仮説設定した
上で複合的に解析して胃ガン累
積罹患リスクを算出しました。
解析にはモンテカルロ法(シミ
ュレーションを繰り返す方法)
を用いました。5,000 回試行の
結果、ピロリ菌感染者では0歳
から85歳までに胃ガンに罹る確
率が男性で17.0%、女性で,7.7
%であることが推計されました。
一方、ピロリ菌に感染していな
い場合は男性で1.0%、女性で0
.5%でした。

 今回の研究成果は、個人がピ
ロリ菌検査やピロリ菌除菌治療
を受けるかどうかを決める場合
に重要な情報となり、また、ピ
ロリ菌が胃ガンの最も大きな原
因であることを利用した胃ガン
対策事業を行うにあたり、ピロ
リ菌感染コントロールと胃ガン
検診および治療とのコストバラ
ンスを分析する上での基本情報
となると、研究グループは述べ
ています。

ピロリ菌と胃ガンについて解説

している動画です。

 

 

 

 



 文責の人を対象に、分析した。















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2】 レム睡眠中大脳皮質で,活発な物質,交換脳リフレッシュ
















 「眠っているときに夢を見る
「レム睡眠」中は、大脳皮質で
活発な物質交換が行われて脳が
リフレッシュしていることが分
かった」と筑波大学と京都大学
の研究グループが発表しました。
睡眠中のマウスの脳の血流を詳
しく観察した成果で、新たな認
知症の治療法開発につながる可
能性もあるということです。
 哺乳類の睡眠はノンレム睡眠
とレム睡眠から構成され、夢は
主にレム睡眠中に見ることは広
く知られています。研究グルー
プによると、ノンレム睡眠中は
成長ホルモンの分泌上昇やスト
レスホルモンの分泌抑制などが
起き、身体の回復に関係するこ
とが分かっていました。

 一方、レム睡眠は急速な眼球
運動を伴い、脳が活動して夢を
見ながらも体は休息しており、
レム睡眠と心身の健康維持との
関係は未解明でした。またレム
睡眠が少ないとアルツハイマー
病などの認知症リスクや死亡リ
スクが高まるという報告はあり
ましたが、詳しいことは分かっ
ていませんでした。

 筑波大学国際統合睡眠医科学
研究機構と京都大学大学院医学
研究科を兼任する林悠教授らの
研究グループは、睡眠中のマウ
スの血流に着目してレム睡眠中
の脳の状態を解明する研究に着
手しました。

 脳の血流は心拍出量の15%を
占め、神経細胞に酸素や栄養を
届け、不要な老廃物を回収する
物質交換の役割を担います。ま
た血流の失調はアルツハイマー
病などの進行に深く関わると考
えられながら、個々の毛細血管
の血流を観測する方法がないと
いう課題がありました。林教授
らは、波長が長いレーザー光に
よって生体組織の深部イメージ
ングを可能にする「二光子励起
顕微鏡」という特殊な顕微鏡を
用いることで、睡眠中のマウス
の脳で毛細血管中の赤血球の流
れを直接観察することを試みま
した。

 その結果、大脳皮質のさまざ
まな領域で毛細血管に流入する
赤血球数は、覚醒して活発に運
動している時と深いノンレム睡
眠中では差がありませんでした。
しかし、レム睡眠中の赤血球数
は覚醒している時の2倍近くに
なることが判明しました。この
ことは、レム睡眠中は脳の毛細
血管の血流が活発になり、大脳
皮質の神経細胞が活発に物質交
換を行っていることを示してい
るということです。また、アデ
ノシンという物質を生体内で受
け止める受容体蛋白質が、血流
上昇に重要な役割を果たしてい
ることも明らかになったという
ことです。

 研究グループはこれらの結果
から、レム睡眠中は脳の毛細血
管の血流量が上昇することで栄
養供給や老廃物除去が行われ、
脳がリフレッシュ状態になると
みています。また、レム睡眠が
少ないと大脳皮質の活発な物質
交換が損なわれ、結果として脳
の機能低下や老化が進み、認知
症のリスクも高まるとしていま
す。

 林教授らは今後、レム睡眠時
間の割合と脳の老化や機能低下
との因果関係を解明する予定で、
レム睡眠の割合を効率的に増や
す薬や行動療法を開発し、脳の
機能低下や認知症を予防する治
療法の開発につなげたいとして
います。研究成果は米科学誌セ
ル・リポーツに掲載されました。

 レム睡眠は1953年に発見され、
数年後に夢は主にレム睡眠中に
見ることも明らかになりました。
レム睡眠とノンレム睡眠がある
のは複雑な脳を持つ哺乳類と鳥
類だけとされ、2つの睡眠状態
は脳の高等な機能と考えられな
がら、詳しいことは最近の脳研
究でも多くの謎に包まれていま
した。

睡眠の効果について解説してい

る動画です。

 

 

 



 高等な質問に口頭で回答する。














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編集後記



 愛知医科大学が9月1日、ピロ
リ菌に感染している人では、生
まれてから85歳までに胃ガンに
罹る確率が,男性で17.0%(約6
人に1人)、女性で7.7%(約13
人に1人) に上る可能性が高い
ことが推定されたと発表したの
は素晴らしい業績です、ピロリ
菌による感染から胃ガンが発生
することを踏まえた数字である
と私は、考えています。ならば、
ピロリ菌呼気検査で陽性の人は、
全て、除菌療法をするべきとい
う方も多数おられるのではない
かと思います。しかし、除菌療
法には、抗生物質を使うため、
下痢などの副作用に悩まされる
人が多いことと、そもそも抗生
物質にアレルギーがあって除菌
療法を行えない人もいます。そ
の場合、白金パラジウムナノコ
ロイド(黒プラチナ)による除
菌を推奨しています。
 「眠っているときに夢を見る
「レム睡眠」中は、大脳皮質で
活発な物質交換が行われて脳が
リフレッシュしていることが分
かった」と筑波大学と京都大学
の研究グループが発表したのは、
素晴らしい業績です。波長が長
いレーザー光によって生体組織
の深部イメージングを可能にす
る「二光子励起顕微鏡」という
特殊な顕微鏡を用いることで、
睡眠中のマウスの脳で毛細血管
中の赤血球の流れを直接観察す
ることを試み、レム睡眠中の赤
血球数は覚醒している時の2倍
近くになることが判明し、これ
らの結果から、レム睡眠中は脳
の毛細血管の血流量が上昇する
ことで栄養供給や老廃物除去が
行われ、脳がリフレッシュ状態
になると結論したのは、エレガ
ントな手法だと感じました。

 主峰を攻略する登山家の手法
に感動する。       笑















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