診療マル秘裏話  号外Vol.2537 令和4年9月19日作成

作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨




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目次

1)肺ガンの女性で性機能障害が高頻度で見られた
2)食中毒原因菌を金属と高分子複合体を使い検出













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 医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に、新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 









 
1】 肺ガンの女性で性機能障害が高頻度で見られた











 ダナファーバーガン研究所ガ
ン治療公平プログラムのアソシ
エイトディレクターであるNarj
ust Florez(Duma)医師が主導
した研究によると、肺ガンの女
性において性機能障害が高頻度
にみられ、ほとんどの調査参加
者は性行為にほとんど関心がな
いと回答しています。この研究
は、本日、国際肺ガン学会(IA
SLC) の2022年肺ガンに関する
世界会議で発表されました。

 研究者らは、「肺ガン女性に
おける性的健康評価(SHAWL)」
研究の結果、肺ガン診断の前後
を比較して、性欲・性的関心と
膣痛・膣不快感に顕著な差があ
ることを報告しました。

 ダナファーバーガン研究所胸
部腫瘍学Loweセンターの腫瘍学
者でもあるFlorez氏は次のよう
に述べています。「SHAWL 研究
は、これまで十分に研究されて
いなかった女性の性の課題を科
学的議論の第一線に導くことを
目的としています。肺ガンの診
断前と診断後の情報を比較する
と、その差は驚異的です。肺ガ
ンは、これらの女性の性的健康
に大きく影響します」。

 SHAWL 研究は、「肺ガンと肺
ガン登録のためのGO2 Foundati
on」によって実施された観察型
国際的横断調査です。本研究で
は、性的健康を評価するために
「患者報告型アウトカム測定情
報システム(PROMIS)性機能・
性的満足度評価(有効質問票)」
を利用しました。多職種から成
るSHAWL 研究チームのメンバー
は、ほとんどが女性の医療専門
家であり、認定された性カウン
セラー1名と肺ガン患者さんア
ドボケート(支援者)2名が含
まれています。

 研究参加者の募集は、2020年
6月から2021年6月の間に行なわ
れました。参加者は、肺ガン診
断前の性行為と、調査回答前「
直近 30 日間」の性行為につい
て質問されました。

 調査に回答した女性249 人の
うち、ほとんどの患者さん(64
%)がステージ4肺ガン患者さ
んで、107 人(45%)が標的療
法を受けており,そのうち 93人
(87%)が 6カ月以上薬を服用
していました。調査回答時点で
は、参加者78人(33%)が抗う
つ剤を、34人(14%)がベータ
遮断薬を服用していました。過
去 30日以内に、参加者のうち1
27人(53%)は自慰行為または
他人と性行為がありました。18
3 人(77%)は性行為にほとん
どまたはまったく興味がなく、
159 人(67%)は性行為を望む
ことはめったにまたは全くない
と回答しました。参加者の性生
活満足度に悪影響を与える要因
として最も多かったのは、疲労
95人(40%)、悲しみ・不幸な
気持ち66人(28%)、パートナ
ーとの問題52人(22%)、息切
れ36人(15%)でした。

 肺ガン診断の前後を比較する
と、性欲・性的関心の低下(15
% 対 31%、p<0.001) と膣痛・
膣不快感 (13% 対 43%、p<0
.001)に顕著な差が認められま
した。過去30日間に性行為があ
った127 人の参加者のうち、75
人(59%)が膣の乾燥、63人(
26%)が性行為中の膣痛・膣不
快感について、重要な問題があ
ると報告しました。

 「性機能障害は、肺ガンの女
性において高頻度にみられます。
性的健康は生活の質に関連して
いることを覚えておく必要があ
ります。性的健康は胸部腫瘍学
に統合されるべきであり、肺ガ
ン患者さんへのテーラーメード
型介入の開発をめざしてさらな
る研究が必要です。性的健康に
対処した患者さんは、生活の質
が向上し、疼痛コントロールが
改善され、パートナーや医療チ
ームとの関係も良くなります」
とFlorez氏は述べています。

 女性の肺ガンについて解説し

ている動画です。

 

 

 



 大所高所から事態に対処する。














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2】 食中毒原因菌を金属と高分子複合体を使い検出















 食中毒の原因の細菌を、金属
と高分子の粒子が結合した複合
体を使って検出する新たな手法
を開発したと、大阪公立大学の
研究グループが発表しました。
固有の色の光を散乱する複合体
の表面に、細菌の抗体を着けた
ものです。従来法より素早くで
き、しかもさまざまな細菌を同
時に見分けられます。大がかり
な装置が不要で、簡易な検査に
道を開くということです。

 食品や医療、環境分野などの
細菌検査では、培養したり、蛍
光物質を目印に使ったりして検
出します。ただし培養には2日
間といった時間がかかります。
また蛍光物質は寿命が短い、物
質により当てる光の波長を変え
る必要があるなどの制約があり、
さまざまな菌を同時に識別する
のが難しいということです。

 そこで研究グループは新たな
検出手法の開発に挑みました。
まず、金属のナノ粒子(1~100
ナノメートル程度の大きさの粒
子、ナノは10億分の1)と高分
子が化学結合した複合体が、同
じサイズの金のナノ粒子に比べ
て強い光を散乱することを突き
止めました。これは多数の金属
ナノ粒子が高分子によって分け
隔てられつつ、高密度に存在す
ることで、光の吸収や散乱が効
率的に起こるための現象という
ことです。

 さらに金、銀、銅のナノ粒子
と高分子の粒子が結合した複合
体に光を当てると、それぞれ白、
赤、青の散乱光を出しました。
そこで複合体の金属の種類ごと
に、金は腸管出血性大腸菌O26,
銀は同O157銅は黄色ブドウ球菌、
それぞれの抗体を表面に付着さ
せた目印を作製しました。これ
らが細菌を検出できるかを調べ
ました。

 その結果、O26では白,O157は
赤、黄色ブドウ球菌は青の散乱
光をそれぞれ確認し、検出に成
功しました。複合体は抗体がな
くても固有の光を散乱しますが、
それだけでは明るさが足りませ
ん。しかし表面に着いた抗体が
細菌に結び付くことで複合体が
集団になり、散乱光が強くなっ
て検出できる仕組み。所要1時
間以内ということです。複数の
種類の菌を含む腐敗した肉に3
種類の細菌を加えた所、この手
法で3種類を同時に識別できま
した。

 金属と抗体の組み合わせはさ
まざまに変えられるといい、新
たな検査手法として実用化が期
待されます。研究グループの大
阪公立大学大学院工学研究科の
椎木(しいぎ)弘教授(分析化
学)は「食品や医療、創薬、公
衆衛生など、さまざまな用途で
事業所レベルでの自主管理が可
能になる。多彩な標的に対応す
る複合体や小さな検査デバイス
の開発などを進めたい」と述べ
ています。

 成果は米化学会の学術誌「ア
ナリティカルケミストリー」の
電子版に7月25日に掲載され、
大阪公立大学が8月8日に発表し
ました。研究は科学技術振興機
構(JST)研究成果展開事業,日
本学術振興会科学研究費助成事
業の支援を受けました。

 細菌性食中毒について解説し

ている動画です。

 

 

 

 



 多彩な手段を使いこなす多才
の人           笑













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編集後記



 ダナファーバーガン研究所ガ
ン治療公平プログラムのアソシ
エイトディレクターであるNarj
ust Florez(Duma)医師が主導
した研究によると、肺ガンの女
性において性機能障害が高頻度
にみられ、ほとんどの調査参加
者は性行為にほとんど関心がな
いと回答していることは、残念
なことです。この手の調査は、
日本では、女性の羞恥心から行
われないことだと思います。し
かし、性に関する満足感が疎か
になれば、人口減少に拍車をか
けることになると私は考えてい
ます。女性の研究者が音頭をと
って、日本でも羞恥心を乗り越
えて研究するべきだと思います。
 食中毒の原因の細菌を、金属
と高分子の粒子が結合した複合
体を使って検出する新たな手法
を開発したと、大阪公立大学の
研究グループが発表したのは、
素晴らしい業績です。従来法よ
り素早くでき、しかもさまざま
な細菌を同時に見分けられ、大
がかりな装置が不要で、簡易な
検査に道を開くという利点を最
大限に生かして使う必要がある
と私は考えています。金属と抗
体の組み合わせはさまざまに変
えられるといい、新たな検査手
法として実用化が期待されると
いうことですので、実用化後に
たくさんの場面で使われること
を期待したいと思います。

 官位の授与について、簡易な
方法で行う。       笑













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