診療マル秘裏話  号外Vol.2549 令和4年10月3日作成

作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨




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目次

1)TRAIL糖鎖構造を発見し、ガン治療の効果を予測
2)電動ベッドの専用アプリ向け睡眠改善プログラム開発












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 医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に、新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 









 
1】 TRAIL糖鎖構造を発見し、ガン治療の効果を予測











 東邦大学は9月7日、腫瘍免疫
監視機構の一翼を担う分子TRAI
L(Tumor necrosis factor-rel
ated apoptosis-inducing liga
nd)によるガン細胞死を制御す
る糖鎖構造を発見し、その糖鎖
構造が、TRAIL 受容体が関わる
ガン治療の効果を予測する因子
となり得ることを示したと発表
しました。この研究は、大阪大
学大学院医学系研究科生体病態
情報科学講座の三善英知教授、
東邦大学医学部生化学講座の森
脇健太准教授らの研究グループ
によるものです。研究成果は、
「Oncogene」に掲載されていま
す。

 ヒトの体の中では、毎日数百
~数千個もガン細胞が発生して
います。ガン化した細胞を白血
球が監視し、排除する体内の仕
組みとして、腫瘍免疫監視機構
が存在します。今回研究グルー
プが注目したTRAIL は、細胞傷
害性リンパ球に発現して、TRAI
L 受容体を発現するガン細胞に
細胞死を誘導することでその増
殖を抑制する働きがあり、腫瘍
免疫監視機構の一翼を担ってい
ます。TRAIL はマウスを用いた
実験などにより、正常組織には
傷害を与えず、ガン細胞に特異
的に細胞死を引き起こす性質を
有することが分かっています。
そのため、TRAIL 受容体はガン
治療の分子標的として期待され、
多くの製薬会社がTRAIL 受容体
分子標的薬の開発を進めていま
す。これまでにさまざまな種類
のガンに対して臨床試験が実施
されましたが、TRAIL 耐性を有
するガン細胞の存在などの理由
により十分な治療効果が見られ
ない患者さんもおり、未だ臨床
応用には至っていません。その
ため、TRAIL 誘導性細胞死のメ
カニズムや治療効果を予測する
因子の解明などが必要となって
います。

 一方、糖鎖は、細胞によって
その構造が異なることから、ガ
ン細胞と正常細胞を見分ける指
標(腫瘍マーカー)としても広
く臨床応用されています。研究
グループはこれまでに糖鎖修飾
フコシル化がTRAIL 誘導性細胞
死を制御することを明らかにし
てきましたが、その詳細は分か
っていませんでした。

 フコシル化糖鎖は、フコース
の結合の仕方でいくつかの種類
に分けられます。どのフコシル
化糖鎖がTRAIL 誘導性細胞死を
亢進させるかを調べた所、ガン
細胞にルイス糖鎖というフコシ
ル化糖鎖構造が存在するとTRAI
L 誘導性細胞死が亢進すること
が判明しました。ルイス糖鎖は
糖蛋白質、糖脂質のどちらにも
付加される糖鎖です。どちらに
付加されるルイス糖鎖が重要か
を調べた所、糖脂質に付加され
るルイス糖鎖がTRAIL 誘導性細
胞死を制御することが分かりま
した。より詳細な解析の結果、
ルイス糖鎖が付加された糖脂質
が細胞表面上に多く存在すると、
細胞死を引き起こす蛋白質複合
体(FADD-caspase 8複合体)の
形成が促進されることが分かり
ました。

 次に、複数のヒト大腸ガン細
胞株や、大腸ガン患者さんのガ
ン組織から樹立したガンオルガ
ノイドを用いて、ガン細胞表面
上のルイス糖鎖の発現量とTRAI
L 誘導性細胞死への感受性を調
べました。その結果、ルイス糖
鎖の発現量が多いガン細胞では
TRAIL 誘導性細胞死への感受性
が高いことが判明しました。こ
のことから、ガン細胞のルイス
糖鎖の発現量はTRAIL 受容体分
子標的薬の治療効果を予測する
因子となり得ることが示されま
した。

 ルイス糖鎖は細胞のガン化に
よって増加することから、古く
から腫瘍マーカーとして利用さ
れており、特に有名な腫瘍マー
カーであるCA19-9もルイス糖鎖
に含まれます。CA19-9の測定、
または糖脂質上のルイス糖鎖を
特異的に認識する抗体の樹立と
その利用によって、開発中のTR
AIL 受容体分子標的薬の治療効
果の予測とその予測に基づいた
新たなガン治療戦略の開発が可
能となることが期待されます。

 また、TRAILはCAR-T療法など
のガン免疫療法の治療効果を規
定する因子であるということも
分かっています。そのため、「
今回の発見は、新たなガン免疫
療法の治療効果予測法や治療戦
略の開発につながることが期待
される」と研究グループは述べ
ています。

 糖鎖研究から革新的な医療を

産み出すとことを説明している

動画です。

 

 

 

 



 両方の療法を比較検討する。
















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2】 電動ベッドの専用アプリ向け睡眠改善プログラム開発















 パラマウントベッドは2022年
9月1日、睡眠状態を把握し、角
度が自動で変化する電動ベッド
「Active Sleep BED」の専用ア
プリ向け「睡眠改善プログラム」
を開発したと発表しました。睡
眠状態からユーザーごとの睡眠
課題に合わせたアドバイスを提
示し、睡眠への意識を高め行動
変容を促すことで、健康管理を
支援します。

 Active Sleep BEDは、入眠時
と起床時の睡眠状態に合わせて
ベッドの角度が自動で変化し、
睡眠をサポートする電動ベッド
です。専用アプリでは、体動を
検知するセンサー「Active Sle
ep ANALYZER」 により呼吸や心
拍などから睡眠状態を把握し、
睡眠時間や寝つき時間などの睡
眠スコアが確認できます。

 今回開発した睡眠改善プログ
ラムでは、ユーザーの睡眠状態
から課題と行動変容を促すアド
バイスを提示し、プログラム実
施前後における睡眠に関する悩
みや睡眠スコアの変化を可視化
します。

 具体的には、プログラムの実
施前に、ユーザーが睡眠に関す
る悩みに回答しました。睡眠や
生活リズムの指標のうち、前週
のスコアが低かったものに対し
て改善アドバイスが提示されま
す。アドバイスには、入眠時の
角度調節などActive Sleep BED
の活用方法、カフェイン摂取や
排泄タイミングなど、睡眠に影
響を与える生活習慣の改善方法
などが含まれます。


 ユーザーは1週間で3回以上実
施できるアドバイス項目を選択
して実行します。改善アドバイ
スは週ごとに提示され、4週間
継続します。プログラム終了後
は、最初に回答した睡眠に関す
る悩みについて再度回答し、プ
ログラム実施前後の悩みや睡眠
スコアの変化がレポートとして
表示されます。

 Active Sleep BEDについて解

説している動画です。

 

 

 



 定時で退社することを提示さ
れる。          笑













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編集後記



 東邦大学が9月7日、腫瘍免疫
監視機構の一翼を担う分子TRAI
L(Tumor necrosis factor-rel
ated apoptosis-inducing liga
nd)によるガン細胞死を制御す
る糖鎖構造を発見し、その糖鎖
構造が、TRAIL 受容体が関わる
ガン治療の効果を予測する因子
となり得ることを示したと発表
したのは素晴らしい業績です。
今回の発見を、新たなガン免疫
療法の治療効果予測法や治療戦
略の開発に是非つなげて頂きた
いと思います。
 パラマウントベッドが2022年
9月1日、睡眠状態を把握し、角
度が自動で変化する電動ベッド
「Active Sleep BED」の専用ア
プリ向け「睡眠改善プログラム」
を開発したと発表したのは喜ば
しいことです。睡眠は一生の3
分の1を占める貴重な時間です。
睡眠改善が為されることで生産
性がアップし、実りある人生と
なることは間違いないでしょう。
また睡眠障害を抱える患者さん
にとっても朗報であることは、
言うまでもありません。

 勤勉な状態が常態化する。笑















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