診療マル秘裏話  号外Vol.2550 令和4年10月4日作成

作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨




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目次

1)CMK患者武漢熱ワクチン接種後TKI,S-IgG獲得の影響
2)アルツハイマー病患者由来iPS細胞から脳オルガノイド作成













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 医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に、新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 









 
1】 CMK患者武漢熱ワクチン接種後TKI,S-IgG獲得の影響











 東京医科大学は9月7日、前向
き観察研究を実施し、慢性骨髄
性白血病(CML) 患者さんにお
けるチロシンキナーゼ阻害薬(
TKI) が新型コロナウイルスワ
クチン(武漢熱ワクチン)接種
後の抗武漢熱スパイク蛋白抗体
(以下、S-IgG) 獲得に与える
影響を解析した結果を発表しま
した。この研究は、同大血液内
科学分野の後藤明彦主任教授、
片桐誠一朗助教を中心とした研
究グループによるものです。研
究成果は、「Vaccines」に掲載
されています。

 武漢熱が世界的に流行してい
る現在、武漢熱発症および重症
化予防のため武漢熱ワクチンが
広く普及してきています。しか
し、造血器腫瘍患者さんでは疾
患による影響、抗腫瘍薬や免疫
抑制薬の使用によりワクチンの
効果が低い可能性が懸念されて
います。CMLはTKIにより長期生
存が期待されますが、多くの患
者さんでは治療の継続が必要で
す。治療中のCML 患者さんに対
する武漢熱ワクチンの長期的な
効果はこれまで明らかになって
いませんでした。

 今回の研究では、東京医科大
学病院外来通院しTKI を継続も
しくは中止しているCML 患者と
健常者ボランティアを対象に2
回の武漢熱ワクチン(BNT162b2
ワクチン:ファイザー製)接種
前後のS-IgG 値の推移を解析し
ました。S-IgG 値は、BNT162b2
ワクチン接種前、2回目接種後
1~5週間後(T1)、約半年後(
T2)に測定しました。

 研究の結果、T1時点では健常
者、TKI継続例(CML-TKI)、TK
I中止例(CML-TFR)のいずれも
S-IgG抗体価の上昇が見られ,各
群の間で有意な差は認めません
でした。CML-TKI 群では投与さ
れているTKIの種類でS-IgG抗体
価上昇に有意差はありませんで
した。続いてT2時点では、全て
の群でT1時点と比較して有意に
S-IgG 抗体価が低下しました。
しかし3群間ではS-IgG抗体価に
有意差はありませんでした。

 今回の研究では、TKI 投与の
有無・種類に関わらず、CML 患
者さんでは2回のBNT162b2ワク
チン接種によるS-IgG 獲得およ
び維持は健常者と同等の効果が
得られていたことが示され、TK
I 治療中のCML 患者さんに対し
ても複数回の武漢熱ワクチン接
種が健常者と同等に有効である
ことが示唆されました。「この
結果は、コロナ禍におけるCML
患者の治療継続に大きく役立つ
と予想される」と研究グループ
は述べています。

 慢性骨髄性白血病のTKIにつ

いて解説している動画です。

 

 

 

 



 道東で同等に有効な条件の場
所を探す。        笑














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2】 アルツハイマー病患者由来iPS細胞から脳オルガノイド作成















 アルツハイマー病患者さんの
iPS細胞(人工多能性幹細胞)
を使い、病気を再現した「ミニ
チュア脳(脳オルガノイド)」
を作ることに成功したと、慶応
大の岡野栄之教授(生理学)ら
のチームが9日、発表しました。
治療薬の研究開発や、病態の解
明に役立つと期待されます。論
文が科学誌「セル・リポーツ・
メソッズ」に掲載されました。

 チームは、患者さんの皮膚の
細胞から作ったiPS細胞を神
経細胞に変化させ、培養液中に
浮遊させたまま成長させる特殊
な培養方法で、直径数ミリの球
状の脳オルガノイドを作製しま
した。

 培養から約120日後には、
アルツハイマー病患者さんの脳
で見られ、病気の原因と考えら
れている異常な蛋白質「アミロ
イド βベータ 」が蓄積した様
子が確認されたということです。
もう一つの原因とされる蛋白質
「タウ」は、タウをつくる遺伝
子を外部から入れて大量に作ら
れる状態にすると、患者さんの
脳と同様の異常な凝集を再現で
きました。

 井上治久・京都大iPS細胞
研究所教授(幹細胞医学)の話
「従来の培養細胞や動物を用い
た実験よりも、現実に近い条件
で研究できる可能性があり、病
態の解析がさらに進むことが期
待できる。安定的に病態を再現
できるかどうかが課題だ」

 脳オルガノイドについて解説

している動画です。

 

 

 

 



 懐石料理を解析する。  笑














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編集後記



 東京医科大学が9月7日、前向
き観察研究を実施し、慢性骨髄
性白血病(CML) 患者さんにお
けるチロシンキナーゼ阻害薬(
TKI) が新型コロナウイルスワ
クチン(武漢熱ワクチン)接種
後の抗武漢熱スパイク蛋白抗体
(以下、S-IgG) 獲得に与える
影響を解析した結果を発表した
のは、素晴らしい業績です。TK
I 治療中のCML 患者さんに対し
ても複数回の武漢熱ワクチン接
種が健常者と同等に有効である
ことが分かって白血病の治療が
ワクチン接種に影響を与えない
ことが示されました。白血病の
治療中だからと言ってワクチン
接種をためらうことはないとい
うことだと思います。
 アルツハイマー病患者のiP
S細胞(人工多能性幹細胞)を
使い、病気を再現した「ミニチ
ュア脳(脳オルガノイド)」を
作ることに成功したと、慶応大
の岡野栄之教授(生理学)らの
チームが9日、発表したのは素
晴らしい業績です。従来の培養
細胞や動物を用いた実験よりも、
現実に近い条件で研究できる可
能性があり、病態の解析がさら
に進むことが期待できるという
ことですから、このオルガノイ
ドを使っての治療薬開発にぜひ
結び付けて頂きたいと思います。
現在、アルツハイマー病の治療
は、進行を遅らせることで精一
杯ですから、画期的な新薬の登
場を期待したいと思います。

 際限なく病態を再現する。笑














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