診療マル秘裏話  号外Vol.2592 令和4年11月22日作成

作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨




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目次

1)DPP-4阻害薬の使用による,膵ガンリスクの上昇なし
2)ウイルス療法を推進する専門学会が日本で発足した












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 医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に、新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 









 
1】 DPP-4阻害薬の使用による,膵ガンリスクの上昇なし














 DPP-4 阻害薬が膵ガンの発症
リスクと関連するかについては
議論が分かれています。岐阜大
学大学院糖尿病・内分泌代謝内
科学/膠原病・免疫内科学の窪
田創大氏、教授の矢部大介氏ら
は、国内の医療ビッグデータを
用いて、DPP-4 阻害薬と他の経
口糖尿病薬の膵ガン発症リスク
を比較検討しました。その結果、
DPP-4 阻害薬で膵ガンリスク上
昇は認められなかったとJ Diab
etes Investig (2022年10月25
日オンライン版)に発表しまし
た。

 日本人を含む東アジア人はイ
ンスリン分泌不全による2型糖
尿病が多く、治療にはインスリ
ン分泌促進薬のスルホニル尿素
(SU)薬やグリニド薬が頻用さ
れてきました。2009年に低血糖
リスクの低いDPP-4 阻害薬が発
売されると、同薬の処方が拡大
しました。現在は、経口血糖降
下薬を使用する糖尿病患者さん
の6割以上に処方されています。

 DPP-4 阻害薬の安全性や有効
性については、治験および市販
後調査で十分に確認されていま
す。しかし、膵ガンの発症リス
ク上昇を示唆する動物実験の結
果も報告されています。

 膵ガンは、複数の遺伝子変異
が重なり段階的に発生するため、
最初の遺伝子変異から10年以上
を経て進行ガンに進展します。
特定の薬剤について膵ガンに対
する安全性を検証するには大規
模かつ長期的な検討が必要であ
るため、DPP-4 阻害薬の膵ガン
リスクは十分に検討されていま
せんでした。

 そこで窪田氏らは今回、国内
の医療ビッグデータJMDC Claim
Database (健康保険組合に所
属する加入者が医療機関を受診
した際に発行される全レセプト、
健康診断結果)を用いて、DPP-
4 阻害薬による膵ガン発症リス
クを他の経口糖尿病薬と比較検
討しました。

 対象は,2009年12月~19年6月
にDPP-4 阻害薬を新規に開始し
た6万1,430例(DPP-4 阻害薬群)
とDPP-4 阻害薬以外の経口血糖
降下薬を開始した8万3,304例(
他の血糖降下薬群)です。

 主要評価項目は、DPP-4 阻害
薬を含む経口血糖降下薬の使用
から膵ガン発症までの期間およ
び膵ガンによる入院までの期間
としました。追跡期間の中央値
は、DPP-4 阻害薬群が17カ月(
四分位範囲8~33カ月),他の血
糖降下薬群が14カ月(同7~28
カ月)でした。

 Kaplan-Meier解析の結果、膵
ガン発症までの期間はDPP-4 阻
害薬群と他の血糖降下薬群で有
意差がありませんでした(P=0
.7140、Log-rank検定)。膵ガン
による入院までの期間について
も同様に、両群間で有意差は認
められませんでした。(P=0.3
446、Log-rank検定)

 膵ガンのリスクとなりうる加
齢、性、膵疾患(膵管内乳頭粘
液性腫瘍、慢性膵炎、膵囊胞)、
多量飲酒を調整後の解析でも、
他の血糖降下薬群に対するDPP-
4 阻害薬群の膵ガン発症リスク、
膵ガンによる入院リスクの上昇
は認められませんでした(膵ガ
ン:ハザード比1.1、95%CI 0.8
~1.3、P=0.6518、膵ガンによ
る入院:同1.1、0.8~1.4、P=
0.6662)。血糖降下薬を2年以
上継続している集団の追加解析
においても、DPP-4 阻害薬の使
用による膵ガン発症リスクの上
昇は認められませんでした。

 以上から、窪田氏は「日本の
臨床で集積された医療ビッグデ
ータの解析から、DPP-4 阻害薬
の使用による膵ガンリスクの上
昇は認められなかった。この知
見は、経口糖尿病薬を処方され
ている患者の6割以上が服用し
ているDPP-4 阻害薬の安全性を
示す上で重要だ」と結論してい
ます。

 DPP-4阻害薬について解説し

ている動画です。

 

 

 

 

 町政を調整して、住みやすく
なった。         笑
















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2】 ウイルス療法を推進する専門学会が日本で発足した














 ウイルスを使ってガンを治療
する「ウイルス療法」を推進す
る専門学会がこのほど日本で発
足しました。2021年秋、国内初
の治療薬の販売が悪性度の高い
脳腫瘍向けで始まりました。あ
らゆるガンを対象に、新治療の
普及を目指します。

 新治療は遺伝子を改変したウ
イルスを活用します。患部に注
射で投与するとウイルスが増え
て周辺のガン細胞を破壊します。
ウイルスは正常な細胞では増え
ないよう設計しており、安全性
は高いとされています。

 発足したのは「日本ウイルス
療法学会」です。ウイルスを用
いた国内初の治療薬の販売が脳
腫瘍を対象に始まり、他にもさ
まざまなウイルス療法の臨床開
発が盛んに行われています。分
野を超えた情報交換が新療法の
発展と普及につながると期待し
ています。

 臨床開発を促進する体制や制
度改革の議論、提言のほか、新
技術の普及・啓発活動なども行
う方針です。会見した東京大学
医科学研究所の藤堂具紀教授は
「ウイルス療法は放射線治療、
化学療法に並ぶメジャーなガン
治療法になるだろう。欧米と互
角に戦うためにも、基盤技術や
臨床開発への国の支援が必要だ」
と指摘しました。

 ガンウイルス療法について解

説している動画です。

 

 

 



 農薬を低減する方法の提言を
行う。          笑













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編集後記


 岐阜大学大学院糖尿病・内分
泌代謝内科学/膠原病・免疫内
科学の窪田創大氏、教授の矢部
大介氏らは、国内の医療ビッグ
データを用いて、DPP-4 阻害薬
と他の経口糖尿病薬の膵ガン発
症リスクを比較検討し、その結
果、DPP-4 阻害薬で膵ガンリス
ク上昇は認められなかったとJ
Diabetes Investig (2022年10
月25日オンライン版)に発表し
たのは、素晴らしい業績です。
ただ、私個人の見解としては、
DPP-4 阻害薬より、インクレチ
ン作動薬の方が効く感触があり
ます。
 ウイルスを使ってガンを治療
する「ウイルス療法」を推進す
る専門学会がこのほど日本で発
足したのは、喜ばしいことです。
新治療は遺伝子を改変したウイ
ルスを活用し、患部に注射で投
与するとウイルスが増えて周辺
のガン細胞を破壊します。ウイ
ルスは正常な細胞では増えない
よう設計しており、安全性は高
いとされているので、安心して
患者さんに投与できる、特に、
繰り返して投与できるという点
が他の治療と全く異なると言え
ましょう。

 水深の測定を推進する。 笑















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