診療マル秘裏話  号外Vol.2593 令和4年11月23日作成

作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨




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目次

1)重い病の患者さんと医療系の学生をつなぐ活動
2)レトロゾールに肝線維化の進行を抑制する効果












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 医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に、新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 









 
1】 重い病の患者さんと医療系の学生をつなぐ活動














 富山大医学部医学科4年の西
岡龍一朗さん(31)がオンライ
ンを活用し、全国にいる末期ガ
ンや白血病など重い病の患者さ
んと、医療系の学生をつなぐ活
動に取り組んでいます。患者さ
んは闘病の苦しみや生活に関す
る悩みなどを相談でき、学生に
とっては患者に寄り添った対応
を学ぶ貴重な経験を得られます。
西岡さんは「架け橋」の役割に
やりがいを感じており、今後は
富山大を拠点に対面式の交流も
始めるつもりです。

 西岡さんは高校時代、志望す
る医学部の偏差値に届かず、医
師の道を一度諦めました。大学
卒業後に広告代理店に勤めまし
たが、医療に関わりたいとの思
いは消えませんでした。就職か
ら1年半後に退職して再受験し
ました。医学部合格を勝ち取り
ました。

 社会人時代、若いガン患者さ
んを支援するNPO 法人の活動に
携わっていました。この時に出
会った友人が2年前の2020年6月、
ガンでこの世を去りました。死
を目前にしていた友人は、医師
を目指す西岡さんに「患者との
信頼関係を大切にしてほしい」
と話していました。

 「教科書の知識だけではなく、
対話の中から学ぶことが大事」
と言っています。西岡さんは患
者さんと信頼関係を築く方法に
ついて考えを巡らせる中で、そ
う感じました。友人を亡くして
以来、ビデオ会議システム「Zo
om」を使い、月1回のペースで
交流会を開くようになりました。

 これまで参加した患者さんは
指定難病のクローン病や末期ガ
ン、白血病などを患う37人です。
告知を受けた時の気持ちや闘病
中に考えていたこと、治療後ど
のように社会復帰したかなどを
語ってくれました。毎回15人ほ
どの学生が約2時間にわたって
熱心に聴いています。

 ステージ3の胆管ガンを患っ
た福岡県久留米市の主婦、大橋
一美さん(51)は、この会で初
めて第三者に病気を打ち明けた
という。「自分のつらい経験が
誰かの役に立つと思うとうれし
かった。心が浄化されていく気
がした」と話しています。

 西岡さんは活動を通し「病院
の外での患者さんの生活や、病
以外で抱えている悩みを知るこ
とが信頼関係の構築につながる」
との思いを強くしました。「生
の声を聴くことで、患者さんや
地域に寄り添える医療者を増や
したい」とも言っています。

 活動内容は自身のホームペー
ジに掲載しており、今後は教員
の協力を得ながら地域に根ざし
て活動する予定です。対面での
語る会も順次開いていきます。

 このニュースのニュース動画

です。

 

 

 



 強力な協力関係にある。 笑
















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2】 レトロゾールに肝線維化の進行を抑制する効果














 新潟大学は10月28日、遺伝子
発現変化に基づくドラッグリポ
ジショニングの手法により、乳
ガン治療などに使用されている
レトロゾールに、肝線維化の進
行を抑制する効果があることを
マウスで明らかにしたと発表し
ました。この研究は、同大医学
部医学科総合診療学講座/大学
院医歯学総合研究科消化器内科
学分野の上村顕也特任教授、同
分野の酒井規裕特任助教、寺井
崇二教授、長崎大学病院薬剤部
の大山要教授、同大学生命医科
学域薬剤学分野の宮元敬天助教、
同実践薬学分野の中嶋幹郎教授
らの研究グループによるもので
す。研究成果は、「Journal of
Gastroenterology」に掲載され
ています。

 肝硬変は、慢性ウイルス性肝
炎、アルコール性肝疾患、非ア
ルコール性脂肪性肝疾患、自己
免疫性肝疾患などの原因により、
肝細胞が壊死・再生を繰り返す
過程で、肝線維化を生じること
で成立するといわれています。
肝硬変・肝線維化に対する決定
的な治療法はいまだ開発されて
おらず、新たな治療法の発見・
開発が望まれています。一方、
新規薬剤の開発には膨大な経費
が掛かるため、すでに使用され
ている既存薬の新しい効能を発
見し、他の疾患にも使用する創
薬戦略であるドラッグリポジシ
ョニングの研究が進んでいます。

 研究グループは、肝硬変の新
規治療法開発のために、このド
ラッグリポジショニングの手法
に着目しました。肝臓の多くが
ヒト肝細胞で構成されるヒト肝
細胞キメラマウスに、既存薬36
種類を投与した際の肝臓での遺
伝子発現変化を検討しました。
その結果、レトロゾールが線維
化関連遺伝子を強く抑制するこ
とを見出しました。そこで、レ
トロゾールを複数の濃度で肝臓
を構成しているヒト肝細胞、ヒ
ト肝星細胞に投与して、遺伝子
変化を検討しました。また、特
殊な食事、薬物投与による2種
類の肝線維化モデルマウスを対
象として、レトロゾールを投与
し、肝細胞内での遺伝子発現変
化、肝線維化進展抑制効果、な
どを検討しました。

 網羅的遺伝子変化解析の結果、
レトロゾールの投与後にCTGFな
ど線維化関与遺伝子群の発現が
大幅に低下することが判明しま
した。レトロゾールをヒト肝細
胞に投与した所、用量依存的に
線維化関連遺伝子の発現が低下
しました。

 肝線維化モデルマウスでも、
レトロゾール投与によりCTGFな
どの肝線維化関連遺伝子の発現
低下を認め、肝臓の組織や血液
マーカーの解析でも肝線維化の
進展抑制効果を認めました。そ
して、レトロゾールがHsd17b13
遺伝子などの発現を制御した結
果、レチノイン酸の代謝が変化
し線維化抑制効果が現れること
が示唆されました。

 今回の研究結果から、ドラッ
グリポジショニングの手法が肝
硬変の新規薬剤の開発に有用な
戦略であることが明らかとなり
ました。そして、肝硬変の病態
進行の抑制にレトロゾールが有
用である可能性が示唆されまし
た。研究グループは、有効な新
規治療薬の開発につながる可能
性があるとしたうえで、適切な
用量やレチノイン酸代謝調節の
詳細なメカニズムの解明を継続
する必要がある、と述べていま
す。

 レトロゾールについて解説し

ている動画です。

 

 

 



 容量と用量を要領でこなす。















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編集後記


 富山大医学部医学科4年の西
岡龍一朗さん(31)がオンライ
ンを活用し、全国にいる末期ガ
ンや白血病など重い病の患者さ
んと、医療系の学生をつなぐ活
動に取り組んでいるのは、素晴
らしい取り組みだと思います。
こうした交流があってこそ医師
になった時に患者さんを思いや
れることが自然とできるように
なるのだと思います。患者さん
にとっても医療知識が全くない
人に相談するわけではないので、
メリットがあると私は考えてい
ます。
 新潟大学が10月28日、遺伝子
発現変化に基づくドラッグリポ
ジショニングの手法により、乳
ガン治療などに使用されている
レトロゾールに、肝線維化の進
行を抑制する効果があることを
マウスで明らかにしたと発表し
たのは、素晴らしい業績です。
今回の研究結果から、ドラッグ
リポジショニングの手法が肝硬
変の新規薬剤の開発に有用な戦
略であることが明らかとなり、
治療法がないと言われた肝硬変
の患者さんに大きな福音となる
ことでしょう。

 心機一転新規薬剤の開発に乗
り出す。         笑
















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