診療マル秘裏話  Vol.801 平成31年4月17日作成

作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨




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目次
 
1)MCIからアルツハイマー病に進んだ人Ca濃度低いと判明
2)エーザイ抗体医薬アルツハイマー病新薬投入戦略に黄信号















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 医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に、新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 








  
1】 MCIからアルツハイマー病に進んだ人Ca濃度低いと判明













 認知症の一歩手前の軽度認知
障害から認知症の一つのアルツ
ハイマー病に進んだ人は、進ま
なかった人に比べて血液中のカ
ルシウム濃度が低かったとの研
究結果を、東京大講師の岩田淳
さんらが発表しました。


 2008~2014年に全国38施設で
実施した認知症研究のデータを
活用しました。軽度認知障害の
234人に行った血液検査の結
果と、3年以内にアルツハイマ
ー病に進んだ場合との関連を調
べました。

 その結果、カルシウム濃度が
一定基準に満たなかった109
人のうち、58.7%がアルツハイ
マー病へ進行しました。 一方、
基準以上の125人で進行した
のは45.6%にとどました。

 カルシウム濃度によって違い
が生じた詳しい理由は分かって
いません。ただ、カルシウムを
体内に吸収する働きがあり、記
憶力と関係があるとされるビタ
ミンDが、欠乏していることを
示している可能性が考えられる
ということです。

 認知症予防に効果があると言
われる適切な食事や運動は、カ
ルシウム濃度を高める働きもあ
ります。

軽度認知障害について解説して

いる動画です。

 

 

 

 



 九州で知識を吸収する。笑













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2】 エーザイ抗体医薬アルツハイマー病新薬投入戦略に黄信号















 エーザイが力を注ぐアルツハ
イマー病の新薬投入戦略に黄信
号がともりました。米バイオジ
ェンと進めていた抗体医薬「ア
デュカヌマブ」について有効性
を示せる可能性が低いとみて、
最終治験を中止すると3月21日
発表しました。エーザイは3つ
の新薬候補を後期治験に進め、
同疾患の原因とされる脳内の蛋
白質アミロイド・ベータ(Aβ)
が蓄積される複数の過程で新薬
を提供する戦略を立てていまし
たが、このうち1つが脱落しま
した。

 一方で22日には3つのうちの
1つ、抗体医薬「BAN2401」
の最終治験を始めたと公表しま
した。脳内のAβ凝集体が神経
細胞死を引き起こしアルツハイ
マーにつながっているというの
がAβ仮説です。治験を中止し
たアデュカヌマブは、蛋白質が
凝集しはじめ不溶性の凝集体に
なるまでの広いプロセスに働き
かけるのに対し、BAN2401は
凝集体になる前の可溶性の重合
体に選択的に作用します。

 アルツハイマー向け抗体医薬
の開発は米ファイザーやスイス・
ロシュなどがことごとく失敗し
てきました。こうしたなかでア
デュカヌマブは最終治験に進み
成功の期待度が高まっていまし
た。ところが外部監視委員会が
治験途中で解析し、認知機能・
認知症状の低下抑制という主要
評価を達成できないだろうと判
断しています。バイオジェンの
ミシェル・ヴォナッソスCEO
は、「神経疾患に関する知見の
進展の必要性を再認識した」と
悔しさをにじませました。

 エーザイが注力するもう一つ
の新薬候補「エレンベセスタッ
ト」はAβが生成されるのを抑
える低分子薬で、2021年に進行
中の最終治験の結果が判明しま
す。アデュカヌマブは計画して
いた20年の結果取得を待たずに
開発から脱落し、新薬投入計画
は1年程度遅れます。BAN24
01の最終治験の結果は2022年に
判明する見通しで、アデュカヌ
マブの治験中止が開発計画に「
影響することはない」(同社)
としています。

アデュカヌマブ中止によって、

エーザイの株がストップ安にな

ったというニュース動画です。

 

 

 

 



 可溶性の素材のマイクで歌謡
曲を歌う。笑














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編集後記



 認知症の一歩手前の軽度認知
障害から認知症の一つのアルツ
ハイマー病に進んだ人は、進ま
なかった人に比べて血液中のカ
ルシウム濃度が低かったとの研
究結果を発表したのは、素晴ら
しい業績です。しかし、カルシ
ウムが高いということと乳製品
を摂取することは、連関しよう
とする動きがあるようです。し
かし、乳製品は、腸の炎症を起
こしやすく、またカソモルフィ
ンを生成することから、健康に
害を及ぼす結果となることのリ
スクを背負うこととなることだ
けは、知っておいた方が、良さ
そうです。カルシウム濃度によ
って、この様な認知症か否かの
違いが生じた詳しい理由は分か
っていません。ただ、カルシウ
ムを体内に吸収する働きがあり、
記憶力と関係があるとされるビ
タミンDが、欠乏していること
を示している可能性が考えられ
るということは、興味深い知見
と言えましょう。
 エーザイが力を注ぐアルツハ
イマー病の新薬投入戦略に黄信
号がともりました。米バイオジ
ェンと進めていた抗体医薬「ア
デュカヌマブ」について有効性
を示せる可能性が低いとみて、
最終治験を中止すると発表した
のは、残念なことです。脳内の
Aβ凝集体が神経細胞死を引き
起こしアルツハイマーにつなが
っているというのがAβ仮説で
すが、Aβ自体が認知症のマー
カーとしては不適切と考えられ
ていることがあります。 即ち、
不適切なマーカーを使用してい
ると、Aβ自体は退縮しても、
ヒトの臨床試験第3相では認知
能力の主要評価項目が達成でき
ないということが生じる可能性
が高いのです。適切なマーカー
としては、タウ蛋白が浮上して
きています。それ以外にもある
かもしれません。そうした基本
的な所で躓かないようにして頂
きたいものです。
 
 氷菓の味を評価する。笑


















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