診療マル秘裏話  Vol.843 令和2年2月5日作成

作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨




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目次
 
1)効果や副作用の有無等を人工知能(AI)が予測
2)40歳未満で無月経の早発卵巣不全(早期閉経)














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 医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に、新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 









 
1】 効果や副作用の有無等を人工知能(AI)が予測











 薬の候補物質をマウスに投与
した時の遺伝子の発現パターン
から、人間の病気への効果や副
作用の有無などを人工知能(AI)
が予測するシステムを、バイオ
ベンチャーなどが開発しました。
創薬コストの削減につながる可
能性があるほか、既存の薬の新
たな使いみちを見つけるのにも
役立ちそうです。


 開発したのは、バイオベンチ
ャー「Karydo Ther
apeutiX」(カリウド、
東京都千代田区)や国際電気通
信基礎技術研究所(ATR、京
都府精華町)などの研究チーム
です。

 研究チームは、流通している
15種の医薬品をマウスに投与し、
24の臓器で遺伝子の発現パター
ンを調べました。それらと、そ
れぞれの医薬品で報告されてい
る人間での副作用や効き目を、
性別や年齢層ごとにひもづけて
AIに学習させました。

 このシステムの精度を検証す
るため、効果や副作用の有無な
どが分かっている様々な医薬品
について、遺伝子発現のデータ
を入力しました。その結果、そ
れぞれの医薬品に対して効果や
副作用が正しく示されました。

 このシステムを使えば、薬の
候補物質について、5519項目の
副作用・有害事象と、1万1千
以上の病気への効果を予測でき
るということです。

 医薬品の開発では、動物実験
で候補物質の安全性や効果を確
認し、有用な物質が見つかれば
人間での臨床試験に進みます。
しかし、臨床試験で効果が期待
したほど得られなかったり、副
作用が出たりして、医薬品とし
て承認を得られないことも多い
とされています。動物実験の段
階で候補物質を選別できれば、
創薬コストの削減につながりま
す。

 カリウドの佐藤匠徳代表は「
臨床試験の前に確度の高い薬を
当てたり、既存の薬の新しい使
いみちを予想したりすることに
使える」と話しています。既に
国内の複数の製薬企業などが導
入したということです。

創薬にAIを使うことについて、

解説している動画です。

 

 

 



 確度の高い薬を違う角度から
眺める。














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2】 40歳未満で無月経の早発卵巣不全(早期閉経)












 女性は50歳前後になると、卵
巣機能が低下、女性ホルモンが
急激に減少して閉経します。た
だ、中には40歳未満で無月経に
なる人がおり、その状態を「早
発卵巣不全(早期閉経)」とい
います。妊娠が極めて難しくな
るだけでなく、将来的に骨粗鬆
症や心臓病などを発症しやすく
なります。東京歯科大学市川総
合病院(千葉県市川市)産婦人
科の小川真里子医長に話を聞き
ました。女性ホルモンであるエ
ストロゲンは、脳の視床下部か
ら下垂体を経て、卵巣へとホル
モンの刺激が伝わることで分泌
され、排卵や月経を起こします。
思春期から分泌量が増え、閉経
前後の更年期になると急激に減
少します。

 「早発卵巣不全は、40歳未満
で6カ月から1年間、月経のな
い状態が続くことを言います。
下垂体から卵胞の成長とエスト
ロゲンの分泌を促す卵胞刺激ホ
ルモンが分泌されていても、卵
巣機能が低下して卵胞が成長せ
ず、エストロゲンが分泌されま
せん」と小川医長は言っていま
す。

 早発卵巣不全は、遺伝的要素
や自己免疫疾患が関係している
人もいますが、多くは原因不明
です。発症頻度は40歳未満で約
1%、30歳未満で約0.1%、無月
経の人の5~10%といわれてい
ます。エストロゲンには、骨形
成を促進し骨吸収を抑制する、
血管の柔軟性を維持する、血圧
上昇を抑えるなどの作用があり
ます。早発卵巣不全になると、
30代から更年期障害だけでなく、
骨粗鬆症、脂質異常症や心臓病
などが起きやすくなります。妊
娠希望の有無にかかわらず、早
期に治療を開始することが大切
です。

 「治療としては、平均的な閉
経年齢である50歳くらいまで女
性ホルモンの補充療法を行いま
す。まれに突発的な排卵の可能
性があるため、妊娠を希望しな
い人には低用量ピルを使うこと
もあります」と小川医長は言っ
ています。

 早発卵巣不全になると妊娠は
極めて難しくなり、自然に妊娠
する確率は4.4%にとどまります。
妊娠を希望する場合は、ホルモ
ンを補充して排卵を促す治療が
行われますが、近年、卵巣内に
残存する卵胞を体外で人為的に
活性化させる「原始卵胞体外活
性化療法」という治療法が開発
され、新しい不妊治療法として
期待されています。

 早発卵巣不全は、発症しても
受診に至らない例が多いとみら
れています。小川医長は「将来
の病気のリスクに備えるために
も、45歳以下で閉経した場合は
産婦人科医に相談しましょう」
とアドバイスしています。

早発閉経の兆候と症状について

解説している動画です。

 

 

 



 不妊治療のため、赴任先から
帰郷する。        笑













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編集後記


 薬の候補物質をマウスに投与
した時の遺伝子の発現パターン
から、人間の病気への効果や副
作用の有無などを人工知能(AI)
が予測するシステムを、バイオ
ベンチャーなどが開発したのは
素晴らしい試みです。臨床試験
では、このような予測なしに、
患者さんに投与されていますが、
病気への効果や副作用の有無な
どが事前に分かれば、効かない
人や副作用が出やすい人に投与
するリスクが格段に減るものと
予想されます。無駄を省くとい
う、合理的な判断を一部AIに任
せるのは、非常に良いことだと
私は、感じました。
 女性は50歳前後になると、卵
巣機能が低下、女性ホルモンが
急激に減少して閉経します。た
だ、中には40歳未満で無月経に
なる人がおり、その状態を「早
発卵巣不全(早期閉経)」とい
うのは、聞いたことがありまし
た。それは、老化が促進された
だけ、と当時は感じていました
が、ことはそう簡単ではない様
です。近年、卵巣内に残存する
卵胞を体外で人為的に活性化さ
せる「原始卵胞体外活性化療法」
という治療法が開発され、新し
い不妊治療法として期待されて
いるのは素晴らしいことです。

 廊下で老化の話をする。笑














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