診療マル秘裏話  Vol.850 令和2年3月25日作成

作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨




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目次
 
1)食物繊維多く摂取する人は死亡リスク約2割下がる
2)先天性心疾患患者由来の心筋細胞は異常認める















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 医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に、新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 









 
1】 食物繊維多く摂取する人は死亡リスク約2割下がる











 食物繊維を多くとっている人
はそうでない人に比べて、死亡
のリスクが約2割下がる。そん
な調査結果を、国立がん研究セ
ンターの研究チームがまとめま
した。豆類や野菜などに含まれ
る食物繊維は、コレステロール
や血圧を下げたり、炎症を抑え
たりする効果があるとされてい
ます。

 チームは、45~74歳の日本人
の男女約9万人に食事調査に協
力してもらい、1995年以降、平
均16.8年間追跡しました。どの
食品をどれくらいの頻度で食べ
ているかなどを答えてもらい、
食物繊維の摂取量を推計しまし
た。1日の量で五つのグループ
にわけて比べました。

 年齢や喫煙、糖尿病などの影
響を除いて分析すると、摂取量
が最も少ないグループより10グ
ラムほど多くとっている、最も
多いグループでは、男性は23%
死亡リスクが減少しました。女
性は18%減少していました。食
物繊維を10グラムとるには、ゆ
で大豆なら120 グラム、ゆでキ
ャベツなら500 グラムが目安と
いうことです。

 どの食べ物からとっているか
調べると、大豆などの豆類、キ
ャベツなどの野菜類、ミカンな
どの果物類からの摂取量が多い
人ほど死亡リスクが減少してい
ました。一方、穀類からの摂取
量は死亡リスクに明らかな影響
はみられませんでした。主食に
精白米やうどんが多く、穀類か
ら食物繊維をとる量が少ないこ
とが考えられるということです。
日本人の食事摂取基準によると、
食物繊維の摂取目標は成人男性
は1日20グラム以上、女性は17
グラム以上です。だが実際の摂
取量は男女とも約11~16グラム
と大きく下回っています。

 国立がん研究センターの後藤
温(あつし)・代謝疫学研究室
長は「食物繊維をとるとコレス
テロールや血圧が下がり、炎症
を抑えるなどの働きがあると言
われている。これらの健康への
メリットが複合的に働いて死亡
リスクが下がったのではないか。
摂取の目標量に近づけていくこ
とが大事」と話しています。

 研究成果は、アメリカン・ジ
ャーナル・オブ・クリニカル・
ニュートリション(https://do
i.org/10.1093/ajcn/nqaa002別
ウインドウで開きます)に掲載
されました。

このニュースのニュース動画で

す。

 

 

 

 



 酒食に溺れた人が主食に精製
された炭水化物を摂る。  笑













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2】 先天性心疾患患者由来の心筋細胞は異常認める











 京都府立医科大学は2月26日、
先天性心疾患患者より作出した
ヒト人工多能性幹細胞(iPS 細
胞)を用いて、これらのiPS 細
胞由来の心筋細胞において遺伝
子発現プロファイルに異常がみ
られることを明らかにしたと発
表しました。この研究は、同大
大学院医学研究科循環器内科学
の木谷友哉病院助教らの日米国
際共同研究グループによるもの
です。研究成果は、「サーキュ
レーションリサーチ」オンライ
ン速報版に掲載されています。
先天性心疾患は、出生時におい
て認められる最も多い形態異常
であり、医学的な進歩にも関わ
らず、現在でも罹患者の長期の
生存率や健康状態に大きな影響
を及ぼしています。先天性心疾
患では原因や病気の状態が個々
人で大きく異なっており、また
動物を用いた研究では人間での
疾患の状態を正確に再現するこ
とが困難であることから、その
メカニズムには不明な点が多く
残されています。これまでの同
研究グループの成果を含め、ヒ
トiPS 細胞を用いることで、人
間の心臓疾患における状態をよ
り正確に再現・反映することが
可能であると分かっています。
iPS 細胞を用いた先天性心疾患
の研究はこれまでにも報告され
ていますが、研究に使用された
疾患・iPS 細胞株が限定されて
いることもあり、iPS 細胞を用
いた先天性心疾患の研究の有用
性は未だ確立されていません。
今回、研究グループは、先天性
心疾患における心筋細胞の状態
を明らかにするために、10人の
先天性心疾患患者(ファロー四
徴症5人、単心室症5人)、およ
び5人の健常者よりiPS細胞を樹
立しました。各々のiPS 細胞か
ら心筋細胞を作製したところ、
すべてのiPS 細胞から効率的に
心筋細胞を得ることに成功しま
した。そこでこれらの心筋細胞
を用いて全RNA シークエンス解
析を行ったところ、患者さん由
来の心筋細胞では発生・細胞分
化にかかわる遺伝子発現パター
ンが健常者由来の心筋細胞と比
べて異なっていることが明らか
になりました。また得られた遺
伝子発現パターンを解析したと
ころ、この異常発現の原因とな
っている可能性のある転写因子
の候補が判明しました。

治療法の進歩により先天性心疾
患患者の多くは成人期を迎える
ことができるようになっていま
すが、依然として心臓に問題を
抱えている場合も少なくありま
せん。研究グループは、「今回
の研究で示された、iPS 細胞を
用いた先天性心疾患の研究の有
用性を踏まえ、新たな治療法開
発へとつながる分子メカニズム
の解明が期待される」と、述べ
ています。

先天性心疾患の最新治療につい

て解説している動画です。

 

 

 

 

 



 以前の研究から依然として、
進歩が認められない。   笑














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編集後記


 食物繊維を多くとっている人
はそうでない人に比べて、死亡
のリスクが約2割下がる。そん
な調査結果を、国立がん研究セ
ンターの研究チームがまとめた
のは素晴らしい業績です。豆類
や野菜などに含まれる食物繊維
は、コレステロールや血圧を下
げたり、炎症を抑えたりする効
果があるとされていて生活習慣
病の発生を抑制する効果が示唆
されます。どの食べ物からとっ
ているか調べると、大豆などの
豆類、キャベツなどの野菜類、
ミカンなどの果物類からの摂取
量が多い人ほど死亡リスクが減
少していて、その一方で、穀類
からの摂取量は死亡リスクに明
らかな影響はみられなかったと
言うことですから、死亡リスク
が下がった食物からの食物繊維
の摂取を増大させるよう食生活
の見直しを大々的に行う必要が
あるようです。
 京都府立医科大学が2月26日、
先天性心疾患患者より作出した
ヒト人工多能性幹細胞(iPS 細
胞)を用いて、これらのiPS 細
胞由来の心筋細胞において遺伝
子発現プロファイルに異常がみ
られることを明らかにしたと発
表したのは素晴らしい業績です。
先天性心疾患は、出生時におい
て認められる最も多い形態異常
であり、医学的な進歩にも関わ
らず、現在でも罹患者の長期の
生存率や健康状態に大きな影響
を及ぼしていることが知られて
います。先天性心疾患では原因
や病気の状態が個々人で大きく
異なっており、また動物を用い
た研究では人間での疾患の状態
を正確に再現することが困難で
あることから、そのメカニズム
には不明な点が多く残されてい
ます。今回の研究で示された、
iPS 細胞を用いた先天性心疾患
の研究の有用性を踏まえ、新た
な治療法開発へとつながる分子
メカニズムの解明に期待したい
と切に願う次第です。

 疾患の状態を際限なく正確に
再現する。        笑
















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