診療マル秘裏話  Vol.874 令和2年9月9日作成

作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨




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目次
 
1)ADC(抗体薬物複合体)を,二種類併用する治験
2)ネット依存とオンライン危険行動における新知見を発表
















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 医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に、新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 









 
1】 ADC(抗体薬物複合体)を,二種類併用する治験












 第一三共は、自社のADC(
抗体薬物複合体)技術で創製し
た抗がん剤「U3-1402」
と、英アストラゼネカ(AZ)
の同「タグリッソ」を併用する
臨床試験の実施に向けて提携し
たと発表しました。第一三共が
優先的に開発しているADCの
一つです。日米欧などで、特定
の肺ガン患者さんに対する臨床
試験を行います。第一三共のA
DC開発でAZと組むのは3剤
目になります。

 EGFR遺伝子変異がある進
行・転移性の非小細胞肺ガンを
対象として、U3-1402、
タグリッソを併用する第1相臨
床試験を行います。試験の前半
で最適な投与量を検討し、後半
では推奨用量による有効性、安
全性を検証します。日本を含む
アジア、北米、欧州で最大25
8例を登録する予定です。今年
度下期に始めます。

 U3-1402は、第一三共
の独子会社で創製された抗体H
ER3抗体と化学療法剤を組み
合わせたADC製剤です。同社
が開発を最優先するADC3剤
の一つで、肺ガンや乳ガンの治
療薬として開発を進めています。
これまでの研究で、EGFR阻
害剤と併用すると抗腫瘍効果が
さらに高まる可能性が分かって
います。

 タグリッソは、EGFRチロ
シンキナーゼ阻害薬に分類され
る抗ガン剤で、EGFR変異の
非小細胞肺ガンに対する治療薬
として販売されています。


 一般的なADC は、ガン新生血
管からenhancedpermeability a
nd retention(EPR) 効果によ
り漏れ出た後、細胞表面の抗原
に結合します。低分子化合物の
強い殺細胞効果は、抗体に結合
している間は抑えられています。
ADC が細胞内にインターナリゼ
ーションし、低分子化合物がリ
ソソームなどの代謝系において
活性をもつ形で放出され、ガン
細胞を殺傷します。

抗体医薬について解説している

動画です。

 

 

 

 



 水晶を占い師が推奨する。笑














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2】 ネット依存とオンライン危険行動における新知見を発表













 富山大学は8月11日、富山県
内の小学生を対象にインターネ
ット(以下、ネット)利用につ
いて調査し、ネット依存とオン
ライン危険行動における新たな
知見について発表しました。こ
れは、同大地域連携推進機構地
域医療保健支援部門の山田正明
助教、関根道和教授らの研究グ
ループによるものです。研究成
果は、「Journal of Epidemiol
ogy 」に掲載されています。今
回の研究は、富山県教育委員会
が実施した「とやま安心ネット・
ワークショップ事業」の一環と
して2018年7~9月に富山県内の
小学4~6年生13,092人を対象と
して行った調査を分析したもの
です。全体の回収率は94.2%、
最終分析数は12,130人(90.4%)
でした。ネットの利用時間やYo
ungによるネット依存尺度(YDQ)
に加え、課金や動画投稿、人間
関係のトラブル、知らない人と
会った経験など、オンライン上
の危険行動を調査しました。そ
の結果、ネット依存は全体で4.
2%(男子5.2%、女子3.2%)。
危険行動については課金の経験
が21.6%(男子31.3%、女子11
.5%)、動画投稿は6.6%(男子
6.6%、女子6.6%)、けんかな
どの人間関係のトラブルは5.2%
(男子7.0%、女子3.1%)、ネ
ット上で知り合った知らない人
と会った経験は2.4%(男子3.5
%、女子1.4%)でした。ネット
での課金は、小学生(特に男子)
でも一般的な行動となっている
可能性があります。また、危険
行動の割合から、40人学級の場
合、ネット依存の状態である児
童は平均で2人程度、知らない
人と会った経験のある児童は1
人程度存在することになります。

次に、平日のネット利用時間と
のネット依存、危険行動との関
係を調査しました。ネット依存
は、利用時間が4時間未満の群
に比べて、4時間以上の群で17.
6%と非常に高率でした。危険行
動では、課金や動画投稿、人間
関係のトラブルは2時間以上の
群で高率でした。このことから、
ネット依存の予防には利用時間
を2~3時間未満にすること、危
険行動の予防は、利用時間だけ
ではなく、使用方法に関する啓
発が重要だと言えます。最後に、
ネット依存と生活習慣、家庭環
境との関連について、ポワソン
回帰分析を用いた分析を行いま
した。これにより有病割合比(
PR)を算出し、高い値(割合比)
は強い関連を意味します。分析
の結果、ネット依存に対しては、
ネット利用時間と運動不足、遅
い就寝時間といった児童自身の
生活習慣と強い関連を示しまし
たが、それらの要因を調整して
も、「現実社会で友人がいない」
「家庭でのルールがない」「親
子の会話がない」といった項目
も関連を示しました。言い換え
ると、親が家庭でルールを作る、
親子の会話を増やす、子どもが
友人を作れるような環境(習い
ものや親子で参加する講座など)
をつくることが、ネット依存へ
の予防法だと考えられるという
ことです。

今回、小学生においてもネット
依存や危険行動は稀ではないこ
とが分かりました。「コロナ禍
の影響もあり、ネットは欠かせ
ないものとなっているが、今一
度、家庭内で使用時間や使用方
法について、子どもと話し合う
必要がある」と、研究グループ
は述べています。

 ネット依存に歯止めをかける
ことに異存はない。    笑














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編集後記




 第一三共が、自社のADC(
抗体薬物複合体)技術で創製し
た抗がん剤「U3-1402」
と、英アストラゼネカ(AZ)
の同「タグリッソ」を併用する
臨床試験の実施に向けて提携し
たと発表したのは喜ばしいこと
です。ドラッグデリバリーシス
テムを使うことで、ガン細胞に
だけ、薬剤が到達し、抗体がつ
いている間は、ADCが低分子
の抗ガン剤を放出しないように
設計されているなど非常に工夫
のある治療法だと思います。そ
の工夫のある治療法であるAD
Cを贅沢にも2種類作用機序が
違うものを使って治療しようと
いうのですから、良い結果がで
るのは、時間の問題かも知れま
せん。ただADCと言えども、
副作用や相互作用を軽視しては
ならないと思います。その点を
踏まえさえすれば、将来有望な
治療となることは確実でしょう。
 富山大学が8月11日、富山県
内の小学生を対象にインターネ
ット(以下、ネット)利用につ
いて調査し、ネット依存とオン
ライン危険行動における新たな
知見について発表したのは素晴
らしいことです。インターネッ
トは、その匿名性ゆえに実際に
会って取引するのとは違う危険
が待ち受けている気がします。
例えば、ゲームの課金について
刺激的な言葉や雰囲気で、課金
しようとしていることが多い様
に思います。ネット依存になっ
てしまうと、ゲームなどから離
れる時間を最小限にして、つま
らない目標を達成しようとあく
せくする傾向が強くなると思い
ます。今一度、家庭内で使用時
間や使用方法について、子ども
と話し合うことが必要かつ不可
欠と考えられます。

 蛍光ペンを携行する傾向が、
ある。          笑















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