診療マル秘裏話  Vol.875 令和2年9月16日作成

作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨




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目次
 
1)腎細胞ガンの新たなPET診断薬の治験を開始
2)間葉系幹細胞由来腎臓組織を,腎不全ラットに移植
















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 医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に、新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 









 
1】 腎細胞ガンの新たなPET診断薬の治験を開始












 豪製薬テリックス・ファーマ
シューティカルズは日本で、腎
細胞ガンの新たなPET診断薬
の治験を始めました。フッ素と
ブドウ糖を用いる既存のPET
診断薬は半減期が約2時間と短
いのに対し、ジルコニウムを用
いる新薬は約3日と長く、製造
や供給の利便性に優れています。
治験薬の製造はJFEエンジニ
アリングが協力しており、テリ
ックスは2021年をめどにグロー
バル治験に日本開発を組み込み、
実用化を目指しています。

 第1/2相臨床試験を始めた
「TLX250-CDx」は、
腎細胞ガンに結合する抗体ギレ
ンツキシマブに放射性核種ジル
コニウム89で標識したPET診
断薬です。同試験では患者さん
約40人を対象に安全性を検証し、
感度と特異性については組織を
採取して診断する既存技術と比
較して評価します。

 ジルコニウムを用いたPET
診断薬の治験は国内初です。商
業展開では住友化学とGEヘル
スケアの合弁会社、日本メジフ
ィジックスと連携する方向で検
討しています。

 テリックスは同じ抗体にアル
ファ線を放つ放射線核種アクチ
ニウム225を結合した腎ガン
治療薬の開発も計画しています。
アルファ線は周辺にある細胞1
~2個にのみ影響する特性があ
り、抗体に運ばせて局所でガン
細胞を攻撃可能です。診断と治
療を融合した医療技術「セラノ
スティクス」の実現を目指しま
す。

PET検査について解説している

動画です。

 

 

 

 



 経済特性を考えない徳政令を
乱発する。        笑















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2】 間葉系幹細胞由来腎臓組織を,腎不全ラットに移植














 京都大学のチームが、さまざ
まな組織になれるヒトの幹細胞
から腎臓の組織を作り、腎不全
のラットに移植したところ、腎
機能が回復したと、米科学誌「
BBRC」(https://doi.org/10.1
016/j.bbrc.2020.07.056別ウイ
ンドウで開きます)に発表しま
した。生体内で機能する腎臓組
織の作製に成功したのは世界で
も例がないということです。チ
ームは今後、腎臓の再生医療と
して実用化をめざします。

 京大ウイルス・再生医科学研
究所の町口敏彦・元リサーチフ
ェローらは、ヒトの「間葉系幹
細胞」という細胞を、少量のジ
ェルと培養することで、立体的
な腎臓の組織を作りました。

 薬剤でわざと腎不全を起こさ
せたラット5匹に、それぞれ2
億個余りの腎臓組織の細胞を注
射して移植し、移植しないラッ
ト5匹と腎機能の変化を比べま
した。すると、移植しなかった
ラットは、腎機能の悪化を示す
血清クレアチニン値が上昇し、
10週間前後で死にました。一方、
移植したラットは移植から7週
間後に値の上昇が止まり、14週
間以上、生存しました。体内で
正常な腎臓の組織ができている
ことも確認しました。

 町口さんは「間葉系幹細胞は
患者自身から採取でき、移植も
繰り返しできる。2、3年後の応
用をめざしたい」と話していま
す。 日本透析医学会によると、
慢性腎臓病などで透析を受ける
国内の患者数は2018年末時点で
約34万人で、年々増えています。
失われた腎機能は回復せず、患
者さんは臓器移植を受けない限
り、生涯、透析を続けなければ
ならず、腎臓の再生医療の実用
化が期待されています。

腎臓病を治る病気にするという

京都大学の教授の動画です。

 

 

 

 



 異色の移植の実験を行う。笑















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編集後記




 豪製薬テリックス・ファーマ
シューティカルズが日本で、腎
細胞ガンの新たなPET診断薬
の治験を始めたのは、喜ばしい
ことです。既存のPET診断薬
は半減期が約2時間と短いのに
対し、ジルコニウムを用いる新
薬は約3日と長く、製造や供給
の利便性に優れているという事
ですから、その利点を生かした
新薬が誕生することを心待ちに
したいと思います。テリックス
は同じ抗体にアルファ線を放つ
放射線核種アクチニウム225
を結合した腎ガン治療薬の開発
も計画しています。アルファ線
は周辺にある細胞1~2個にの
み影響する特性があり、抗体に
運ばせて局所でガン細胞を攻撃
可能ということです。診断と治
療を融合した医療技術「セラノ
スティクス」の実現を目指すと
言うのは壮大なロマンあふれる
構想であると感じました。
 京都大学のチームが、さまざ
まな組織になれるヒトの幹細胞
から腎臓の組織を作り、腎不全
のラットに移植したところ、腎
機能が回復したと、米科学誌「
BBRC」(https://doi.org/10.1
016/j.bbrc.2020.07.056別ウイ
ンドウで開きます)に発表した
のは、偉大な業績です。しかし、
動物実験でうまく言ったからと
言って人間で成功するとは限り
ません。そのため、霊長類の猿
などの人間に近い生物での結果
が出せると良いと思います。腎
不全の患者さんは、増加の一途
をたどり、特に、糖尿病性腎症
からの腎不全が増えていると聞
きます。生活習慣を改めて糖尿
病のコントロールを良くすると
ともに、腎臓の再生医療が進む
ことで、透析患者さんが、これ
以上増加しないように長期的な
対策を立てるべき時期にあると
考えています。

 週刊誌が生活習慣の改善につ
いて言及する。      笑














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