診療マル秘裏話  Vol.930 令和3年10月6日作成

作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨




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目次
 
1)早期発見が困難な膵ガン患者の尿に線虫が反応
2)バイオレット光照射する眼鏡で,認知機能の臨床研究














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 医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に、新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 









 
1】 早期発見が困難な膵ガン患者の尿に線虫が反応














 線虫はにおいに対する感受性
が高く、ヒトの尿中でガン特有
のにおいを感知するとそこへ移
動する誘引行動を見せ、健康人
の尿には忌避行動を示すこと(
走性行動)が知られています。
大阪大学大学院最先端医療イノ
ベーションセンターの浅井歩氏
らの研究グループは、早期発見
が困難な膵ガン患者さんの尿に
対しても、線虫が同様の行動を
示すことを多施設共同試験で明
らかにしたと、Oncotarget(20
21; 12: 1687-1696) に報告し
ました。

 膵ガンの5年生存率は9%にと
どまり(CA Cancer J Clin 202
0; 70: 7-30),患者さんの大半
は手術不能で、手術例でも生存
期間の中央値は17〜23カ月と報
告されています(Lancet 2011;
378: 607-620)。一方で、国際
対ガン連合(UICC)分類病期で
0期の患者さんに限れば5年生
存率は85%に達します(Pancre
as 2012; 41: 985-992)。予後
改善には早期発見が不可欠です
が、画像診断による検出は困難
であり、既存の腫瘍マーカーの
陽性率も十分ではありませんで
した。

 そこで研究グループは、まず
2015年10月~19年6月に登録し
た0~4期の膵ガン患者さん83
例を対象に非盲検試験を実施し、
術前後の尿を用いて線虫(C. e
legans)ににおいを検知させま
した。 すると0~IA期の患者さ
んでは、術後に比べ術前に有意
に走性が高かった(10倍希釈:
P<0.001、100倍希釈:P<0.00
1)。

 次に0~IA期の11例と健康人1
7 例を対象とした盲検試験を実
施しました。C. elegansが尿に
より早期膵ガンを検知できるか
検討しました。その結果、膵ガ
ン患者さんの術前の尿に対する
C. elegansの走性は術後の尿に
比べて有意に高く〔10倍希釈:
P<0.001,受信者動作特性曲線下
面積(AUC)0.845、100倍希釈:
P<0.001、同0.820〕、健康人の
尿との比較でも同様の傾向が見
られました(10倍希釈:P=0.03
4、100倍希釈:P=0.088)。

 研究グループは「線虫を用い
た膵ガン検査の精度は、従来の
標準的な腫瘍マーカーより優れ
ていると統計学的に示された」
とし、今後の検討による膵ガン
の早期診断法への応用に期待を
示しています。

このニュースのニュース動画で

す。

 

 

 



 検知可能という見地に立って
議論を行う。















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2】 バイオレット光照射する眼鏡で,認知機能の臨床研究















 慶應義塾大学は9月8日、健康
な人を対象に40Hzガンマ周波数
帯域のバイオレット光を照射す
る眼鏡を用いた臨床研究を行い、
同光刺激は40Hzの白色対照光と
比べ、認知機能に関わる可能性
のある脳波変化を引き起こすこ
とを世界で初めて示したと発表
しました。この研究は、同大医
学部精神・神経科学教室の野田
賀大特任准教授を中心とした研
究グループによるものです。研
究成果は、「Journal of Perso
nalized Medicine」に掲載され
ています。

 近年、光生物学的なニューロ
モジュレーションとその臨床応
用が研究されてきています。ヒ
トの視覚情報処理において、脳
内の視覚系のアルファ振動と認
知機能に関わるガンマ振動の機
能的結合は重要な役割を果たし
ていると考えられていますが、
外部からのガンマ周波数帯のバ
イオレット光の刺激がヒトの脳
波に与える影響を実際に調べた
研究はこれまでありませんでし
た。

 研究グループは今回、40Hzの
ガンマ周波数帯のバイオレット
光刺激が、ヒトの脳波活動に及
ぼす特異的な影響を同条件の対
照白色光と比較検証することで
評価することを目的として研究
を行いました。

 健常被験者を対象としたバイ
オレット光による臨床研究で、
認知機能の改善と関連する可能
性のある脳波のニューロモジュ
レーションを世界で初めて実証
しました。具体的には、40Hzの
バイオレット光視覚刺激によっ
て、光刺激中には左前頭部にお
けるアルファ位相およびガンマ
振幅の有意なカップリング増強
が起こり、光刺激直後には右中
心部における同カップリング増
強が引き起こされることが示さ
れました。

 脳の中では、脳波のシータリ
ズムやアルファリズムなどの比
較的ゆっくりとした脳波リズム
の位相とガンマリズムなどの早
い脳波リズムの振幅が生理学的
に適切なタイミングで組み合わ
されることで、効率的な情報処
理がなされることが知られてい
ます。特にヒトを対象とした研
究では、その位相・振幅カップ
リングの増強が認知機能のパフ
ォーマンスと関連していること
が報告されています。

 さらに、健常被験者に対する
40Hzバイオレット光の短期的照
射は眼をはじめとした身体に対
して、明らかな有害事象をもた
らさないことを確認しました。

 「今後は軽症のうつ病患者を
対象に、同40Hzバイオレット光
照射を行う特定臨床研究を実施
することで、うつ症状や認知機
能に対する効果の検証と、それ
らに関連した生物学的治療メカ
ニズムの解明を目指していく予
定だ」と研究グループは述べて
います。

バイオレットライトのメガネで

近視を治療しようとするメーカ

ーの動画です。

 

 

 

 



 瀟洒な家でバイオレット光の
照射を行った。      笑















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編集後記



 大阪大学大学院最先端医療イ
ノベーションセンターの浅井歩
氏らの研究グループが、早期発
見が困難な膵ガン患者さんの尿
に対しても、線虫が同様の行動
を示すことを多施設共同試験で
明らかにしたと、医学雑誌に報
告したのは素晴らしい業績です。
線虫のガン検出には、N-Noseと
いうものが確立されているので、
新鮮味に欠ける点は、否めませ
んが、早期の膵ガンが検出でき
るという点においては、沢山の
患者さんを救う可能性があると
私は、考えています。早く、ス
クリーニング検査として普及す
ることを期待したいと思います。
 慶應義塾大学が9月8日、健康
な人を対象に40Hzガンマ周波数
帯域のバイオレット光を照射す
る眼鏡を用いた臨床研究を行い、
同光刺激は40Hzの白色対照光と
比べ、認知機能に関わる可能性
のある脳波変化を引き起こすこ
とを世界で初めて示したと発表
したのは、素晴らしい業績です。
認知症やうつの人に、早く臨床
試験を行い、結果を出してくれ
ることを期待したいと思います。
健常被験者に対する40Hzバイオ
レット光の短期的照射は眼をは
じめとした身体に対して、明ら
かな有害事象をもたらさないこ
とが確認されているので、安全
性については、問題ないと思い
ます。

 自称の事象について評価が分
かれる。         笑















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