診療マル秘裏話   号外Vol.984  平成29年10月3日作成

作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨




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目次
  
1)肺内目標病変まで自動的にたどり着く気管支鏡
2)患者のコスト意識が低い事を背景に医療費上昇














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 医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に、新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 








  
1】 肺内目標病変まで自動的にたどり着く気管支鏡











 東邦大学は9月7日、1本の極
細構造のチューブ内に流体圧を
印加することにより、ミミズの
ような蠕動(ぜんどう)運動を
生成する仕組み「Mono-line Dr
ive 」を開発したと発表しまし
た。この仕組みを用いることに
よって、将来的には、気管支内
を自走して肺内の目標の病変ま
で自動的にたどりつき、病変の
採取や治療が行えるオートガイ
ド・ロボットの開発を目指すと
しています。研究は、同大医療
センター大森病院呼吸器内科の
高井雄二郎准教授と、東京工業
大学工学院 システム制御系の
塚越秀行准教授の研究チームに
よって行われました。



肺がんなど呼吸器疾患において、
診断・治療の精度を高めるため
には、肺内病変の生体検査が不
可欠です。 現在は、気管支鏡
検査による用手的生検を行って
いますが、気管支の分岐が末梢
に行くほど多岐かつ細くなるた
め、それを確実に選択し推進す
る微細な移動調整は難しいので
す。また、施行医による技術差
もあり、確実に病変に生検鉗子
を到達させることが難しく診断
精度が十分とは言えませんでし
た。

気管支内視鏡で十分な検査を行
うためには肺内の目標まで確実
に到達させることのできる器具
と仕組みの開発が必要です。そ
のために克服すべき課題とされ
ているのが、極細で分岐が多岐
に渡る気管支内でも生検鉗子を
確実に目標に進められる仕組み
です。今回、研究チームが開発
したMono-line Driveは、1本の
チューブ内への加減圧だけで、
複数のチャンバーに、進行波を
生成するように設計されており、
これにより気管支のような極細
な構造の中を蠕動運動で進むこ
とが可能となりました。Mono-l
ine Drive には推進方向を選択
するための湾曲機能や、管路径
の変化に適応するための、屈曲
推進機能も搭載されており気管
支モデルを用いてこれらの有効
性を確認したということです。

今後は、推進可能な分岐確度の
拡大や、カメラ等を搭載し気管
支内部の情報収集等を行い、生
体検査や治療に活用できる機能
の開発を行う予定です。

気管支鏡の動画です。

 

 



 水深の深さを測定する実験を
推進する。笑













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2】 患者のコスト意識が低い事を背景に医療費上昇













 患者のコスト意識が低いこと
を背景に、医療費が押し上げら
れています。将来的には、保険
適用される医療が制限される可
能性も浮上しています。

 美容には、何万円もする超高
級クリームよりも、医療用医薬
品「ヒルドイド」がいい。

 ここ数年、女性誌やウェブに、
こんな特集記事が続々と出ます。
保湿効果があるヒルドイドは、
医師が必要だと判断した場合の
み処方されますが、雑誌には「
娘に処方してもらったものを自
分に塗ったらしっとり」といっ
た体験談も載っています。この
体験談も危険な要素を含んでい
ます。家族であっても他の人に
処方してもらった薬を診察を受
けずに、自分に塗るというのは
本当に危険です。ヒルドイドは
ヘパリン様物質を含むので、出
血傾向のある皮膚病の人が使う
とよろしくありません。

 ソフト軟膏タイプの50グラム
入りで1185円です。保険が
きくので、患者負担は現役世代
なら3割の350円余り、子ど
もなら自治体によっては無料に
なります。東京都内の40代の
開業医は「患者に『多めに出し
て欲しい』と言われれば、出さ
ざるを得ない」と話しています。
しかし、この開業医のように出
さざるを得ないと、考えている
医師は少ないと思います。多め
に出すことは、保険の審査の目
に留まりやすくなり、必要以上
に処方していると、濃厚診療と
判断され、査定されるからです。

 販売元のマルホは記事を見つ
けるたびに、出版元に意見書を
提出しています。「社会保障費
の増加への対応が課題とされる
中、保険適用の医療用医薬品を
美容目的に使うのは、医療費の
無駄遣いにつながるとの指摘が
ある」などとして記事の撤回を
求めますが、消えては、また出
ます。

 こんな支出の積み重ねでも、
医療費が増えるという危機感が
浸透していません。

国民医療費をめぐる最近の動向

と推移についての動画です。

 

 

 


 医療機器全滅の危機感が足り
ない。笑















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編集後記



 1本の極細構造のチューブ内
に流体圧を印加することにより、
ミミズのような蠕動(ぜんどう)
運動を生成する仕組み「Mono-l
ine Drive 」を開発したと発表
したのは素晴らしい業績です。
気管支内を自走して肺内の目標
の病変まで自動的にたどりつき、
病変の採取や治療が行えるオー
トガイド・ロボットの開発を目
指すという大目標に肉薄してほ
しいものです。
 患者のコスト意識が低いこと
を背景に、医療費が押し上げら
れています。将来的には、保険
適用される医療が制限される可
能性も浮上しているとは、由々
しき事態であると認識していま
す。患者さんは、無制限に薬が
出せると甘く考えている人が多
いので、医療資源は有限であり、
大量に処方すると保険の審査で
査定されることをしっかりお話
しする必要があるようです。

 不浄の輩が浮上する。笑










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