診療マル秘裏話  号外Vol.2464 令和4年6月26日作成

作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨




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目次

1)リポソーム製剤と,免疫チェックポイント阻害剤の併用療法
2)細胞内形成エクソソームを細胞膜へ輸送する制御分子












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 医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に、新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 









 
1】 リポソーム製剤と,免疫チェックポイント阻害剤の併用療法











 富士フイルムは6月1日、同社
が開発しているリポソーム製剤
「FF-10832」と、米メルクの抗
ガン剤「キイトルーダ」の併用
療法を評価する第2相臨床試験
(P2)を、米国で開始したと発
表しました。富士フイルムのリ
ポソーム製剤の他剤併用試験は
初めてということです。免疫チ
ェックポイント(CP)阻害剤の
投与を含む標準療法後に増悪し
た、進行性固形ガンの患者さん
を対象としています。今後、他
社への導出を前提に進めていき
ます。

 今回のP2では、主に非小細胞
肺ガンや尿路上皮ガンの患者さ
んに対して、安全性や初期の有
効性などを確認します。症例数
は、FF-10832とキイトルーダの
併用投与群、FF-10832の単剤投
与群で合計100例程度を予定
しています。FF-10832は2018年
に米国で単剤療法を評価するP1
も始めており、現在も進行中と
いうことです。

 FF-10832は、複数の固形ガン
を適応とする抗ガン剤「ゲムシ
タビン」を内包しています。マ
ウス実験では、免疫CP阻害剤と
の併用投与により、ガン細胞な
どを殺傷するCD8陽性キラー
T細胞が、ガン組織内で増加す
ることを確認しました。それぞ
れの単剤投与よりも生存期間が
大幅に延びることが分かりまし
た。

 リポソーム製剤について解説

している動画です。

 

 

 



 端坐位で単剤の投与を行った。














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2】 細胞内形成エクソソームを細胞膜へ輸送する制御分子













 東北大学の研究チームは、細
胞内で形成されたエクソソーム
(細胞内に由来する直径50~200
ナノメートルの細胞外の膜小胞)
を細胞膜へ輸送する制御分子と
して、「Rab39A」と「Rab39B」
(以下、Rab39A/B)を新たに同
定しました。

 研究チームは、細胞内の小胞
や細胞小器官の輸送を制御する
ことが知られている低分子量G
蛋白質「Rab」 に着目しました。
多胞体に選択的に局在し、遺伝
子欠損によりエクソソーム分泌
に影響があるRab を網羅的に探
索することで、Rab39A/Bが多胞
体の細胞膜方向への輸送を制御
していること、およびRab39A/B
が正常に機能できない細胞では
エクソソーム分泌が顕著に阻害
されることを明らかにしました。

 さらに同チームは、パーキン
ソン病変異型Rab39Bとエクソソ
ーム分泌との関連性を調べまし
た。すると、Rab39A/B欠損細胞
におけるエクソソーム分泌の阻
害は、Rab39A/B欠損細胞にRab3
9Bを再発現することで回復する
ことと、パーキンソン病変異型
Rab39Bを発現させてもエクソソ
ーム分泌は強く阻害されたまま
であることを発見しました。パ
ーキンソン病変異型Rab39B発現
細胞では、エクソソーム分泌の
効率が低下している可能性を示
唆しました。

 Rab39Bは若年性パーキンソン
病の原因遺伝子として知られて
いますが、発症の仕組みは不明
ということです。今回の研究は、
Rab39Bと若年性パーキンソン病
の関連性をエクソソーム分泌と
いう観点から解析した初めての
報告として、治療薬の開発への
応用が期待されます。研究成果
は、米国の国際科学誌のセル・
レポーツ(Cell Reports)の電
子版に、2022年6月1日付けで掲
載されました。

 エクソソームについて解説し

ている動画です。

 

 

 



 寒天を食べる観点から食レポ
を行った。        笑












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編集後記



 富士フイルムが6月1日、同社
が開発しているリポソーム製剤
「FF-10832」と、米メルクの抗
ガン剤「キイトルーダ」の併用
療法を評価する第2相臨床試験
(P2)を、米国で開始したと発
表したのは、喜ばしいことです。
リポソーム製剤は、ドラッグデ
リバリーシステムを利用してガ
ン細胞にだけ、抗ガン剤が到達
するように設計されています。
問題は、相方のキイトルーダの
方で、免疫チェックポイント阻
害剤は、事前にその効果が見込
めるかどうかが重要になるため、
患者さんの選別を厳格に行って
頂きたいと思います。
 東北大学の研究チームが、細
胞内で形成されたエクソソーム
(細胞内に由来する直径50~200
ナノメートルの細胞外の膜小胞)
を細胞膜へ輸送する制御分子と
して、「Rab39A」と「Rab39B」
(以下、Rab39A/B)を新たに同
定したのは素晴らしい業績です。
今回の研究は、Rab39Bと若年性
パーキンソン病の関連性をエク
ソソーム分泌という観点から解
析した初めての報告として、治
療薬の開発への応用を期待した
いと思います。米国の国際科学
誌のセル・レポーツ(Cell Rep
orts)の電子版に、2022年6月1
日付けで掲載されただけのこと
はある価値のある成果だと思い
ます。

 幻覚を厳格に定義する。 笑















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